【川越の高校生へ】現代文の勉強法|選択肢の切り方と、記述で点になる書き方を12大学の出題から逆算する

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、川越とその周辺の高校に通っていて、「現代文だけ点数が安定しない」と感じている高2・高3生と、その保護者の方に向けて書いています。解説を読めば納得できるのに自力では選べない、記述は白紙になりがち――その状態を立て直します。

先に結論です。現代文が不安定なのは、センスがないからではありません。選択肢を切る根拠の取り方と、記述の骨格の作り方が決まっていないからです。そしてもう一つ、志望校の現代文が何を測っているかを知らないまま練習していることが原因です。

まず、志望校の現代文の「形」を確認する

EIMEIでは、東洋・青山学院・中央・東京電機・学習院・法政・慶應・明治・立教・埼玉・成蹊・早稲田の12大学について、過去の問題冊子を1冊ずつ通読して大学別の入試対策読本にまとめています。確認すべき軸は4つ。小説が出るか/記述は何字か/評論のテーマはどこに偏るか/選択肢の形式はどうか。

小説は、多くの大学で出ていません

中央は24冊すべてが評論と随筆で小説は3年間ゼロ。学習院は9冊すべて評論、青山学院は全学部日程の11冊すべて評論で小説・随筆はゼロ。早稲田も法・商・人間科学の8冊すべてで小説ゼロ。成蹊の12冊に現代小説の独立出題はなく、東京電機・東洋・埼玉でも確認した範囲で出ていません。逆に準備が要るのは次の3つです。

  • 立教大学の全学部日程…11冊で1回だけ小説が出ました(2026年度2/8、梅崎春生「魚の餌」)。擬人法・主語の省略・三人称文体といった表現の特色を問う設問が入りました
  • 早稲田大学 教育学部C方式(国語国文学科)…素材が小説(小林勝、石坂洋次郎)と随筆で、この方式だけは小説の読解が必要です
  • 成蹊大学のE方式…評論2題+随筆1題が基本形で、2023年度は幸田露伴の文語体小説

多くの受験生にとって心情読解の練習は優先度が低い分野です。そのぶんを評論の読み方と記述に回してください。

記述の有無と字数は、大学ではなく学部・方式で決まります

  • 記述ゼロ(全問マーク)…青山学院の全学部日程、法政の冊子209(経済Ⅰ・社会Ⅰ・現代福祉)、成蹊の法・経営A方式、早稲田の教育学部A方式、東洋、中央の5学部共通選抜
  • 抜き出しと漢字だけ…学習院(9冊すべて字数指定の論述ゼロ。「Ⅰ=7字」型の抜き出しが毎年必出)、早稲田の商・文、明治の情報コミュニケーション(20〜31字の最初と最後5字)、中央の文・総合政策
  • 30〜60字の説明記述…法政の冊子207(30字以上40字以内)、立教の全学部日程(20〜40字が11冊中9冊)、明治の経営(30〜40字)と国際日本(60字以内)、成蹊の文学部A方式、中央の法学部(40〜60字)
  • 100字を超える記述…早稲田の法学部(120字以上180字以内が毎年1問)、早稲田の教育学部C方式(180〜200字+50〜70字)、青山学院の日本文学科B方式、そして埼玉大学

埼玉大学は別格です。前期日程の大問一は教育学部と経済学部で5年とも本文も設問も同一で、漢字10問+傍線部の説明3問(1問40〜160字)。経済学部は大問二も現代文で、一と二で520〜660字(5年平均で約570字)を書きます。しかもすべて記述式で、選択問題がありません。

学部・方式ごとの構成は、埼玉大学の入試対策読本の記事中央大学の記事で整理しています。

選択肢の切り方|「合っていそう」で選ばない

落とす人のほとんどは、本文を読み終えてから選択肢を読み、いちばん近そうなものを選んでいます。ここを手順に変えます。

手順1|設問を先に読み、傍線部の前後に根拠の範囲を決める

東京電機大学の読本にも「設問を先に読み、傍線部の前後から根拠を探す」順で解くこと、と書きました。東京電機の設問は空所補充(接続語・語彙)と傍線部の内容説明・理由説明が中心で、記号選択が主軸。多くの大学に共通する型です。

作業はこうです。傍線部を含む一文を最後まで読み、指示語と主語を確定させる。そのうえで前後3〜5行を「根拠の範囲」として鉛筆で囲む。ここを決めずに進むと、本文のどこと照合しているか分からないまま吟味することになります。

手順2|選択肢を読む前に、自分の答えを10〜20字で置く

これが最も効きます。「要するにこういうことだ」を短く作ってから選択肢に入る。先に選択肢を読むと日本語に引っ張られ、本文にない内容でも「そう書いてあった気がする」と感じてしまいます。この作業はそのまま記述の練習にもなるので、マーク式しか出ない大学の志望者にも価値があります。

