こんにちは、EIMEI予備校の二神です。
この記事は、英語資格を「受ける」と決めたあとで、何をどの順番で進めればいいか分からない高校生と、その保護者の方に向けて書いています。いつ受けるかは英検はいつまでにの記事、入試英語との違いは英検の勉強と入試英語の違いに書きました。ここで扱うのは準備の手順だけです。
結論から書きます。準備の中身は「大学が級を見るのか、スコアを見るのか、技能ごとに見るのか」で変わります。確かめずに4技能を平らに勉強すると、いちばん時間のかかる技能に、いちばん要らない努力を注ぎます。以下の数字は、自作している大学別の入試対策読本・共通テスト英語の攻略読本・頻出英単語帳で確認した内容です。
1. 最初にやること ― 志望校が何を見るかを確かめる
同じ英検2級でも、大学の見方は3通りに分かれます。
スコアだけを見る(級は見ない)。立教大学の一般入試で「英語」として使えるのは、英語資格・検定試験のスコアか共通テストの英語です。英検・GTEC・IELTS・TEAP・TOEFL iBT などが対象で、いずれも4技能のスコアが必要。英検は「級の合格・不合格は問わず、4技能スコアがあれば出願できます」と大学が説明しています。統計的処理で得点化され下限もないので高いほど有利。Q&Aには「『英検2級2,250点』と『英検準1級2,200点』ならスコアが高い2,250点を提出してください」という例があります。
出願資格としてだけ見る。中央大学の英語外部試験利用方式は、商・文・理工系3学部が出願資格としてのみ(個別試験なし、配点0点)、経済150点・国際情報150点・国際経営200点が得点に換算、総合政策だけは英語の個別試験を受けたうえで50点の加点。法学部にこの方式はありません。出願資格型は基準に1回届けば終わりで、商学部では「英検2級を取ったばかりの受験生と、準1級を持っている受験生が、同じ土俵に立ちます」。
技能ごとに見る。ここが見落とされます。
- 中央 理工系3学部…4技能すべてで基準を満たす必要があり、学科によって基準が違います。2技能だけでは出願できません
- 立教 法 国際ビジネス法学科グローバルコース…出願条件が英検4技能2,450点以上かつスピーキング557点以上(+5点は2,600点以上かつ同557点以上)
- 青山学院…国際政治経済学部B方式は論述・総合問題100点+英語資格15点。文 英米文D方式は資格が出願資格で、独自試験の「論述」は英語で書きます
条件も確認します。立教では異なる実施回のスコアを技能ごとに組み合わせられません(同一実施回のものを提出)。有効期間もあり、2027年度入試は2025年1月以降に受験したものが有効です。使える試験の種類も年度で動きます。スコア基準・出願要件・実施日程は、自分が受ける年度の募集要項と、試験を実施する団体の案内で必ず確認してください。
2. 4技能の準備 ― 何をどの順番で、どれくらい
順番は語彙→リーディング→リスニング→ライティング→スピーキングです。前のほうが入試英語と重なり、後のほうが資格試験専用の時間になります。
語彙 ― 全技能と入試の共通土台
入試英文のコーパス(415題・約86万語)で頻度を集計すると、語はテーマの仲間と束になって出ていました。気候変動の長文なら carbon・emission・renewable が並びます。
手順は3つ。①全テーマ共通のアカデミック語50語(researcher、evidence、significant など)を先に固める。②志望校の頻出テーマ2〜3帯に絞る。③1テーマ約30語+成句を1週間で回す。12テーマ・約440項目なので、3か月で1周です。重ならないのは、検定の会話・実用場面の語だけ。買い物・学校・旅行・家庭の場面語彙は入試の長文にはほぼ出ませんが、リスニングでは素材の大半を占めます。
リーディング ― 「語数と分」で基準を持つ
最も重なる技能なので、資格専用の読解練習はほとんど要りません。やるのは、1分あたり何語読めるかを数字で持つことです。読本の実測値では、立教の2月11日が総語数約3,000語(約1,200〜1,350語の論説2本+約360語)、中央は学部で600〜1,400語で5学部共通選抜は2,300語超を80分、青山学院の文 英米文は大問Ⅰが約1,250〜1,450語です。
手順は2つ。①週2本、時間を計って読み、語数÷分を記録する。②届いていなければ「読む回数を減らす」工夫に切り替える。設問を先に見てから本文に入る、正解は本文の言い換えを探す、fact/opinion は評価語・助動詞で決める。この3原則は資格試験でもそのまま使えます。
