GMARCHの日本史・世界史は大学ごとに別物です|論述・史料・形式を実測値で比較【川越の予備校】

この記事は、GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)を志望していて、日本史か世界史を使う高校生・既卒生と保護者の方に向けたものです。川越で個別指導をしているEIMEI予備校が、自作の入試対策読本の分析データから、6大学の社会の出題がどう違うかを並べます。

先に結論です。「GMARCH向けの社会の勉強」というひとまとまりのものはありません。同じGMARCHの中に、マークシートを使わず全問記述の大学があり、語句記述が0問でほぼ全問マークの日程があります。論述が毎年課される学部と、3年間で1問も出ない日程が同じ大学に同居しています。やるべきことは自分が受ける大学・学部・日程の形で決まります。

以下の数字は、各大学の過去問冊子を年度別・大問別に読み込んだ実測値です。ただし分析した冊数も大問の数え方も大学ごとに違うため、大学をまたいで「どちらが多い」と比べることはできません。同じ項目の「出る・出ない」を大学ごとに確認する読み方をしてください。明治大学のデータは詳細表がなく参考程度のため、「〜とされています」と書きます。

日本史:6大学の出題の作り

  • 学習院大学/10冊(4方式)。すべての大問が小問10問で固定、解答は選択肢のない用語記述が中心で、漢字指定がほぼ毎冊入ります。3年×10冊=50大問の集計では政治史が最多で約半数、時代は近代(幕末〜1945)約12大問、近世約11、原始古代約9、中世約4、現代約3。全10冊で図版・写真・グラフ・統計表の設問は0件、史料引用も2件のみです。文化史は「大問まるごと1題」で出ます(2024年度法学部コアⅠが建築物)。
  • 明治大学/8学部で問題が完全に別です。政治経済学部は大問Ⅰが初見史料+150字論述+記述で3年固定、法学部は大問Ⅰが近現代の史料3点+全問記述(漢字指定)で史料の比重が全学部最大かつ初見率が高いとされています。経営学部は近現代に完全集中し原始古代・中世はほぼ出ず全問マークシート、農学部は5大問50問構成が3年固定で史料は教科書掲載に限定されているとされています。
  • 青山学院大学/11冊(全学部日程4年・文学部史学科3年・経済学部A方式4年)で入口ごとに性格が3通りに分かれます。全学部日程は3大問・全問マーク式で、Ⅰが原始古代〜中世前期、Ⅱが中世後期〜近世、Ⅲが近代・現代と固定。2023・2024年度は近代止まりでしたが2025・2026年度は戦後に踏み込みました。経済学部A方式は3大問43問(マーク29問+記述14問)の完全なテーマ史型で、史料原文・地図は出ず統計表・比較表のみ、4年とも戦後に到達します。
  • 立教大学/13冊(5試験日)すべてで大問はⅠ・Ⅱの2題、時代配分はほぼ50:50。マークと記述の比はおよそ7:3で漢字指定の記述が頻出です。大問Ⅰは必ずテーマ史(会話文による通史、交通と旅、動物と日本史など)で、大問Ⅱも半数は文化史寄り。写真4択が非常に多く、教科書の図版ページの確認が欠かせません。
  • 中央大学/22冊(7方式)で学部・方式ごとに問題が完全に別です。経済学部2/14方式は全編が経済史・統計読解(銀の流通、通貨・金融史、労働・移民史)、2/15方式は政治・外交・文化中心。商学部の会計・経営学科は戦後経済史が毎年大問Ⅲに固定され、さらに文化史の独立大問が40点入ります(2024年度会計Ⅰが仏教史、2026年度経営Ⅰが学問・教育史)。
  • 法政大学/11冊(6日程)。語句記述は0問で、記述式で書くのは論述1問だけ、残りはすべてマークです。時代配分は「古代or中世→近世→近代」の縦の通史型で11冊中11冊に近世と近代が含まれる一方、原始(旧石器・縄文)はほぼ出ません。設問は正誤組み合わせ(X・Yの正誤、年代整序、「正しいものがない場合はオ」)が全日程の主力です。

