自己推薦書と志望理由書の違いは?2027年度の書き分け方と字数別構成例

志望理由書は「この学部で何を学び、将来どうしたいか」、自己推薦書は「自分がその学部に合う人だと、これまでの事実で示す」書類です。

2027年度の公式要項を見ると、明治大学文学部の自己推薦書は2,000字以内、明治大学国際日本学部の志望理由書は800字以上1,200字以内、上智大学公募制推薦の自己推薦書はA4判1枚以内と、名前も分量も大学ごとに違います。

この記事では、2つの書類の違い、両方を出すときの書き分け方、400字から2,000字までの字数別の構成例をまとめます。

1. 2つの書類の違いを表で確認する

どちらも「自分のことを書く書類」なので、同じ内容になりがちです。まず、それぞれが答える問いを分けて考えます。

項目 内容
志望理由書が答える問い なぜこの大学・学部・学科なのか。入学後に何を学び、将来どうしたいのか
自己推薦書が答える問い 自分はその学部で学ぶ力と意欲があるのか。その根拠となる事実は何か
志望理由書の時間軸 きっかけ(過去)から、入学後と将来(未来)へ向かう
自己推薦書の時間軸 高校時代の学習・活動(過去)を中心に、入学後につなげる
志望理由書の材料 大学の授業・ゼミ・カリキュラム、関心のある問い、将来像
自己推薦書の材料 探究・課題研究、読んだ本、活動の実績、評定以外の力

ただし、これは一般的な役割分担です。実際に何を書くかは、各大学の設問の指示が最優先です。次の章で見るように、「自己推薦書」という名前でも志望動機を書かせる大学があります。

2. 公式要項で見る書類名と字数の例(2027年度)

以下はすべて、大学公式サイトに掲載された2027年度の募集要項・書類様式で確認した内容です。

明治大学 文学部 自己推薦特別入学試験

  • 書類名は自己推薦書。所定用紙に本人が自筆で書きます(消えない黒のボールペン)。
  • 字数はア・イ合わせて2,000字以内。
  • ア:この制度を生かして、志望する学科・専攻で具体的に何を学びたいか(将来の希望も含める)。
  • イ:自ら最も高く評価する特定分野、または高校時代の「研究」「学習」を、アと関連させて述べ、その際に読んだ著作について意見を述べる。

名前は自己推薦書ですが、アは志望理由書の内容、イは自己推薦の内容です。1枚の書類の中で、志望理由と自己推薦の両方を求めている例です。詳しくは明治大学文学部 自己推薦の記事も参考にしてください。

明治大学 国際日本学部 自己推薦特別入学試験

  • 書類名は志望理由書。様式には「国際日本学部で学びたいことと自分の将来像について、自筆で、800字以上1200字以内で記入すること」とあります。
  • このほかに、出願資格(2)アで出願する場合は、出願資格に挙げられた活動のうち自分が当てはまるものについて書くエントリーシートを提出します(必要な書類は出願資格の区分によって異なります)。

こちらは書類が分かれている例です。志望理由書には「学びたいこと」と「将来像」を、活動の中身はエントリーシートに、と役割がはっきりしています。

上智大学 推薦入学試験(公募制)

  • 書類名は自己推薦書。本学所定用紙でA4判1枚以内。手書き・PC入力のどちらでもよいとされています。
  • 「志望動機」「学力」「学業成績以外の卓越した能力」「課外活動・社会活動の実績」「特技」等を記述し、自己を推薦する内容にするよう指示されています。
  • 生成AIが出力した文章は、志願者本人が作成したものとは認められないと明記されています。

字数ではなく枚数で指定される例です。A4判1枚に、志望動機と自分の力の両方を入れる必要があります。

群馬大学 共同教育学部 総合型選抜 方式Ⅰ(数学専攻)

  • 志願理由書:入学後に学びたいこと、取り組みたいことを含め、志願専攻への進学を希望する理由を400字程度(パソコン入力、自筆も可)。
  • 自己推薦書:これまでの活動や体験に基づいて、数学専攻で学修する適性と意欲をアピールする。特に、興味深く思った数学的内容と、それについて自分で考察したことを書く(枠内、字数制限なし、黒のボールペンで自筆)。

同じ方式で2つの書類を出す例です。志願理由書は「これから」、自己推薦書は「これまでの学びの中身」と、問いが明確に分かれています。書類名も「志望」ではなく「志願」理由書です。

3. 両方を出すときの書き分け方

2つを出す場合、同じエピソードを同じ角度で書くと、読む側には1枚分の情報しか届きません。次の順で分けます。

  1. まず、使いたい材料(きっかけ、探究、読んだ本、活動、将来像)を全部書き出します。
  2. 「未来の話」は志望理由書へ、「すでにやったことの中身と成果」は自己推薦書へ振り分けます。
  3. 同じ探究を両方で使うなら、志望理由書では「その探究から生まれた問い」、自己推薦書では「探究で何を調べ、何が分かったか」と、使う面を変えます。
  4. 最後に2枚を並べて読み、同じ文が2回出てこないかを確かめます。

材料が足りないと感じるときは、志望理由書に書くことがないときの記事から始めると整理しやすくなります。

4. 設問がある書類は、設問の言葉で段落を作る

明治大学文学部のア・イのように、設問が指定されている場合は、設問の順に、設問の言葉を受けて書くのが基本です。

  • アの冒頭は「この制度を生かして、私は〇〇専攻で△△を学びたいと考えています」のように、問いに直接答えます。
  • イでは「アで述べた関心は、高校時代の□□の学習から生まれました」と、アとのつながりを最初に示します。
  • 設問に「読んだ著作について意見を述べる」とあれば、あらすじではなく、自分の意見を書く部分を必ず入れます。

