共通テストを課す学校推薦型選抜とは?2027年度 国公立の例と準備

国公立大学の学校推薦型選抜・総合型選抜には、大学入学共通テストを課すものと課さないものがあります。課す方式では、11月の面接・小論文に合格しても、1月の共通テストで基準を超えないと最終合格になりません。

2027年度入試の共通テストは2027年1月16日(土)・17日(日)、最終合格の発表は2月上旬が目安です。

この記事では、2つのタイプの違い、選考の流れ、要項での基準点の書かれ方を、首都圏の国公立4大学の2027年度の公式要項を例に説明します。埼玉大学と筑波大学は、11月9日(月)まで出願を受け付けています(2026年11月6日時点。どちらも書類は郵送必着、筑波大学のネット出願登録は11月9日9:00まで)。

項目 内容
2027年度 共通テスト本試験 2027年1月16日(土)・17日(日)
追・再試験 2027年1月23日(土)・24日(日)
課す方式の流れ(例) 11月出願 → 11〜12月に第1次選考 → 1月共通テスト → 2月最終合格(埼玉大学・筑波大学)
課さない方式の流れ(例) 11月出願 → 11月選考 → 12月合格発表(埼玉大学 教養学部Ⅰ型・東京学芸大学)
基準の書かれ方の例 「合計得点率が65%以上」「概ね65%」「個別学力検査等の合格者とほぼ同等の水準」
共通テストの出願 推薦の出願とは別に、自分で共通テストに出願しておく必要がある

1. 「共通テストを課す」「課さない」の違い

国公立大学の年内入試は、要項の見出しや募集単位ごとに「大学入学共通テストを課す」「課さない」が明記されています。同じ大学・同じ学部でも、学科やコースによって分かれていることがあります。

課さない方式

  • 書類・小論文・面接などで選考し、12月ごろに合否が決まる。
  • 合格すれば年内に進学先が決まる。
  • 例:東京学芸大学の学校推薦型選抜は「大学入学共通テストを免除」と明記。

課す方式

  • 11月〜12月の選考は第1次選考(または合格内定)の位置づけ。
  • 共通テストの得点が基準に届くと2月に最終合格。
  • 評定や面接で一般選抜より有利な立場に立てる一方、共通テストの勉強は一般選抜と同じだけ必要。

推薦の種類そのものの違いは、指定校推薦・公募推薦・総合型選抜の違いで整理しています。

2. 共通テストを課す方式の選考の流れ

  1. 11月上旬:出願(郵送必着の期限に注意)
  2. 11月中旬〜下旬:第1次選考(小論文・面接・書類など)
  3. 12月上旬:第1次選考の合格発表
  4. 1月中旬:共通テスト(2027年度は1月16日・17日)
  5. 2月上旬:最終合格発表と入学手続

注意したいのは、共通テストへの出願は推薦の出願とは別だということです。現高3で課す方式を受ける人は、共通テストに出願済みか、受験する科目が推薦の要項の指定と合っているかを確かめてください。高1・高2の人は、共通テストの出願時期を大学入試センターの公式サイトで確認しておきます。

3. 首都圏の国公立の例(2027年度)

埼玉大学:同じ学部でも「課す」「課さない」が分かれる

  • 経済学部(昼間コース)総合型選抜:募集人員15名。出願資格に全体の学習成績の状況3.8以上、外部英語試験の基準スコア(例:英検1950、GTEC 930)、合格した場合の入学確約など。第1次選抜(11月21日)は調査書・自己推薦書・小論文・面接。第2次は共通テストで、高得点3教科の合計得点率が65%以上の人を合格とします。第1次合格発表12月8日、最終合格発表2027年2月8日。
  • 教養学部 学校推薦型選抜:Ⅰ型は共通テストを課さず(合格発表12月8日)、Ⅱ型は課す(合格発表2月8日)。
  • 理学部 基礎化学科・分子生物学科 学校推薦型選抜:共通テストを課す。選抜日11月21日、合格発表2月8日。
  • 出願期間はいずれも2026年11月2日(月)〜11月9日(月)郵送必着。

埼玉大学の詳細は、埼玉大学 経済学部 総合型選抜(2027年度)と埼玉大学の学校推薦型選抜|教養学部・教育学部で解説しています。

筑波大学:課すのは心理学類だけ

  • 推薦入試(学校推薦型選抜)で共通テストを課すのは人間学群 心理学類のみ。ほかの学類は課しません。
  • 出願登録は10月23日〜11月9日(月)9:00、書類郵送は11月2日〜9日必着。
  • 小論文・面接等は11月26日・27日、第1次選考合格発表は12月10日、最終合格発表は2027年2月10日。
  • 心理学類の第2次選考は「共通テストの得点が個別学力検査等の合格者とほぼ同等の水準の学力と判断し得る者」を最終合格とします。指定教科・科目を1科目でも受けないと選考対象外です。

学類ごとの条件は筑波大学 学校推薦型選抜2027にまとめています。

千葉大学 教育学部:総合型選抜で共通テストを資格試験に

  • 総合型選抜【方式Ⅰ】(全国教員希望枠)は「大学入学共通テストを課す選抜」。募集人員は計57名。
  • 9月26日・27日に適性検査・面接、11月4日に合格内定者発表(2027年度は実施済み)。
  • 合格内定者は共通テストを6教科8科目受験し、高得点3科目の合計(300点満点)が概ね65%に達していることが最終合格の条件。最終合格発表は2027年2月9日。

