こんにちは、EIMEI予備校の二神です。
この記事は、川越とその周辺の高校に通っていて、総合型選抜・学校推薦型選抜の面接を控えている高3生と、その保護者の方に向けて書いています。「何を聞かれるのか分からない」「話し始めると長くなる」「練習のやり方が分からない」という段階の人が対象です。
ここでは準備の手順・想定質問の作り方・答えの型と分量・練習の回し方を、手を動かせる形で書きます。出願条件や日程は大学ごと年度ごとに変わるので扱いません。受ける年の募集要項で確認してください。
面接は「話し方の試験」ではなく、書類の口頭試問です
面接対策というと笑顔やお辞儀の角度を思い浮かべる人がいますが、そこは配点ではありません。面接官の手元にあるのはあなたが出した志望理由書・活動報告書・調査書で、質問はほぼすべてそこから作られます。
つまり面接は、書いたことが本当か、書いた本人がどこまで考えているかを確かめる場です。マナー本ではなく自分の書類を読み直すところから始めるのが正しい順番になります。書類の作り方は別記事にまとめているので、初稿ができていない人は先にそちらから進めてください(総合型・学校推薦型の志望理由書の書き方)。
この入口は一部の人だけのものではありません。EIMEI予備校の入試対策読本で学習院大学の入試結果を見ると、2026年度の入学者2,454人に対し一般選抜での入学は1,198人。約半数は推薦・総合型からの入学者でした(学習院大学の入試対策記事)。面接はその入口の最後の関門です。
準備は5手順で進めます
準備は①想定質問を洗い出す(90分)→②答えの型で原稿を作る(1問10分)→③分量を計って削る→④録音と第三者で練習を回す→⑤志望理由書との一貫性を確認の順です。想定質問を作る前に練習を始めると、答えやすい質問だけを繰り返すことになります。
手順1:想定質問は「作られる仕組み」から逆算して洗い出す
想定質問集を買ってくる必要はありません。あなた用の質問は、あなたの書類の中にしか書いてありません。面接官が読める材料はその紙だけだからです。
書類を印刷して、4種類の言葉に線を引く
- 固有名詞…読んだ本、科目名、研究テーマ、団体名
- 数字…3年間、週4回、40人
- 評価の言葉…「努力した」「成長した」
- 因果をつなぐ言葉…「そこで」「その結果」
線を引いた箇所1つにつき、質問が最低1つ作れます。これが面接官のしていることです。そして1か所につき、「なぜ」「具体的には」「他には」の3方向を機械的に当てはめます。
たとえば「文化祭の企画で、来場者を前年より増やすために広報の方法を変えました」という一文から、前年は何人でしたか/何を変えたのですか/なぜその方法が効くと考えたのですか/うまくいかなかったことは/学部の学びとどうつながりますか——一文で5問です。
目標は30〜50問。志望理由書と活動報告書があれば届く数です。
作ったら「なぜ」に3回連続で答えられるかを試します。なぜ経済学部か→なぜそのテーマに関心を持ったか→なぜ高校ではなく大学で学ぶ必要があるか。3回目で詰まる箇所は、書類の段階で盛った箇所です。練習で埋めるより考え直すほうが早く、安全です。
手順2:答えの型は「結論→根拠→具体例→大学での接続」
話が長くなる人も、短すぎて終わる人も、型を持っていないのが原因です。型は1つで足ります。
- ① 結論…聞かれたことに一文で答える
- ② 根拠…そう考える理由を1つだけ
- ③ 具体例…実際の場面を、数字か固有名詞つきで
- ④ 大学での接続…大学で何をしたいか、一文で戻す
一番大事なのは①です。経緯から話し始めると、面接官は「結局どっちなのか」を探しながら聞くことになります。そして④を忘れる人がとても多い。高校の話で終わると思い出話になります。最後に大学へ戻せば、答え全体が志望理由につながります。
例を1つ。「高校生活で力を入れたことは」に対して。
- ①…吹奏楽部で、パート全体の練習の進め方を組み直したことです。
- ②…個人練習の時間が長いのに、合わせると崩れる原因が分からなかったからです。
- ③…週4回のうち1回を録音して聞き返す時間にしたところ、ずれる箇所が毎回同じ2小節だと分かり、そこだけ取り出して合わせました。
- ④…原因を数えて特定するやり方が面白く、大学では人の行動をデータで確かめる方法を学びたいです。
この4文で約210字。1問1分以内に収まります。なお「はい/いいえ」で済む質問に、根拠から話し始めないでください。まず答え、必要なら一文添えるだけです。
手順3:分量の目安は「1分=300字」
聞き取りやすい速さは1分あたり300字前後です。原稿を作ったら字数を数えてください。
- 15秒=約75字…はい/いいえ+一文で足りる質問
- 30秒=約150字…長所、苦手科目、併願の有無
- 1分=約300字…志望理由、力を入れたこと、入学後の計画。基本の長さはここ