リスニング ― 「聞き取れない」より「先読みしていない」
共通テスト6年分のスクリプト分析で見えた癖が、練習の観点になります。値段・日時・数量は終盤に But / Actually で訂正されるので最初の数字を確定させない。数の言い換え(a quarter=25%、exactly half)はメモして図表に当てる。条件マッチングは「条件違反1つで消す」消去法です。
1本の使い方も手順にします。①設問を先読みして解く。②答えを見ずにもう1回聞く。③スクリプトで聞けなかった箇所に印。④印の箇所だけ音読する。④まで含めて1本です(英語の音読の使い方)。立教で共通テストの英語を使うならリーディングとリスニングの配点比は1対1で、後回しにすると英語の半分を後回しにします(共通テスト英語の攻略)。
ライティング ― ここに時間を厚く割く
放置したまま本番を迎える人がいちばん多く、手順を決めれば短期間で形になる技能です。4段階で組みます。
第1段階:語数ごとの型を決める。入試側の語数は、青山学院 経済が30語程度、同 文 英米文A方式が50語、中央 商が80語以上。中央の商について読本はこう書きました。「序論で立場を示し、理由を2つ挙げ、結論で繰り返す。80語ならこれで足ります」。30語なら主張と理由1つ、50語なら主張・理由・具体例。覚えるのは例文ではなく並び順だけです。
第2段階:中身のストックを作る。中央 商で出たテーマは「金融教育を必修にすべきか」「起業か就職か公務員か」。共通テストの意見文型も宇宙探査の是非(2025年度)、スポーツ用具の技術革新の是非(2026年度)と賛否型で一貫しています。1テーマにつき「賛/反/△+論点1語」のメモを作り、1日1テーマで20テーマそろえます。
第3段階:書く量を決める。読本が中央 法学部の記述60点について書いた基準は「週に1本でいいので和訳と英訳を書いて、誰かに見てもらう習慣を作ってください」。英作文も同じで、週2本を4週間で8本。同じ型の反復を優先します。
第4段階:直し方の手順を決める。共通テストには生徒の下書きに教師の添削コメントが付く「添削・推敲型」の大問があり、攻略読本ではその最良の練習は自分の英作文の推敲だと書きました。
- 書いたら1日置く。直後は書いたときの意図が残っていて、誤りが見えません
- 接続語を「役割」で点検する。however=逆接、therefore=帰結、in addition=追加、for example=例示。訳で覚えていると、逆接の場所に追加の語を置いたまま気づけません
- 結論が主張を言い直せているかを見る。新しい話が始まっていたら削る
- 語数を数える。字数・語数は守れないと採点されません
- 人に見てもらう。ここまでは一人でできますが、語法の誤りは自分では見つかりません
青山学院の自由英作文は2026年度に「本文で触れられていない具体例を挙げよ」という条件が付きました。技術だけでなく、書く中身が見られます。
スピーキング ― 一人でできる手順に置き換える
- ライティングで作ったメモを、声に出して1分で話す。中身を新しく用意しないのが要点です
- 録音する。必ず残します
- 録音を自分で書き起こす。ライティングの工程に合流し、上の手順で直します
- 直した英文を音読し、同じテーマをもう一度1分で話す
- 詰まったところにだけ言い換えの語を1つ足す
スピーキングに単独の基準がある立教のグローバルコースや、4技能すべてで基準が要る中央の理工系では、後回しにすると出願できません。
3. 受験回をどう決めるか
立教の読本にはこう書きました。「何度でも受け直せて、いちばん良いものを出せます。早く始めるほど回数を稼げます」。
- 1回目のスコアを4技能に分解する。合計だけを見ない
- 合計を見るのか技能ごとに見るのかを確認する。合計なら最も低い技能、技能ごとなら基準に届いていない技能が優先です
- 次の回までにやることを1つに絞る。2つやると、どちらが効いたか分かりません
- 時間の半分をその1技能に、残り半分を語彙と読む速さに割る。後半は入試の勉強と共通です
- 次の回で合計が動いたかを見る。動かなければ、選んだ技能か手順を変えます
間隔は「1つの技能を動かすのに必要な時間」で決めます。立教のように同一実施回のスコアしか出せない場合、「今回はライティングだけ頑張る」は成立しません。実施日程と申込の締切は、試験を実施する団体の案内で確認してください。
4. スコアが届かなかったときの代替