世界史:6大学の出題の作り

  • 学習院大学/10冊(4学部コアの3学部循環)。全問記述式でマークシートは使いません。大問の形は(A)誤文訂正+設問、(B)学術書からの長文抜粋+記述設問、(C)200字論述2題(文学部コアのみ)の3つに固定され、3年10冊すべてで繰り返されます。50大問の地域集計は中国史が約12大問で最頻出、古代地中海約9、ヨーロッパ中世・近世約5、近代欧米約3、イスラーム・西アジア・インドで約5、アフリカ約5、現代約3。地図問題は3年10冊で0件ですが、学術書の翻訳抜粋が毎冊1題・24〜32点入ります。
  • 明治大学/8学部いずれも別問題で、形式の学部差が最大の特徴とされています。商学部は大問Ⅴの4行以内(約100〜120字)、政治経済学部は220〜260字級の論述が3年連続で、他の5学部には論述がありません。文学部は史料3/3・地図3/3・図版2/3で全学部の中でもっとも史料・図版が濃く、法学部は毎年テーマ史で古代〜現代を横断し読む分量が全学部最大、情報コミュニケーション学部は「長文から誤り1箇所を選ぶ」形式が毎年20問とされています。
  • 青山学院大学/10冊。全学部日程は「アジア前近代/ヨーロッパ/世界横断」の地域分担で全問マーク式、史料・地図はありますが図版・写真はありません。前近代と近現代の比率は2023年度約31:15、2024年度約20:28、2025年度約30:20と年度で振れますが、大問Ⅲは必ず19世紀以降です。経済学部A方式は「Ⅰ択一・Ⅱ択一・Ⅲ記述」が4年すべてで確認でき、4年間でⅠ・Ⅱの8大問中5大問がヨーロッパ、西アジア・中国は2大問のみ、アフリカとアメリカが主題になった大問はゼロです。
  • 立教大学/13冊は学部ではなく試験日(2/6・2/8・2/11・2/12・2/13)が分析の軸です。大問は原則Ⅰ・Ⅱの2題で記述(語句)の比率が高く、「あてはまるものがない場合はeをマークせよ」が2023年度以降ほぼ全問に付くため4択でも実質5択になります。地域はほぼ毎回「全地域横断」で、イスラーム・南アジア・東南アジア・アフリカ・ラテンアメリカが各大問に必ず混じります。前近代と近現代はおおむね5:5ですが日程差が大きい点に注意が要ります。
  • 中央大学/7方式・17冊が学部・方式ごとに完全に別問題です。法学部別選抜は論述の密度が最大で、5問(10〜80字、2024年度)→3問(10〜45字、2025年度)→3問(10〜50字、2026年度)と推移し、地域重心は2025年度が「インド」、2026年度が「アフリカ」でした。経済学部2/14方式は銀の流通・大豆のグローバル史など経済的な切り口が明確で、商学部の会計・経営学科は毎年Ⅰ・Ⅱのいずれかが文化史の独立大問です。
  • 法政大学/A方式10冊(冊子207・208・209・212・216)。論述は10冊すべてでゼロ、字数指定の設問が1問も存在しません。語句記述の多寡は日程で決まり、冊子207・208・216は1冊あたり6〜13問、冊子209・212は記述が1〜2問群のみでほぼ全問マークです。地域配分は「アジア1+ヨーロッパ1+(アメリカ/現代国際/テーマ史)1」が10冊中10冊で共通、内訳は中国史10冊中5冊、インド史2冊、イスラーム史2冊などです。

論述が出るのはどこか、何字か

論述はもっとも大学差が鮮明に出る要素です。法政大学のように「日本史は論述、世界史は語句記述」という役割分担が明記され、科目で逆になる大学もあります。

  • 日本史/青山学院大学文学部史学科=2023年度350字以内(指定語句なし)、2025・2026年度300字程度(指定語句4〜5語必須)。立教大学=毎回1問45〜70字(2026年2/8のみ2問)。中央大学法学部別選抜=20〜70字×2問(配点12〜14点)。法政大学=冊子207・208・216は6冊中6冊で1問(2026年度は60字に統一)、209・212は5冊中5冊で3年連続ゼロ。学習院大学=文学部コアのみ7行指定(字数でなく行数)で他3方式はなし。明治大学=政治経済学部150字、文学部20字以内×1問とされています。
  • 世界史/学習院大学文学部コア=200字論述2題(30点)、キーワードをすべて使用し下線を引く指定つき。他3学部コアはゼロ。青山学院大学文学部史学科=350字以内が3年とも一貫、指定語句5〜7語すべて使用・初出に下線。全学部日程と経済学部A方式はなし。中央大学法学部別選抜=10〜80字の短文論述が複数問、他6方式はゼロ。立教大学=行数指定で13冊中8冊にあり5冊はなし。法政大学=10冊すべてゼロ。明治大学=商学部4行以内、政治経済学部220〜260字とされています。

大事なのは字数より指定語句の有無です。語句をすべて使い下線を引く形式では、与えられた語句を因果関係の中に配置する練習が要ります。立教大学や中央大学法学部別選抜のような短文型は、一文で言い切る訓練のほうが効きます。

