EIMEI予備校の入試対策読本とは|過去問を集めて設問を1問ずつ数えた冊子の中身|川越の大学受験

この記事は、「EIMEI予備校は何を使って指導しているのか」を知りたい生徒・保護者のために書いています。EIMEI予備校では、大学ごと・分野ごとに「入試対策読本」という冊子を自作しています。書いているのは私(代表・二神大輝)です。

ただ、「作っています」と言われても中身が見えないと思います。何をどう分析しているのか、その数字が勉強のどこで使われるのかを、実際の中身を出しながら説明します。

入試対策読本とは、過去問の設問を1問ずつ数えた冊子です

その大学の過去問の問題冊子を実際に集めて、大問・小問を1つずつ台帳に書き出し、数えています。解答を作るためではなく、出題の「作り」を記録するためです。記録しているのは次のような項目です。

  • 大問ごとの単元・ジャンル・出典(何が問われているか)
  • 大問番号と設問形式(どの位置に置かれているか、マークか記述か)
  • 総語数・総字数と試験時間(どれだけの量を、何分で処理させるか)
  • 年度をまたいだ一致(同じ単元が同じ大問番号に来ているか)
  • 出題されていないもの(3年並べて一度も出ていない単元)

数え終わると、「◯冊中◯回」「3年分のうち3回」という分母つきの数字が残ります。これが読本の本体です。感想ではなく数えた結果なので、生徒に「なぜこれを先にやるのか」を説明できます。分野別の読本は、このデータを単元別・ジャンル別に組み替えたものです。

実際に何が分かるのか 分野ごとの例

英語① 1分あたりに何語読まされるか

総語数と試験時間を両方記録しておくと、割り算ができます。

  • 慶應義塾大学 商学部…90分。総語数は設問・選択肢込みで3年とも約5,200語。1分あたり約58語です。
  • 法政大学 T日程…90分。2026年度は1,000語前後の長文4本で1分あたり約44語。法政で最も読ませる日程です。
  • 慶應義塾大学 総合政策・環境情報…120分、3題合計3,680〜4,280語で1分あたり31〜36語。「超長文で有名」ですが密度では商学部より余裕があり、重いのは1題に設問30問=全体の半分が集中する構造のほうです。

この数字で、「速く読む練習が要るのか、正確に読む練習が要るのか」が志望校ごとに分かれます。詳しくは英語が時間内に解き終わらないときに書きました。

英語② 長文のテーマには大学ごとの癖がある

長文の素材テーマも数えます。私大4グループの長文パッセージ約860本(2020〜2026年度)を大学・学部別に分類しました。数えると大学の「顔」が出ます。

  • テーマ全体で最も多いのは歴史・文化系で125題。次に心理・脳科学104題、物語・エッセイ系101題が続きます。
  • 東洋大学は文化史が突出していて、32本中11本が歴史・文化系。塩の世界史、日本のプリン受容史など「もの・習慣の歴史」が絶え間なく出ます。
  • 専修大学42本中12本が心理学の有名研究の紹介記事。成城大学は「暮らしと消費の社会史」が31本中7本です。
  • 成蹊大学19本中5本が文学・物語系。説明文とは別の読み方の練習が要ります。

テーマが分かれば、読む前に背景を日本語で入れておけます私大グループ別の英文テーマにまとめました。

数学 同じ大問番号に同じ単元が座る「定位置」

数学は早稲田・明治・青山学院・立教・中央・法政・慶應義塾・学習院・東洋・東京電機などの問題冊子を年度別・大問別に数えました。見えてくるのは頻度だけではなく「位置」です。