- 共通テストの英語で代替できる…立教の一般入試では資格スコアと共通テストの英語のどちらも使え、同時に提出できます。「もっとも高得点に換算されるスコアを自動的に採用します」と公式に書かれています
- 資格も共通テスト英語も使わない日程…立教の2月11日の文学部は独自の英語(75分・200点)で、資格スコアも共通テストの英語も使えません。4技能スコアがない人には、ここが唯一の道です
- 英語の個別試験を受ける方式に戻る…中央なら一般方式です。青山学院 国際政治経済学部B方式のように資格の配点が軽い方式(115点満点のうち15点)を選ぶ手もあります
倍率も見ます。中央の英語外部試験利用方式は、文学部の各専攻が募集1〜2名で4.6〜17.2倍、理工系3学部は2.1〜4.6倍でした(英検などの外部スコアを大学入試でどう使うか)。
5. 高1・高2で受ける場合と、高3で受ける場合
高1・高2は「回数を稼ぐ」進め方。立教の2027年度入試は2025年1月以降のスコアが有効なので、高2の1月に受けたものも使えます(立教の英語の準備)。利点は、受け直せる回数が多いことと、入試科目とまだ競合していないのでライティング・スピーキングに時間を割けること。この2技能は直前期に削られます。
高3は「終わらせる」進め方。国語と選択科目と競合するので回数を絞ります。立教の読本が挙げた利点の3つめが「英語が確定すれば国語と選択科目に集中できる」ことでした。判断の基準を挙げると、高3からなら出願資格型のほうが時間対効果が高い。中央の商・文・理工系のように基準に1回届けば終わる方式なら、そこで打ち止めにできます。
6. 入試の勉強と両立させる ― どこまでを共通にできるか
共通にできるものは、①語彙、②読む速さ、③背景知識、④意見の型。背景知識の偏りは読本で確認できます。中央 文学部の3年分は科学・環境・テクノロジーが最多で、次に社会・言語・心理。中央の読本にこう書きました。「知らない話題の1,000語を読むのと、知っている話題の1,000語を読むのとでは、かかる時間がまるで違います」。
共通にできないものは、資格の勉強では触らないのに志望校では配点になっている形式です。中央 法学部は150点満点のうち記述が60点(下線部和訳と和文英訳)。立教の2月11日は「30字以内で和訳せよ」という圧縮型に、誤り指摘8問と選択肢のない空所補充5問が加わります。青山学院は経済で和文付きの整序が毎年5題出ます。
配分の目安も置きます(面談で使っている配分)。1週間の英語の時間を10とするなら、語彙2・読む4が共通、資格専用の書く・話すに2、志望校専用の記述形式に2。合計を増やすのではなく、内訳を動かすのが両立のやり方です。
7. 直前2週間でやること
- 形式と時間を体に戻す(最初の3〜4日)。各技能を一度、時間を計って通し、所要時間を記録して自分の配分表を作ります
- 判断の基準を確認する(中盤)。接続語を役割で説明できるか、fact/opinion の判定基準を言えるか、図表完成型で「読む前に空所を見る」習慣がついているか
- 反復だけを残す(最後の1週間)。ライティングは決めた型で同じテーマを書き直し、スピーキングは1日1本の録音と書き起こしを続けます
そして事務の確認です。申込の締切、スコアが出るまでの日数、証明書の取り寄せにかかる日数。ここは学力と関係ありません。団体の案内と志望校の募集要項で必ず確認してください。
川越の高校生が、今日やること
今日できるのは、志望校の方式を1行ずつ書き出し、「級」「スコア」「技能ごと」のどれで見られるかを書き添えるところまでです。30分で終わり、4技能のどれに時間を寄せるかが決まります。
EIMEI予備校は2026年6月に川越校舎を開校しました。川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。1対1の個別指導なので、答案と録音から「何がスコアを止めているか」を特定し、次の回までにやることを1つに絞ります。
あわせて読みたい
EIMEI予備校について
EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。
- 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
- ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
- 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。
川越校舎の詳細・無料体験のお申し込みはこちら/ふじみ野・鶴瀬校舎のことは公式LINEからお問い合わせください。