史料・図版が重い大学と、初見史料

  • 初見史料を読む力が要る/日本史では明治大学法学部(大問Ⅰが近現代の史料3点+全問記述で3年固定)と政治経済学部(初見史料+150字論述で3年固定)が、初見率が高いとされています。
  • 教科書史料の識別が中心/明治大学情報コミュニケーション学部は史料が毎年1〜2問出るものの、すべて教科書掲載史料の識別で初見率は低いとされています。農学部も教科書掲載に限定です。
  • 素材としての史料・図版が多い/法政大学の日本史は11冊中10冊で史料・和歌・小説・系図・統計表のいずれかが素材化されます。青山学院大学文学部史学科も史料・地図・写真・図版の使用がもっとも多い入口です。
  • 史料がほぼ出ない/学習院大学の日本史は全10冊で図版類の設問0件・史料引用2件のみ、世界史でも地図は0件です。ただし世界史は学術書の長文抜粋が毎冊入るので、「読ませる素材の種類が違う」と捉えるのが正確です。

この大学を受けるなら、ここを先に

  • 学習院大学/選択肢がない前提で、漢字で書ける状態まで用語を仕上げるのが最優先。文学部志望だけは論述(日本史7行・世界史200字2題)を並行します。
  • 明治大学/受ける学部の形式を最初に確認。初見史料の読解が要る学部と全問マークで完結する学部が同居しているとされています。
  • 青山学院大学/全学部日程は時代分担が固定なので通史を素直に。文学部史学科は300〜350字と指定語句の練習を秋のうちに、経済学部A方式は近現代と統計読解を先に厚くします。
  • 立教大学/日本史は大問Ⅰのテーマ史対策として文化史を早い段階から。世界史は「該当なしならe」を前提に、消去法でごまかさない精度を作ります。
  • 中央大学/方式で中身が変わります。経済2/14なら経済史と統計読解、商会計・経営なら戦後経済史と文化史の独立大問、法学部別選抜なら短文論述が最優先です。
  • 法政大学/まず自分の日程の冊子コードを確認。日本史は近世・近代を固め正誤組み合わせと年代整序の精度を、世界史は語句記述の量に合わせて書ける状態まで詰めます。

複数のGMARCHを併願するなら

共通してやれるのは次の3つです。日本史なら政治史と社会経済史、時代では近世と近代(法政大学は11冊中11冊に近世・近代を含みます)。世界史なら中国・東アジア史とヨーロッパ史で、分析した範囲ではこの2地域がまったく出ない学部・年度は見当たりませんでした。年代整序と正誤判定の処理も、形式が違っても作業自体は共通です。

逆に、大学ごとに分けるべきなのは次の3つです。

  1. 論述。ある・ないが明確に分かれ、字数も20字から350字まで開きます。指定語句の有無まで含めて学部ごとに別メニューを組みます。
  2. 文化史と周辺地域。日本史の文化史は立教大学・青山学院大学・中央大学商学部・学習院大学で独立大問として重く出ます。世界史のアフリカ史は学習院大学が50大問中約5大問で扱う一方、青山学院大学経済学部A方式は4年間で主題ゼロ。「後回しでよい」の一般化がもっとも危険な分野です。
  3. 時代の重心。青山学院大学は年度で、立教大学は試験日で前近代と近現代の比率が振れます。この場合は通史全体を仕上げておく必要があります。

残り3か月の進め方

  1. 最初の2週間/受験する大学・学部・日程を書き出し、それぞれ過去問1年分で「解答形式」「大問数」「論述の字数と指定語句」「史料・図版の量」の4点を確認します。この4点が一致する大学どうしは同じ練習で回せます。
  2. 10月中/共通部分(日本史=政治史・社会経済史、世界史=中国史・ヨーロッパ史)の通史を一周終わらせます。抜けの確認には日本史の頻出単元世界史の頻出単元を使ってください。
  3. 11月/大学ごとのメニューに入ります。論述がある学部は週2本の答案作成を始め、必ず第三者に読んでもらうこと。全問記述の大学を受けるなら、この時期から書いて答える形で演習します。
  4. 12月以降/本番と同じ時間で解き、正誤組み合わせで落とすのか、年代整序か、論述の字数超過かを分けて記録します。年数と順番は過去問はいつから何年分を参考にしてください。

社会は、やり方を間違えると努力の量がそのまま点にならない科目です。基本の進め方に不安があるうちは日本史・世界史の勉強法で土台を確認してから、この記事の大学別データに進んでください。

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

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二神大輝