- 2分=約600字…時間を指定された自己PRのときだけ
指定がないかぎり、1分を超えないでください。長い答えは質問の数を減らし、あなたが見せられる面を減らします。逆に10秒で終わる答えが続くと、面接官は次の質問を作る材料を失います。主な質問には最低100字は用意します。
ただし原稿は丸暗記しないでください。暗記した文章は、言葉が飛んだ瞬間に全部止まります。覚えるのは4つのキーワードだけ。上の例なら「練習の組み直し/原因が分からない/録音・2小節/データで確かめる」です。
手順4:練習は「録音」と「第三者」で回す
頭の中だけで答えを組み立てる練習は効果が薄いです。次の3段階で回してください。
段階1:録音して、自分で聞く(一人でできる)
スマートフォンの録音アプリで十分です。質問リストから5問選んで答えを録音し、必ず聞き返します。聞き返さない録音は練習になりません。チェックは4つだけ。
- 最初の一文で、聞かれたことに答えているか
- 何秒かかったか(60秒を超えていないか)
- 「えーと」「なんか」が何回出たか(数えるだけで減ります)
- 数字か固有名詞が1つ以上入っているか
自分の声を聞くのは気まずいものですが、1回聞き返すだけで直す点が自分で分かるのが録音の強みです。
段階2:第三者に質問してもらう
録音だけでは足りない理由は1つ、自分は自分に予想外の質問をできないからです。相手は保護者でも先生でも構いません。志望理由書と質問リストを渡し、次のように頼みます。
- リストの順番どおりに聞かない(順番を覚えてしまうため)
- 答えたあとに必ず「なぜですか」をもう1回(深掘りに慣れるため)
- リストにない質問も1問混ぜる(予想外への対応の練習)
フィードバックは「どうだった」と漠然と聞かず、観点を指定します。「最初の一文で答えが分かったか」「どの答えが一番長く感じたか」「内容が薄いのはどれか」、そして「私の志望理由を一言で言うと何だと伝わったか」。最後の1つがとくに重要で、相手が言い直した一言が、あなたの志望理由の実際の伝わり方です。違っていたら答えの中身を直します。
段階3:本番形式で通す
残り2週間を切ったら、入室から退室まで10〜15分を通しでやります。詰まっても止めない。回数の目安は段階1を週2〜3回、段階2を週1回、段階3を本番までに3回。毎日長時間より1回30分を定期的にのほうが伸びます。
準備していない質問も必ず来ます。対応も評価されるので、形を決めておきます。
- 黙り込まない…「少し考えさせてください」と言ってよいです。5秒の沈黙は思うほど長くありません
- 知らないことは知らないと言う…そのうえで「入学後に考えてみたいです」と返します
- その場で作った嘘を足さない…次の質問で必ず崩れます
- 意味が分からなければ聞き返す…「◯◯という意味でしょうか」と確認するのは減点ではありません
手順5:志望理由書との一貫性を、最後に必ず確かめる
一番もったいない失敗が、書類と口で言うことがずれていることです。嘘のつもりがなくても、準備の過程で考えが進むとずれます。本番1週間前に次の4点を突き合わせてください。
- 志望理由の「核」…書類の結論と、面接で言う一文が同じ方向を向いているか
- きっかけの事実…時期、人数、役職、本のタイトル。細部が変わると聞き手は他の部分も疑います
- 学びたい分野の粒度…書類で「労働経済学」と書いたなら、口頭でも学部名で止めない
- 将来像…書類より大きい将来像を口で言うと、書類のほうが薄く見えます
考えが深まって別のことを話したくなったのなら、その変化自体を説明できる形にします。「出願後に◯◯を読んで関心が△△に絞れました」と言えば、一貫性は保たれたまま前進として伝わります。黙って別のことを話すのが一番まずい。
固有名詞の確認もここで済ませます。読んだと書いた本は、要点を30秒で説明できる状態に。名前だけ書いて中身を言えないと、書類ごと信用を落とします。
よく聞かれる質問と、答え方の勘どころ
大学・学部を問わず出やすい質問です。答えは全部、上の4部構成で作ります。
- 志望理由を1分で…書類の読み上げにせず、核を1文で言ってから具体を足す
- なぜこの学部か…学部名で止めず分野→科目→問いの3段まで降ります
- 高校生活で力を入れたこと…肩書きではなく変えた行動と結果、残った疑問。成果の大小は見られていません
- 長所と短所…長所の言い換え(「慎重すぎる」)で逃げず、実際の短所+いま試している対処を
- 最近気になるニュース…志望分野に関係するものを選び、紹介で終わらせず自分の考えまで言う
- 入学後にやりたいこと…カリキュラムを見た形跡を残す。学年と科目の粒度で話せると強い
- 卒業後の進路…職業名で終わらせず、その仕事のどの部分が学びたいことと重なるかを一文
- 他の大学は受けますか…正直に答えて構いません。隠して矛盾するほうが損です
