この記事は、浦和北高校に通う高校生と保護者の方に向けて書いています。EIMEI予備校 代表・英語科の二神大輝です。
浦和北高校の英語コミュニケーションの教科書はLANDMARK(啓林館)、論理・表現はVision Quest(啓林館)です(在籍生への聞き取りで確認した範囲です)。この2冊を出発点に、GMARCH・日東駒専や国公立大学の入試に届くまでに何がどれだけ足りなくなるのかを、語数・時間・記述の有無という形で書きます。なお、定期テストの形式や授業の進度など、EIMEIが確認できていないことには触れません。
LANDMARKは「標準レベル」。その位置が意味すること
EIMEIでは、川越と周辺の高校が使う英語の教科書を高校別 英語の教科書レベル一覧にまとめています。その区分でLANDMARKは「標準レベル」。発展レベルにELEMENTやCROWN、基礎レベルにPower OnやCREATIVEが入るので、ちょうど真ん中です。
悪くない位置です。標準レベルの英文は構造が入り組んでおらず、語彙も整理されています。「英文を正しく理解する」練習には素直で良い教材です。ただし、入試で必要な量・速度・記述は含まれていません。放置したまま高3の夏を迎えると、「定期テストは取れているのに模試が動かない」状態になります。埋める差は4つです。
軸1|LANDMARKから志望校までに埋める4つの差
差1|語彙|教科書の新出語だけでは、入試の素材に届きません
EIMEIでは私立20校の入試英文を分析していますが、グループごとに素材の出どころが違います。GMARCHはBBC・Guardian・AP・NYTなどの報道記事を標準的な難度にリライトしたものが主流。日東駒専はそれより平易〜標準の時事・教養記事です。いずれも教科書には載らない素材です。
つまりGMARCH以上なら、教科書にない現代社会の語彙が要ります。気候変動、生成AI、格差、少子高齢化。覚え方は、頻度順に前から回すよりテーマごとにまとめるほうが長文では効きます。気候変動の英文にはcarbon系、心理学の英文にはcognitiveやbiasが固まって出るからです。
差2|英文量|1回の試験で読む本数が、授業とまったく違います
学校の授業は1レッスンに何週間もかけます。理解を作るには良いのですが、1年間に読み切る本数は限られます。入試1回で読む量は、EIMEIが問題冊子から確認した範囲でこうです。
- 東洋大学…60分で5大問。長文読解2本(各400〜700語)に加えて、語彙文法の空所補充、会話文の文挿入、和文に対応した整序英作文
- 法政大学A方式…全問マークで1回の試験に長文が3〜4本
- 明治大学 法学部…超長文2本の言い換えと要約
日東駒専にあたる東洋大学でも400〜700語を2本。教科書1レッスン分の英文を60分で何本も読み切るのが入試で、必要なのは持久力です。
差3|速度|「初めて見る英文を、自力で、時間内に」という条件
授業では解説を聞いてから意味が確定し、定期テストの本文も既習の英文です。学校の英語だけでは「初見の英文を、辞書なしで、時間を測って読む」場面がほとんど生まれません。入試で問われるのはその力だけです。300〜500語の初見の英文を人に説明できる程度に読み、時間を計ってください。300語を5分なら60語/分、3分なら100語/分。原因が語彙か構造か速度かの切り分けは英語長文が読めない原因の見分け方にまとめました。
差4|記述の有無|標準レベルの学校でいちばん抜けやすいところ
最大の盲点です。同じGMARCHでも、記述の有無で試験の性格が変わります。
- 記述が重い…明治大学 法学部は50字の要約記述、理工学部は和訳・説明の記述。中央大学 法学部は和訳・英訳・同綴り語記入と記述の大問が3つ分。青山学院大学の個別方式は、文(英米文A)が和訳+50語の英作文、経営が和訳・英訳+150字の日本語論述。学習院大学は4大問に25字以内の和訳と和文英訳が定型で入ります
- 記述がない…法政大学は全方式とも全問マークで記述・英作文なし。明治の商・国際日本、青山学院の全学部日程も全マークの速読型。日東駒専は全問マークが基本で、語彙・文法の独立小問が全体の3〜5割を占めます
Vision Questで文法問題を解き続けても、50字にまとめる、30語で意見を書く、150字で説明する作業には一度も出会いません。逆に、志望校が全マーク型なら記述の練習は不要です。どちらに転ぶかは志望校次第です。
軸2|私立専願と国公立志望で、高2のうちに準備が分かれます
国公立大学の英語は、私立と別の競技です。EIMEIの分析では国公立の記述は要約・和訳・内容説明・自由英作文の4つの型しかなく、どの大学も配合が違うだけです。そして共通テストとの分業が進み、二次は少数の長文をじっくり読ませる方向。速読より精読、量より深さです。私立とは逆向きの準備になります。
自由英作文の語数も、大学によってはっきり決まっています。
- 埼玉大学…意見英作文が120〜150語と重く、2年連続で出題されています
- 筑波大学…本文を踏まえた意見英作文が80〜100語で定番
さらにグラフ・資料を読んで書く英作文が拡大中です(名古屋大学、九州大学、佐賀大学、和歌山大学など)。公立大は英作文の配点が重い大学が多く、地方国立も共通テストで測れない記述に特化する方向が鮮明です。
