活動実績がなくても総合型選抜は受けられる?2027年度の方式例

部活の大会成績や生徒会、資格などの「活動実績」がなくても、総合型選抜は受けられます。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項でも、総合型選抜は「能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」とされ、活動実績は条件として書かれていません。

実際に2027年度入試でも、東京女子大学 知のかけはし入試(数学的思考力型)は出願が2026年11月2日〜11月6日、大東文化大学 総合型選抜 基礎学力テスト型は11月24日〜12月7日と、これから出願できる方式で活動実績を出願資格にしていません。

この記事では、公式の要項で確認した方式の例と、実績がない人が高1〜高3の今から何を準備すればよいかを具体的に整理します。

1. 総合型選抜の定義に「活動実績」は入っていない

文部科学省が2026年5月27日付で通知した令和9年度(2027年度)大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜について次のように定めています。

  • 詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接などを組み合わせて、能力・適性や学習に対する意欲、目的意識などを総合的に評価・判定する。
  • 志望する学問分野への意欲や適性についての面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などを含む)による評価を必ず行う。
  • 調査書などの出願書類だけでなく、教科・科目に係るテスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技検査など、資格・検定試験などの成績の評価方法のうち少なくとも1つを必ず使う。
  • 入学願書の受付は2026年9月1日以降、合否の発表は11月1日以降。

つまり国のルールの上では、総合型選抜は「何を成し遂げたか」より「その分野を学ぶ意欲と適性があるか」を見る入試です。活動実績を出願資格にするかどうかは、大学・方式ごとに決めています。

2. 活動実績を出願資格にしていない方式の例(2027年度)

各大学の2027年度の公式要項・入試ページで、出願資格に活動実績・資格取得の条件が書かれていないことを確認した例です(日付は2026年)。

大学・方式 出願資格の要点と日程
東京女子大学 知のかけはし入試(数学的思考力型) 現代教養学部 情報数理科学科5名。評定・活動実績・英語検定の条件なし(女子・年齢要件と、基礎学力試験の範囲の数学の履修が条件)。他大学と併願可。出願11月2日〜11月6日、試験11月21日、発表11月27日
大東文化大学 総合型選抜 基礎学力テスト型 評定平均値の基準なし。現役・既卒とも対象、他大学と併願可。出願11月24日〜12月7日、試験12月13日、発表12月24日、入学手続締切2027年2月25日
東洋大学 総合型選抜 基礎学力テスト型 大学入学資格があれば出願可(東洋大学の専願のみを対象とした入試に出願した人は不可)。併願可。出願10月29日〜11月4日(締切済み)、試験11月29日、発表12月14日
國學院大學 公募制自己推薦(AO型)法学部・経済学部 評定を出願要件にしない。他大学と併願可。出願9月28日〜10月2日(締切済み)、最終発表11月25日

このほか、学校推薦型選抜(公募制)ですが、立正大学の公募制推薦選抜[基礎学力テスト型]も入試ページで評定平均値の基準なし・他大学との併願可と案内されています。基礎学力テスト型の勉強の進め方は基礎学力テスト型入試の勉強法にまとめています。

選考の中身は方式ごとにまったく違う

  • 東京女子大学(数学的思考力型):基礎学力試験(数学・記述式80分・200点)と個人面接(30分程度・出願書類を含めて100点)の計300点。志望理由書と調査書も判定に使う。
  • 大東文化大学(基礎学力テスト型):2科目型(「国語または数学」と英語)または3科目型。出願時に調査書・志望理由アンケートと、システム上で作成する400〜600字の小論文を提出。大学のページでは面接なしと案内されている。
  • 東洋大学(基礎学力テスト型):国語・数学・英語の試験に加え、出願登録時に自分で作成した事前課題小論文を入力する。
  • 國學院大學(AO型・法学部):小論文(法律専攻は120分・1,000字程度)とエントリーシート、面接(20分程度)。

どの方式も、活動実績の代わりに「学力」「書く力」「その分野への関心を説明する力」を見ています。実績がない人は、この3つのうち自分が一番準備しやすいものから方式を選ぶのが現実的です。

3. 逆に、活動実績が出願の条件になっている方式もある

同じ「総合型選抜」でも、活動の条件を出願資格にしている方式があります。例えば立正大学の2027年度総合型選抜[活動評価型]の法学部の出願書類には「個人の活動条件」があり、文化・芸術・スポーツなどでの継続的な活動の成果、資格の取得(漢字検定2級以上、実用英語技能検定準2級以上など)、指導的な役割、社会的活動の実績が挙げられています(法・政治・社会問題についての探究を続けてきた人という条件もあります)。条件の中身は学部ごとに違います。

同じ大学の[探究実践型]は学部によって条件が違い、社会福祉学部は「求める学生像」に当てはまるかどうかが中心です。このように同じ大学の中でも、方式によって実績の要不要が分かれるので、大学名だけで判断せず方式ごとに要項の出願資格を読むことが大切です。