  • 中央大学 商学部…会計・経営とも大問Ⅳが場合の数・確率で3年とも固定、頻度は4冊中4冊。5学部共通選抜方式も大問Ⅰが図形と計量、大問Ⅳが微分積分(Ⅱ)で3年とも固定です。
  • 青山学院大学 文系(全学部日程)大問Ⅳが3年連続で微分積分(Ⅱ)、テーマまで3年連続「放物線の接線・法線と面積」で一致。ここまで的が絞れる例は他にありません。
  • 早稲田大学 理系6冊すべてで最終大問が数Ⅲの極限・微分積分(6/6、例外なし)。数Ⅲの比重は年度で20%〜60%と揺れますが、位置は動きません。
  • 同じ大学でも学部で正反対になる例…早稲田大学は商学部が微分積分(Ⅱ)3/3なのに、社会科学部は3年間ゼロ(0/3)で代わりに整数が3/3。中央大学のベクトルは文系で5回出ているのに理系は3年間ゼロ(0/5)です。
  • 出題ゼロも記録…複素数平面は慶應義塾大学理工学部が3/3で毎年出る一方、法政大学理系は0/9、学習院大学は分析した12冊すべてでゼロ。東洋大学の文系(数Ⅰ・Ⅱ・A)は数列・ベクトルが出題範囲外です。

「ゼロ」は最も使える情報です。やらなくていい単元が決まれば、やる単元に時間が回ります数学の頻出単元に単元別の一覧があります。

古文 作品名を覚えるより、ジャンルの型を先に

古文は8大学(早稲田・青山学院・中央・明治・立教・学習院・法政・東洋)の89題(2023〜2026年度)を数えました。うち古文出題86題の85題を6ジャンルに分けると、物語文学30・説話集21・日記紀行16・歌論歌学書8・近世文学6・随筆4物語と説話だけで半分を超えます

物語の中でも、鎌倉時代以降に『源氏物語』を意識して書かれた擬古物語がよく出ます。『我が身にたどる姫君』は青山学院大学2026年度と学習院大学2026年度で続けて出題されました。初見の作品でも、ジャンルの型を知っていれば入口が見つかります古文の頻出ジャンルで6つの型を説明しました。

現代文 知らないと読めない抽象概念を先に入れる

現代文は9大学の評論205題(2018〜2026年度、うち2024〜2026年度で178題=86%)の主題を分類しました。ここは「頻出だから選ぶ」のをやめて、前提知識がないと文意を取り違える20の概念を抜き出しています。身体論の「さわる/ふれる」の区別、贈与と交換の違い、障害の社会モデルなど、年に数題でも出た瞬間に点差になります。現代文の抽象概念はその一覧です。

日本史 初見の史料を読ませる大学と、そうでない大学

社会は、史料や図版が「教科書掲載か、初見か」まで数えます。

  • 早稲田大学 商学部…大問1〜4の4題=全体の67%が史料問題で、近世・近代の史料は3年連続で初見。教科書史料を識別する力とは別の練習が要ります。
  • 法政大学11冊中10冊で史料・和歌・小説・系図・統計表のいずれかが素材化。語句記述は0問、記述は論述1問だけです。
  • 学習院大学…全10冊で、地図・図版・写真・グラフ・統計表を使った設問が0件、史料引用も2件のみです。

同じ「日本史の対策」でも中身は違います。日本史の頻出単元もどうぞ。

「過去問集を解けば分かるのでは?」について

答えは「そのとおりです、ただし1年分・1学部分では見えないものがあります」。読本が拾うのは主にその部分です。

1 同じ大学でも日程で別の試験になる

法政大学の英語は、A方式が長文3〜4本、T日程は長文2本+戯曲ベースの会話文で「2文の正誤組合せ判定」という独自形式。数学も文系はA方式が3大問の記述、T日程は6大問の全問マークという二重構造が3年変わっていません。A方式だけ解いてT日程を受けると、形式ごと初見になります。詳しくは法政大学の日程別の違いへ。

2 学部をまたいで同じ問題が出ることがある

東洋大学は同一日程なら学部・学科が違っても数学が完全共通で、2022年度の文系8本は照合すると実質4パターンに集約されました。早稲田大学人間科学部は2024年度の文系方式と理系方式で問1から問3までが完全に同一。早稲田の文学部と文化構想学部は大問構成も設問番号も同じ形の別問題なので、互いの過去問が「もう一年分」として使えます。3年分しか手元になくても実質6年分です。

3 3年分を並べて初めて「定位置」が見える

中央大学商学部の大問Ⅳ、青山学院大学文系の大問Ⅳ、早稲田大学理系の最終大問。1年分では「たまたまここに出た」に見えます。横に並べて、同じ番号に同じ単元が3回座っているのを確認して初めて「定位置」と言えます。逆に、頻度は高いのに年度ごとにテーマが変わる大学もあり、頻度の高さと的の絞りやすさは別だと分かります。

