東京電機大学の数学・理科の対策|全問記述と形式違反で0点になる答案の直し方【川越の予備校が解説】

この記事は、東京電機大学を受ける(または併願に入れている)理系の高校生・既卒生のための、数学・物理・化学にしぼった対策メモです。数学が全問記述で、物理と化学にも記述の大問があり、答案用紙に何をどう書くかで点が動きます。全問マークの大学と同じ準備では、解けているのに点にならないことが起きます。

書いてあるのは、東京電機大学の入試対策読本(2022〜2024年度の一般選抜前期日程の問題冊子を確認して作ったもの)の範囲だけです。制度・配点・試験時間は毎年変わるので、自分が受ける年度の入学者選抜要項で必ず確認してください

まず、入試の「作り」を押さえる

  • 学部はシステムデザイン工・未来科学・工・理工の4学部。前期は3科目300点満点、1科目100点
  • 科目は数学・英語・理科(物理/化学)。学科によっては国語も選べ、理工学部の生命科学系は生物も可。数学の範囲は、システムデザイン工・未来科学・工が数学Ⅲまで必須、理工学部だけ数学Ⅲか数学Ⅱ・Bを選べます
  • 前期は2月1日から5日までの5日間から試験日を自由に選ぶ形で、1日に最大4学科・学系まで同時出願でき、複数日の受験も可(2027年度の公開情報、2026年9月時点)。
  • 試験時間は数学が90分と案内されている公開情報があり、読本は数学90分・理科60分前後を前提に時間配分を組んでいます。試験時間は必ず要項で確認してください

解答形式は、数学が全問記述、物理は問3が導出過程つきの記述、化学は大問4題のうち2題が記述、生物は3題中2題が記述。また数学1科目が100点満点(素点)なら合格とする「数学満点選抜方式」が併用され、2025年度は前期16名を含む計40名がこの方式で合格しています。日程ごとの違いは東京電機大の日程別の記事、全科目の見取り図は傾向と対策の記事にあります。

数学:問題1の40点を取り切れるかで決まる

分析対象は2022〜2024年度の16冊(5日程×3年、2024年度は理工学部の両トラック)。100点で全問記述、マークはありません。大問構成は全冊子で固定です。

  • 問題1 小問集合5問・答えのみ(40点)
  • 問題2 3〜4小問・途中式も記述(30点)
  • 問題3 3〜4小問・途中式も記述(30点)

頻出単元はこうです。極限・微分積分(数学Ⅲ)は問題3でほぼ毎回で、接線、面積、回転体、部分積分、積分の漸化式、増減表からグラフを描いて最大最小という誘導の形。場合の数・確率と整数は問題1の小問として毎回のように登場し、ベクトルは問題2で頻出複素数平面は過半数の冊子で出ます。三角関数・指数対数・数列は小問中心。式と曲線は単発(2024年度の1日程で楕円・双曲線の法線)なので後回しで構いません。

記述の分量は問題2と問題3の合計60点分すべて。答案で省いてはいけない3つは式を立てた根拠(公式名・条件)、場合分けの明示、積分の計算過程。これがあれば、最後の計算を落としても部分点が残ります。途中でつまずいたら空欄にせず、前問の結果を仮定して先に進んだ答案を書いてください。誘導型なので、そこは評価されます。

答案用紙の扱いで、理工学部の人だけに関わる決まりがあります。理工学部の冊子は1冊に数学Ⅲと数学Ⅱ・Bの両トラックが印刷され、問題1の(1)〜(3)と問題2は共通、(4)(5)と最後の大問だけが入れ替わります。そして選ばなかった側の解答用紙は試験開始50分後に回収されます。どちらで受けるかは出願前に決め切ってください。

時間配分の目安は問題1に25分、問題2に25分、問題3に30分、見直しに10分。目標は7割で、内訳は問題1で9割、問題2で7割、問題3で5割。問題1は頻出パターンの反復で最も安定して伸ばせるので、ここで35点以上を確保できると合格ラインが見えてきます。単元の優先順位は数学の頻出単元の記事もどうぞ。

物理:問2の電磁気と、問3の記述の力学

分析対象は2022〜2024年度の15冊。100点で、構成はこうです。

  • 問1 小問3題・選択式(36点)
  • 問2 選択式(24点、まれに32点)
  • 問3 「導き方も付して解答」の完全記述(32〜40点)

中心ははっきり2分野です。電磁気はほぼ15冊中15冊で問2に固定的に置かれ、コンデンサーの充放電と抵抗回路、荷電粒子の磁場内の運動、電磁誘導が中身。力学は15冊中13冊で、こちらは問3の記述。衝突・弾性衝突、動摩擦、放物運動、円弧面といった設定で、運動方程式とエネルギー保存の立式を求められます。この2分野で配点の7割近くを占めます。