- 評定や苦手科目…言い訳をせずいま何をしているかを事実で
- 最後に何か言いたいことは…「特にありません」で終えない。15〜30秒で伝えきれなかった一点を足します
この10問は、手順1で作った質問リストとは別に全員が準備しておくべき土台です。
プレゼン型・グループディスカッション型がある場合
総合型選抜では発表型(プレゼンテーション)や討論型(グループディスカッション)が課されることがあります。同じ大学でも学部によって形式が違うのが普通です。
EIMEI予備校が成蹊大学の入試対策読本を作るときに総合型選抜の課題を現物で確認したところ、学部ごとの差がはっきり出ていました。法学部は事前にテーマが公表される議論型、経済学部は課題文献を精読したことを確かめる筆記と発表、経営学部は数的処理・文章読解・統計資料の読解を組み合わせた筆記、理工学部は論理推論と数学の思考力審査という具合です(成蹊大学の入試対策記事)。形式やテーマは年度で変わるので、受ける年の要項で必ず確認してください。
つまり「面接対策」とひとくくりにはできません。形式が分かった時点で準備の中身を分けます。
発表型(プレゼン)の準備
- 時間の8割で作る…5分の指定なら4分で終わる分量に。間を取るので1,200字前後が現実的です
- 構成は3部…問い → 調べたこと → 大学で続けたいこと。最初の30秒で「何の話か」を言い切る
- スライドは1枚に1メッセージ…読み上げる原稿を書かない
- 発表後の質疑が本番…手順1と同じやり方で質問を20問作り、未解決の点を把握しておく
- 通し練習を最低3回、時間を計って…録音より動画が向いています
討論型(グループディスカッション)の準備
評価されているのは結論の正しさでも発言回数でもなく、議論を前に進めたかどうかです。準備できることは3つ。
- テーマが事前公表されるなら、賛成・反対の両方で材料を3つずつ用意する…どちらの立場になっても動けます
- 役割の型を覚えておく…「論点を整理する」「具体例を出す」「時間を見る」「まとめる」。司会をやらないと不利ということはなく、空いた役割に入るほうが評価されます
- 言い方を3つ準備する…「いまの意見に付け加えると」「論点を整理すると◯◯と△△の2つが出ています」「残り時間を考えると、そろそろ結論を出しませんか」
やってはいけないのは、他の受験生の意見を否定して自分の意見に差し替えることです。相手の意見を受けて考えを組み替えられるほうが評価されます。練習には3人以上必要なので学校や塾に場を作ってもらうのが早く、集まらない場合は「反対の立場で3分話す」練習を一人でやるだけでも効果があります。
当日の身だしなみと入退室は、短く確認するだけで足ります
減点されない状態にして、あとは中身に集中するのが正しい配分です。
- 服装は指定がなければ制服。前日にアイロンと靴磨きまで済ませる。髪は目と眉が見える状態に
- 入退室…ノック3回、「どうぞ」で入室、ドアを閉める、椅子の横で受験番号と名前、「どうぞ」で着席。最後は礼をしてから退室。1回練習すれば十分
- 姿勢と視線…背もたれに寄りかからない。質問した人を見て話し、面接官が複数なら他の人にも視線を向ける
- 持ち物…受験票、筆記用具、志望理由書の控え。待ち時間は新しいことを覚えず、控えとキーワードの確認だけ
一般選抜の準備は、止めないでください
面接対策に入った時期に教科の勉強が止まるのが、毎年いちばん多い失敗です。面接練習は1回30分に区切り、結果が出るまで英語と主要科目の学習量は維持してください。面接で身につく力は、記述問題や小論文とも重なります。
今日から本番までの進め方
- 今日…書類を印刷し、4種類の言葉に線を引いて質問を30問書き出す(90分)
- 今週…よく聞かれる10問の原稿を4部構成で作り、300字以内に削る
- 来週から…録音を週2〜3回、第三者との練習を週1回。秒数と「えーと」の回数を記録する
- 1週間前…一貫性を4点チェック。入退室を1回通す
- 前日…新しい準備はしない。控えとキーワード、持ち物、服装だけ
完璧に話せる必要はありません。考えていることが伝わればいい試験です。詰まりながらでも自分の言葉で答えた受験生のほうが、暗記した文章を流暢に述べた受験生より残ります。
川越で、面接の練習相手が必要なときは
EIMEI予備校は2026年6月に川越校舎を開校しました。川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
1対1の個別指導で、総合型選抜・学校推薦型選抜の指導も行っています。想定質問を作る、深掘りの質問を投げる、答えの長さを計って削る、発表の通し練習を見る——一人ではできない部分を、一般選抜の学習と並行できる形にします。
「何から手をつければいいか分からない」「練習相手がいない」という段階でも構いません。川越校舎の無料体験・個別説明会をご利用ください。