つまり国公立を視野に入れるなら、高2のうちに「英語で自分の意見を100語前後書く」練習を始める必要があります。高3の秋からでは重すぎるからです。逆に私立専願で全マーク型に絞るなら、その時間は語彙と速度に回したほうが得点になります。高2で決めるのは志望校そのものではなく「記述を使う道に進むかどうか」です。大学ごとの傾向は大学別 傾向と対策まとめにまとめています。
軸3|高1・高2・高3で、それぞれ何をするか
高1|定期テストを取りにいく。予習を「自力読み」に変える
やることは2つ。定期テストの点を取ることと、LANDMARKの予習を「時間を測って1回通読」に変えることです。
辞書を引く前に時間を測って最後まで読み切り、かかった時間と語数をノートの端に書きます。分からない語は飛ばして構いません。これだけで予習が差3を埋める練習に変わります。そのあと辞書を引いて訳を作れば、授業は答え合わせになります。評定は高1の1学期から積み上がるので、年内入試の可能性があるなら定期テストを捨てる選択肢はありません。
高2|道を決める。記述を使うかどうかを判断する
高2の仕事は、志望校の方向を決めて過去問を一度開くことです。解けなくて構いません。何分で、何本の英文を、どういう設問で問われるのかを自分の目で見るのが目的で、記述か全マークかが分かれば十分です。
並行して、週に1本、学校の教材以外の初見の長文を時間を測って読みます。読む単位は500〜600語まで上げてください。国公立を視野に入れるなら英語で意見を書く練習を月に2〜3本足します。学年ごとの進め方は学年別ロードマップにまとめています。
高3|形式に合わせる。LANDMARKは速読素材として回す
志望学部の過去問を3年分そろえ、形式を分析するところから始めます。長文は何本か、記述はあるか、設問文は英語か日本語か。ここが決まらないと的が外れます。
そして、定期テストが終わったLANDMARKの本文を捨てないでください。一度精読を終えた英文は、これ以上ない速読素材です。和訳を見ずに、音読と時間を測った黙読で読み直す。3年ためれば標準レベルの英文を何十本も速く読める状態でストックできます。差2を埋めるのは問題集ではなく、この積み上げです。
軸4|共通テスト利用と一般選抜の組み合わせ方
ご相談が多いところです。共通テストは国公立志望の人だけのものではありません。私立でも、共通テストや英語資格スコアを英語の得点に使う仕組みが広がっています。たとえば立教大学は、一般入試で大学独自の英語問題を出すのが文学部日程だけで、ほかの学部は英検・TEAPなどのスコアか共通テストの得点を使う設計です。この場合、立教対策の英語はスコアを取りにいくことになります。整理の順序はこうです。
- まず、志望校が独自問題を課すのか、共通テストやスコアで代替するのかを調べる。ここでやるべき勉強が変わります
- 共通テスト利用は「1回の試験を複数校に出す」仕組みとして使う。一般選抜と併用すれば、日程の負担を増やさずに出願校を広げられます
- 国公立志望なら、二次が精読と記述に寄っている分、共通テストの処理速度は別に鍛える。同じ英語でも求められる読み方が違います
- 英検などの外部スコアは高2のうちに取りにいく。一般選抜でも年内入試でも使え、高3の選択肢が増えます
詳しくは共通テスト利用入試の使い方に書きました。出願の直前に考え始めると、選べる組み合わせが減ります。高2の冬に一度、ご家庭で全体像を確認してください。
EIMEI予備校 川越校舎では、こう指導しています
川越校舎は1対1の個別指導です。この形式が効くのは、学校の教材にそのまま合わせられるからです。
- LANDMARKの本文を、和訳を覚える読み方ではなく初見でも同じことができる読み方に変えます。学校の課題がそのまま受験勉強になります
- Vision Questで解いた文法を読む速度に変換する演習を足します。「解ける」から「読むときに使える」へ、です
- 速度は毎回測り、いま何語/分かを共有してから埋める順番を決めます
- 記述を使う道に進むかを高2で一緒に判断し、進むなら4つの型を順に入れます
大学側の情報はこちらで用意します。EIMEIでは大学別に入試対策読本を自作し、学部・日程ごとの語数、設問の型、試験時間、出題されない形式まで問題冊子から確認しています(この記事の数字もそこから引きました)。
そして自習室は朝7時から使えます。予習の1回通読とテスト後の読み直しは1日20分で回ります。登校前のその20分が、3年間で大きな差になります。
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※浦和北高校の使用教材は在籍生への聞き取りにもとづく範囲です(採用教材は年度によって変わります)。大学の語数・試験時間・出題形式は、EIMEIが確認した年度の問題冊子にもとづきます。入試制度・日程・配点は毎年変わります。出願前に必ず各大学の最新の入学者選抜要項をご確認ください。
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EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。
- 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
- ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
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