4. 実績がない人が方式を選ぶときの3つのタイプ

タイプ 向いている人・準備
学力テスト型(基礎学力テスト型、数学的思考力型など) 一般選抜の勉強をしている人。教科の勉強がそのまま使える。志望理由書や事前課題の小論文は短くても手を抜かない
小論文・課題型(当日の小論文、指定文献、課題レポート) 本や新聞を読むのが苦にならない人。週1本書いて添削を受ける練習が必要
書類+面接型(志望理由書・自己推薦書と面接が中心) 実績は少なくても、学びたいことを具体的に語れる人。志望理由の中身づくりに時間がかかる

3つ目のタイプでも、出願資格に実績の条件がなければ出願はできます。ただし書類で「なぜこの学部か」を具体的に書けないと評価されにくいので、次の章の準備が必要です。

5. 「実績」の代わりに書けるもの:志望理由の作り方

実績がない人がつまずくのは、自己推薦書や志望理由書に「書くことがない」と感じるところです。大会成績がなくても、次のような自分で考えた跡は書く材料になります。

  • 授業で引っかかった疑問と、そのあと自分で調べたこと
  • 読んだ本・記事で考えが変わった経験
  • アルバイト・家の手伝い・地域の行事など、日常で見た社会の仕組み
  • 探究の時間に取り組んだテーマ(結果が出ていなくてもよい)

志望理由を作る4つの手順

  1. 疑問を1つ書き出す:「なぜ〇〇なのだろう」の形で。例:「地元の駅前の商店街に空き店舗が増えたのはなぜか」。
  2. 2週間で小さく調べる:新書1冊、統計1つ(自治体の人口や商業のデータなど)、詳しい人への聞き取り1回。調べた日付と分かったことをメモしておく。
  3. 分からないことを言葉にする:調べて分かったことと、高校の知識では答えが出ないことを分ける。この「答えが出ないこと」が大学で学ぶ理由になる。
  4. 学部の授業と結びつける:大学のシラバスやカリキュラムのページで、その疑問を扱えそうな科目・ゼミを2つ探して名前を書く。

600字の志望理由の構成例

  1. きっかけ(約100字):疑問を持った具体的な場面。
  2. 自分で調べたこと(約200字):何を読み、何を確かめ、何が分かったか。
  3. まだ分からないこと(約100字):高校の範囲では答えが出ない問い。
  4. 大学で学びたいこと(約150字):どの授業・分野で、その問いにどう取り組むか。
  5. 将来(約50字):学んだことをどう使いたいか。

「部長として」「全国大会で」のような言葉がなくても、2の部分が具体的なら読み手に伝わります。書き出しと締めの直し方は志望理由書の書き出しと締めの書き方を参考にしてください。

6. 学年別、今からできる準備

高3(2026年11月の今)

  • 東京女子大学(数学的思考力型)を考えるなら出願は11月6日(金)締切日消印有効。基礎学力試験の出題範囲の数学をすべて履修済み・履修中であることが条件なので、要項で範囲を確認する。
  • 大東文化大学(基礎学力テスト型)なら出願は11月24日から。400〜600字の小論文を出願時に作るので、今週中に1本下書きをして先生に読んでもらう。
  • 総合型・推薦がうまくいかなかったときの一般選抜の計画も同時に立てておく。

高2(冬〜春)

  • 5章の手順で疑問を1つ決め、2週間の小さな調べものを1回やってみる。記録は日付つきで残す。
  • 志望する学部の総合型選抜の要項を2〜3校分読み、活動実績が必要な方式と不要な方式に分けておく。
  • 学力テスト型を視野に入れるなら、英語・国語・数学の基礎を一般選抜と同じ計画で進める。

高1

  • 授業で「もっと知りたい」と思ったことを月に1つメモする習慣をつける。1年で12個たまれば、志望理由の材料は足りる。
  • 評定は、条件がない方式でも調査書として提出するので、定期テストと提出物を大事にする。

探究のテーマを本格的に決めたい人は探究テーマの決め方と出願書類に生かす方法で詳しく扱っています。

7. よくある質問

Q. 部活をやっていないと不利ですか?

出願資格に部活の条件がない方式では、部活をしていないこと自体で出願できなくなることはありません。調査書で見られるところは欠席日数・部活なしは不利?で文部科学省の様式をもとに説明しています。

Q. 英検を持っていないと受けられませんか?

今回の表の4方式は、英語検定のスコアを出願資格にしていません。東洋大学・大東文化大学の基礎学力テスト型は、英語の外部試験のスコアを持っている人が英語の得点に換算して利用することもできます(東洋大学は任意と明記)。

Q. 実績がないなら、総合型選抜より一般選抜に集中したほうがいいですか?

学力テスト型の総合型選抜は、一般選抜の勉強がそのまま使えるので両立しやすい方式です。書類+面接型を受ける場合は、書類づくりに使う時間を先に見積もってから決めましょう。

Q. 評定も低い場合はどうすればいいですか?

評定の条件がない方式の探し方は評定が出願基準に足りないときの選択肢にまとめています。

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参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

EMiL個別について

EMiL個別は、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門にした1対1の個別指導塾です。EIMEI予備校の鶴瀬・ふじみ野・川越の校舎とオンラインで受講できます。志望理由書に書くことを見つけるところから、小論文・面接の練習、評定や英検の対策まで、一人ひとりの志望校に合わせて一緒に準備します。

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二神大輝