残りは問1の小問です。熱と波動は交代で1小問(屈折・干渉・ドップラー・気柱共鳴、気体の状態変化)。原子は15冊中5冊で近年はほぼ毎年どこかの日程に出ますが(ボーア模型、コンプトン散乱)、問1の1小問なので典型問題を1問ずつで十分です。

記述の形は「導き方も付して解答」。運動方程式、運動量保存、力学的エネルギー保存、反発係数の式を、文字の定義と向きを添えて書き、式変形で答えに至る過程を残す。答えが合っていても過程がなければ点にならず、計算を落としても立式が正しければ部分点がつきます。問3は最初の小問(設定の立式)を必ず書き、後半は部分点狙いで構いません。

時間配分は問1に15分、問2に15分、問3に25分、見直しに5分。目標は7割で問1・問2で8割、問3で5〜6割。なお2022・2023年度の一部の日程は混合形式でしたが、2024年度は5日程すべて上の標準形式でした。分野の詰め方は物理の記事もあわせて。

化学:マーク2題+記述2題。理論と電気化学

分析対象は2022〜2024年度の15冊。100点で、構成は全冊子で固定です。

  • 大問Ⅰ・Ⅱ マークシート(5択×5問ずつ、各25点)
  • 大問Ⅲ・Ⅳ 記述(語句・数値・構造式・反応式・20〜30字の論述、各25点)

マーク2題の50点は理論分野が最頻出で得点源です。気体の状態方程式、溶解度、希薄溶液の性質(浸透圧・凝固点降下)、熱化学、電離平衡、化学平衡。結晶格子の密度計算も毎年のように出ます。それぞれ2分以内で処理し、ここで40点以上を取るのが、記述2題に時間を残す条件です。

記述2題の中心は電気化学(電池・電気分解)で15冊中7〜8冊。電気量・電流・質量変化の計算や燃料電池の模式図が出て、先に固めるべき分野として理論に次ぐ2番目に置かれています。あわせて無機(金属イオンの系統分離のフローチャート)と有機(芳香族の構造決定、量的計算)が頻出高分子は15冊中5冊程度(ビニロン、タンパク質、セルロース、油脂)で、後回しで構いません。

記述の形は共通していて、長い文章の空欄補充+反応式・構造式の記入+短い論述というセット。論述は20〜30字で、「理由を1文で書く」練習で対応できます。そして記述大問にも、有効数字の指定がついた数値計算が必ず1問以上入ります。実験装置や反応経路の図を読み解かせる問題も毎年複数出るので、教科書の実験図は図ごと覚えてください。

時間配分はⅠ・Ⅱに各11分、Ⅲ・Ⅳに各17分、見直しに4分。目標は7割でマークで8割、記述で6割。構造式に詰まったら空欄補充と反応式を先に埋めて次へ。単元別は化学の記事にもまとめています。

生物を選ぶ場合の注意

生物を選べるのは理工学部の生命科学系だけです。15冊すべて同じ構成で、大問1が「最も不適切な説明を1つ選ぶ」正誤マーク10問(40点)、大問2が語句記入の短答記述8問(24点)、大問3が論述・計算・グラフ作成を含む完全記述3問(36点)。

注意したいのは生物は日程ごとに完全な独自問題で、3年15冊に素材の重複がまったくない点です。ヤマは張れませんが、形式は15冊で完全に固定なので15冊すべてが教材になります。大問1と大問2の合計64点は知識で取れるところで、ここを落とさないのが合格ラインに乗る条件。大問3の論述は「使用語句」の指定があることが多いので、指定語句を全部使って2〜3文で因果をつなぐ型を練習してください。計算は15冊中13冊に出ています。

形式違反で0点になる例と、答案の書き方

読本は、記述式の答案で点になるものを3つ挙げています。立式とその根拠(数学なら条件式、物理なら運動方程式や保存則、化学なら反応式)、前問の結果を使って先に進んだ痕跡指定された形式を守ること。そして形式違反はそれだけで0点になります。次の4つです。

  1. 有効数字の桁。化学の記述大問には有効数字指定つきの数値計算が必ず1問以上入ります。計算が合っていても桁の指定を外せばその設問は落ちます。
  2. 使用語句の指定。生物の大問3の論述は「〜を説明しなさい」型が毎回2〜4問出て、使う語句が指定されることが多い。1つ忘れれば形式違反です。
  3. 字数。化学の論述は20〜30字。短すぎても長すぎても指定から外れます。
  4. 語形変化。これは英語の大問4ですが、語群から選んだ語を三単現・過去形・分詞・名詞化などの形に直す設問があり、形が違えば点になりません。

やることは単純です。解き始める前に、設問文の指定部分に線を引く。「有効数字2桁」「次の語をすべて用いて」「30字以内」。書き終えたらその箇所に戻り、1つずつ照合する。化学なら見直しの4分は、まず有効数字と構造式の確認に使ってください。