東京学芸大学:学校推薦型選抜は共通テストを課さない

  • 「大学入学共通テストを免除」し、大学の試験と出願書類で判定。
  • 評定の基準はコースにより4.3以上・4.0以上・3.8以上など。
  • 出願は11月4日(水)で締切(受付は終了)、試験は11月19日・20日、合格発表は12月3日。

4. 基準点・利用科目は要項でどう書かれるか

上の例のとおり、基準の書き方は大学によって違います。

  • 得点率を明示:「高得点3教科の合計得点率が65%以上」(埼玉大学 経済学部)
  • 目安を示す:「概ね65%」(千葉大学 教育学部 方式Ⅰ)
  • 数字を出さない:「個別学力検査等の合格者とほぼ同等の水準」(筑波大学 心理学類)

要項を読むときは次の点を確認します。

  • 受験が必要な教科・科目数(「6教科8科目」など)と、判定に使う科目(「高得点3教科」など)は別のことがある
  • 英語はリーディングとリスニングの両方が必要か
  • 「情報Ⅰ」を受験科目に含むか
  • 指定科目を1つでも受けないと対象外になるか

5. 評定基準の書かれ方

  • 数値で示す:「全体の学習成績の状況が3.8以上」(埼玉大学 経済学部)、コースごとに4.3/4.0/3.8以上(東京学芸大学)
  • 概評で示す:「調査書の学習成績概評A段階に属する者」(筑波大学の多くの学類)
  • 学力で代える道がある:筑波大学は「又は個別学力検査等に合格できる程度以上の学力を有する者」も推薦要件に含めています
  • 評定の基準を置かない:千葉大学 教育学部 方式Ⅰの出願資格には評定の基準がありません

学校推薦型選抜は高校長の推薦が必要で、1校あたりの推薦人数に上限が決められていることがあります(例:埼玉大学 理学部 基礎化学科は1校2名以内、教養学部はⅠ型1名・Ⅱ型1名の計2名まで)。校内選考の時期を担任の先生に早めに確認しておきます。

6. 一般選抜の勉強との両立

共通テストを課す方式は、一般選抜の勉強をやめない人のための推薦です。次のように時間を分けます。

時期 配分の目安
高3の4〜8月 共通テスト・一般選抜の勉強が中心。週末に志望理由書の材料集め
高3の9〜10月 志望理由書・推薦書類を仕上げる。平日は共通テストの演習を続ける
高3の11月 小論文・面接の直前練習。毎日1〜2時間は共通テストの演習を残す
12月〜1月 第1次合格の有無に関係なく共通テストに集中
2月 最終合格の発表を待ちながら、国公立前期・私立の一般選抜も準備

第1次選考で不合格になった場合の切り替えは、総合型選抜・学校推薦型選抜に落ちたら?で説明しています。

7. 高1・高2からの準備チェックリスト

  • 定期テストで評定を取る(この記事の例では3.8以上〜4.3以上)
  • 志望大学の要項で、受けたい学科が「課す」「課さない」のどちらかを確認する
  • 課す方式なら、共通テストの必要科目を高2までに把握し、科目選択を合わせる
  • 英語の外部試験のスコアが出願資格になる方式もあるので、高2のうちに受検しておく
  • 小論文は高2の冬から月2本程度、新聞の社説などを題材に書く
  • オープンキャンパスで学科の授業内容を調べ、志望理由のメモを作る

志望理由書の構成例(800字と仮定した場合の字数配分)

字数は大学・方式ごとに違います。以下は仮に800字で書く場合の配分例です。

  1. 学びたいこと(約100字)
  2. きっかけとなった経験(約250字)
  3. その大学・学科を選ぶ理由(約250字)
  4. 入学後の学びと将来(約200字)

字数・様式は大学の所定の用紙に従ってください。

8. よくある質問(Q&A)

Q1. 第1次選考に合格したら、共通テストは何点でもよいですか?

いいえ。課す方式では、要項に書かれた基準(得点率など)に届かなければ最終合格になりません。指定科目を受けないと選考対象外になる大学もあります。

Q2. 推薦で不合格だったら、同じ大学の一般選抜を受けられますか?

大学の要項で確認してください。例えば東京学芸大学の要項には、学校推薦型選抜に不合格でも、共通テストを受験すれば一般選抜(前期日程・後期日程)に再出願できると書かれています。

Q3. 課さない方式の方が有利ですか?

一概には言えません。課さない方式は年内に決まる反面、書類・小論文・面接だけで差がつきます。課す方式は学力の裏付けを求める代わりに、一般選抜と並行して準備しやすい面があります。

Q4. 専願ですか?

この記事の例では、埼玉大学 経済学部の総合型選抜や東京学芸大学の学校推薦型選抜が「合格した場合に入学を確約できる」ことを条件にしています。志望校の出願資格で確認してください。

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参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

EMiL個別について

EMiL個別は、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門にした1対1の個別指導塾です。EIMEI予備校の鶴瀬・ふじみ野・川越の校舎とオンラインで受講できます。志望理由書に書くことを見つけるところから、小論文・面接の練習、評定や英検の対策まで、一人ひとりの志望校に合わせて一緒に準備します。

EMiL個別の詳しい内容はこちら/ご相談は各校舎の公式LINEから

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この記事を書いた人

二神大輝