上智大学のように項目が並んでいる場合も、すべてを同じ分量で書く必要はありません。自分の強みが一番出る項目を厚く、ほかは短くします。

5. 字数別の構成例

字数の配分は目安です。指定字数の9割以上を目標にします。

志望理由書 400字

  • 結論(志望する学部と学びたいこと):80字
  • きっかけと、そこから生まれた問い:120字
  • 入学後に学びたいこと(授業・ゼミ名を1つ):120字
  • 将来像:80字

志望理由書 800〜1,200字

  • 結論:100〜150字
  • きっかけと問い:200〜300字
  • 高校で調べたこと・考えたこと:150〜250字
  • 入学後の学び(授業・ゼミ・カリキュラムを2つ程度):250〜350字
  • 将来像と、なぜこの大学なのか:100〜150字

自己推薦書 A4判1枚(字数ではなく枚数で指定される場合)

  • 自分を推薦する一文(どんな力がある人か):全体の1割
  • 根拠1:学習・探究の中身と成果:全体の4割
  • 根拠2:課外活動や評定以外の力:全体の3割
  • その力を入学後にどう生かすか:全体の2割

A4判1枚に入る字数は、用紙の枠や文字の大きさで変わります。先に所定用紙に試し書きをして、自分の文字で何字入るかを数えてから配分を決めてください。

自己推薦書 2,000字(設問ア・イ型)

  • ア:学びたいことの結論:150字
  • ア:関心の中身と将来の希望:650字
  • イ:評価する分野・研究や学習の内容:600字
  • イ:読んだ著作と自分の意見:450字
  • イ:アとのつながりのまとめ:150字

書き出しと締めの文に迷ったら、志望理由書の書き出しと締めの記事も使えます。

6. 自己推薦書の「根拠」の選び方

自己推薦書で読まれるのは、「すごい実績」よりもその学部で学ぶ力につながる事実です。

  • 志望する学問とつながる学習や探究を、最初に検討します。
  • 賞や資格がなくても、「何を調べ、どう考え、何が分かったか」を具体的に書ければ根拠になります。
  • 部活動や委員会は、役職名より、自分が何を判断し、何を変えたかを書きます。
  • 「頑張りました」「成長しました」で終わらせず、次に何を学びたくなったかまで書きます。

7. 提出前チェックリスト

  • 書類名と設問の指示を、2027年度の募集要項・所定用紙で確認した
  • 字数・枚数の指定(以内、程度、以上〜以内)を守っている
  • 自筆指定か、PC入力可かを確認した
  • 設問がある場合、設問の順に、すべての問いに答えている
  • 志望理由書と自己推薦書で、同じ文を繰り返していない
  • 大学の授業・ゼミ・カリキュラムを、公式サイトで確認した名称で書いている
  • 自分の言葉で書いている(生成AIの出力をそのまま使わない)
  • 先生や家族など、第三者に一度読んでもらった

8. 2028年度入試を目指す高1・高2の準備

ここで例に挙げた2027年度の各方式の出願時期は、各大学の募集要項で確認してください。2028年度入試の要項はまだ発表されていないため、今は書類そのものより、書く材料を増やす時期です。

  • 高1・高2の冬:関心のあるテーマを1つ決め、関連する本を読み、メモを残す
  • 高2の春:探究や課題研究で、そのテーマを少し深く調べる
  • 高2の夏:オープンキャンパスや大学のサイトで、授業・ゼミを調べる
  • 高2の冬:志望理由書と自己推薦書の下書きを、字数を決めて1回ずつ書いてみる
  • 高3の春:新しい年度の要項が出たら、書類名と設問を確認して書き直す

大学の調べ方は志望理由書のための大学研究にまとめています。

9. よくある質問

Q. 志望理由書と自己推薦書で同じエピソードを使ってもいいですか?

A. 使ってかまいません。ただし、志望理由書では「そこから生まれた問いと入学後の学び」、自己推薦書では「何をして、何が分かったか」と、書く面を変えてください。

Q. 自己推薦書に志望動機を書いてもいいですか?

A. 設問次第です。上智大学の公募制推薦のように、自己推薦書に「志望動機」を含めるよう指示している例もあります。設問に指示がなければ、最後に1〜2文、入学後にどう生かすかを書く程度にします。

Q. 「程度」と「以内」はどう違いますか?

A. 「以内」は上限を超えないこと、「程度」はおおよその分量です。どちらの場合も、大幅に少ないと内容が不足して見えます。迷う場合は、大学の入試担当窓口に確認してください。

Q. 字数の指定がない場合はどうしますか?

A. 群馬大学共同教育学部の自己推薦書のように「枠内に記述」とされている場合は、枠を埋める分量を目安にします。小さい字で詰め込みすぎず、読みやすさを優先してください。

Q. 学修計画書とは何が違いますか?

A. 学修計画書は、入学後の学びの計画を中心に書く書類です。書き方は学修計画書の書き方の記事で説明しています。

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参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

EMiL個別について

EMiL個別は、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門にした1対1の個別指導塾です。EIMEI予備校の鶴瀬・ふじみ野・川越の校舎とオンラインで受講できます。志望理由書に書くことを見つけるところから、小論文・面接の練習、評定や英検の対策まで、一人ひとりの志望校に合わせて一緒に準備します。

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この記事を書いた人

二神大輝