過去問を解いたら、点数のほかに空欄で出した小問の数/形式違反の数/最後まで到達したかを記録してください。点数より先にこの3つが減るのが正しい順序です。

当日の段取りで知っておきたいこと

ひとつは選択票。2023年度から理科と国語は同じ冊子・同じ選択票にまとめられ、その中から1科目を選びます。出願した学科・学系が指定する科目以外を選んで解答すると、合否判定の対象外になるので、当日、選択票の記入は必ず確認してください。もうひとつが解答用紙の回収で、理工学部で数学Ⅲと数学Ⅱ・Bのどちらかを選ぶ人は選ばなかった側が試験開始50分後に回収されます

合格最低点の読み方と、目標点の作り方

合格最低点は整数で公表されていて、読本では素点の目安として扱っています(2025年度入試・一般選抜前期・300点満点)。調整後ではないという前提で読めます。

2025年度の前期は148点〜204点、得点率にして49〜68%と、同じ大学の中で約20ポイント開きました。情報系(未来科学部の情報メディア204点、情報システム工と情報通信工が各195点)は3科目で7割近く必要な一方、理工学部は電子情報・生体医工学系148点、機械工学系150点、生命科学系152点と5割台です。

目標点は最低点より1割上に置くのが読本の立場です。目安は、理工学部の多くの学系なら6割〜6割5分、工学部・システムデザイン工学部なら7割〜7割5分、情報メディア学科なら8割。

3科目への配り方は得意科目に寄せて構いません。目標210点(7割)なら、数学80・英語65・理科65でも、数学65・英語75・理科70でも成り立ちます。ただし数学だけは、どの学科でも7割を下回らない計画にしてください。全問記述で部分点があり、問題1の40点が最も安定して伸ばせるからです。なお第一志望と同じ日に最低点が10〜20点低い学科を併願しておけば、同じ答案で複数の判定を同時に受けられます

過去問の集め方

分析で分かっているのは、同じ日なら学部が違っても問題冊子は同じ、日が違えば問題は完全に別ということです(2022〜2024年度の15日程分で使い回しなし)。ここから集め方はこうなります。

  1. 受ける日程を決め、その日程の直近3年分(3冊)を時間を計って解く。同じ日の別学部の冊子は中身が重複するので集めなくてよい
  2. 形式(大問構成・配点・記述の量)は5日程で共通なので、演習量を増やしたければ他の日程の冊子をそのまま使えます(5日程×3年=15セットが上限)。

解く順番は古い順で、最新年度を最後に残します。1回目は時間を計って通しで、必ず答案用紙に書いて。2回目は空欄にした小問と形式違反の箇所だけ。3回目は本番の時間割どおりの時刻に。

東京電機大を受けるなら、最低限やっておくこと3つ

  1. 数学の問題1(小問集合40点)を9割で安定させる。 確率・整数・指数対数・ベクトルの頻出パターンを反復し、5問中4問以上を確実に。
  2. 記述の大問を、答案用紙に書いて解く。 数学の問題2・3、物理の問3、化学のⅢ・Ⅳ。立式の根拠と場合分けを書き、解答例と比べる。
  3. 形式違反をゼロにする。 有効数字の桁、使用語句、字数。違反の回数を数えてゼロになるまで続け、選択票の書き方(指定外科目は判定対象外)も確認しておく。

残り3か月の優先順位

  • 最初の1か月 受ける日程と、理工学部なら数学Ⅲか数学Ⅱ・Bかを確定させる。数学は問題1の頻出単元の反復に時間の大半を使い、数学Ⅲの微積分の誘導型を1日1題。理科は、物理なら電磁気の回路と荷電粒子、化学ならマーク2題の理論計算を2分以内で。
  • 次の1か月 記述に軸足を移す。物理の問3と化学のⅢ・Ⅳを答案用紙に書いて解き、数学は問題2・3を途中式つきで最後まで書き切る。ここから「空欄の数・形式違反の数」を毎回記録します。
  • 最後の1か月 自分の日程の最新年度を、本番の時間割どおりの時刻に通しで解く。数学の問題1で9割、記述で空欄と形式違反ゼロを確認し、残った穴(化学の高分子、物理の熱・波動・原子)を埋める。最後に要項で試験時間・日程・科目を最終確認。

あわせて読みたい

EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

川越校舎の詳細・無料体験のお申し込みはこちら/ふじみ野・鶴瀬校舎のことは公式LINEからお問い合わせください。

📩 二神大輝 の更新をメールで受け取る
新しい記事が公開されたらお知らせします(いつでも解除OK) ・ 読者 2
この記事が役に立ったら、いいね!

この記事を書いた人

二神大輝