4 「出ていない」ことは解いても分からない

学習院大学は整数の性質・データの分析・統計的推測・複素数平面・式と曲線が分析した12冊すべてでゼロ。法政大学理系は証明問題が63大問中0。何年分解いても「出なかったな」で終わりますが、数えると「対策しなくてよい」という判断に変わります

読本を使って、生徒と何をするか

読本は読ませて終わりではなく、予定表に変換するために使います。志望校が決まっている生徒との進め方は、おおむねこの順です。

  1. 受ける方式・日程を先に確定する。同じ大学でも試験が別物なので、ここが決まらないと何も決まりません。
  2. その方式で頻度の高い単元・ジャンルを3つ抜く。ここが最優先の枠です。
  3. 「定位置」があるなら、その大問だけを集めて連続で解く。青山学院大学文系なら大問Ⅳの放物線を3年分続けて、という進め方です。
  4. 出題ゼロ・範囲外の単元を外す。空いた時間を1と2に回します。
  5. 形式に合わせて訓練を変える。全問マークなら計算の速さ、記述なら証明・論述の書き方です。
  6. 期限を入れる。基礎の穴埋めは夏まで、頻出単元の演習は秋、定位置の大問と形式慣れは直前期。そこから週の予定に落とします。

この6ステップを、1対1で生徒ごとに組みます。「この単元をやる理由」を分母つきの数字で言えることが、読本を持っている意味だと思っています。

英語の予想問題も、大学別に自作しています

英語の予想問題も大学別に自作しています。東洋・青山学院・中央・東京電機・法政T日程・早稲田文化構想・慶應経済・早稲田商などです。

目的は「山を当てること」ではなく、過去問が足りないからです。直近3年分を解き終わると、その大学の形式で練習する材料が尽きます。そこで読本に記録した形式(大問構成・設問数・語数・テーマの傾向)に合わせてもう1セット作ります。慶應経済なら本文を引用して反対意見に言及する英作文、法政T日程なら2文の正誤組合せ判定。初見の英文で、本番と同じ形式をもう一度通すための道具です。

読本の中身は、このブログにも出しています

読本を持っていない人にも使えるよう、中身は記事として公開しています。入口は3つで、志望校から対策記事を探す(大学名・グループ・学部系統・科目・いま不安なこと・学年の6つの入口)、大学別 一般選抜の傾向と対策まとめ川越の高校生・保護者向けまとめです。

志望校がまだ決まっていない人の使い方

志望校が決まっていないうちは、大学別ではなく分野別のほうを先に使います。読み方は逆向きです。

  • 「どの大学を受けても要る単元」から固める。数学の場合の数・確率は分析したどの大学のデータでも高頻度で、出題ゼロの例がありません。志望校が決まる前に始めても無駄になりません。
  • 試験を選ぶ材料にする。時間無制限なら解けるのに時間内に落とす人と、時間は余るのに設問を落とす人では向く試験が逆です。1分あたりの語数の一覧がこの判断に使えます。
  • 書けるか書けないかで候補が半分になる。全問マークの大学と、和訳・論述・証明が重い大学では必要な練習が別です。

志望校が固まったら、その大学の読本に切り替えます。

読本にできないこと

正直な断りをひとつ。読本は「過去に出た問題」の記録です。制度そのものは扱いきれません

出題範囲・配点・日程・出願方式は、大学が毎年変えます。明治大学政治経済学部は2027年度から統計的推測が範囲に追加され、これは過去問に前例のない完全な新規分野です。明治大学総合数理学部も2027年度から必須化の予定です。立教大学は2021年度以降、一般入試の英語を資格試験・共通テストで代替し、独自問題は文学部日程だけになりました。過去3年分を数えても、来年の要項は分かりません

出題範囲・配点・試験時間・出願資格は、必ず自分で大学の最新の入学者選抜要項を確認してください。読本は「要項を読んだうえで、どこから手をつけるか」を決めるための道具です。

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

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二神大輝