手順3|選択肢を「要素」に分解し、切る理由を記号で書く

選択肢はたいてい2〜4個の要素(主語・内容・理由・程度や範囲)の組み合わせです。まるごと合っているかで判断せず、要素ごとに本文の該当箇所を指させるかで判定してください。切る理由は5つに分けられます。切ったら選択肢の横に番号を書いてください。

  1. 言い過ぎ…本文は「傾向がある」なのに選択肢は「すべて〜である」
  2. 因果が逆…原因と結果が入れ替わっている
  3. 本文にない…もっともらしいが、本文のどこにも書かれていない
  4. 範囲のずれ…限定条件つきの話が、選択肢では一般論になっている
  5. 設問に答えていない…内容は正しいが、聞かれていることの答えになっていない

立教大学は出題意図で「覚えている知識を単純に問うのではなく、文章全体の文脈や展開をふまえて、的確な正解を選ぶことのできる読解力を必要とする問題とした」と説明しています。文脈で判定させる、という宣言です。

手順4|消去法が効かない形式は、別の練習が必要です

  • 学習院大学の法学部コア系…現代文に「三つ選べ。三つ以上マークした場合は0点」型の複数選択が出ます。読本で確認した法学部の国語の平均得点率は52%から54%で、他学部の国語(64%から72%)より明らかに低い水準です
  • 東洋大学…「解答欄一つに複数マーク」の設問が毎年あります。設問の指示を毎回読み直さないと、知識があっても落とします

複数選択は「自信のあるものだけを塗る」のではなく、全選択肢に○×△を付けてから、△を本文で決着させるのが正しい順序です。部分点が出ないので、曖昧なマーク1つが全体を無効にします。

手順5|図表・非文字資料つきの設問を別枠で練習する

はっきり増えている形式です。明治の経営学部は2025・2026年度にグラフや図の読み取りが1問定着、情報コミュニケーション学部は写真や詩を絡めた複数テクスト。成蹊の経営学部A方式は図表・要約図の空欄補充。早稲田の人間科学部(国語英語型)は会話形式の設問や棒グラフの読み取りが入ります。この系統は、共通テストの図表問題がそのまま練習素材になります。

記述で点になる書き方|骨格を先に作る

記述が白紙になる人は、書けないのではなく「何を書くかが決まる前に書き始めている」だけです。

記述には3つの型があります

  1. 抜き出し型…学習院は9冊すべてで字数指定の論述がゼロ。読本にも「採点は事実上一意」と書きました。「自分の言葉でまとめる」練習は要りません
  2. 文末固定・指定語数の要約型…法政の冊子207は「〜場であることを意味する。」のように文末を固定した穴埋め式の要約記述。出題意図にも「傍線部の意味を指定語数でまとめる表現力を測る」とあります
  3. 自分の言葉で説明する型…中央大学の法学部の出題意図には「本文中の該当箇所を抜き出すのでなく、本文全体の趣旨を読み取り、自分の語彙で内容をまとめて説明する」と明記されています。埼玉大学、早稲田の法学部・教育学部C方式もここです

骨格の作り方|4つのブロックを並べてから文にする

いきなり文を書かず、要素を並べます。

  1. 主語を決める…傍線部の主語をそのまま使えることが多い
  2. 核を1つ決める…「どういうことか」なら言い換え、「なぜか」なら理由。字数の半分を使う
  3. 条件・対比を足す…本文が「Aに対してBは」なら、片側だけでは減点される
  4. 文末を設問に合わせる…「〜ということ。」「〜から。」。指定があれば、そこに接続する形で圧縮する

箇条書きにしてから、字数に合わせて削ります。削るのは③から、次に①の修飾語。②の核は最後まで残します。

字数ごとの設計を、数字で持っておく

  • 30〜40字(法政207、立教、明治の経営)…要素は2つまで。核+条件が1つで、修飾語を足す余裕はありません
  • 50〜60字(中央の法学部、明治の国際日本)…要素は3つ。核+理由+対比が標準形
  • 100〜160字(埼玉大学)…要素は4〜5つ。1文目で核、2文目で理由と具体の2文構成にしてかまいません
  • 180〜200字(早稲田の法学部、教育学部C方式)…段落の設計そのものが採点対象。読本では「180字の記述に20分を残す配分を最初から固定してください」と書きました

早稲田の教育学部C方式は、設問数が12〜16問と少ないのに書く量が多く、特徴は「二つの素材を比較する」ことと「あなたの考えを書く」こと(2024年度は『人虎伝』と「山月記」)。比較を書く問題では、比較の軸を先に一言で決めてから書き始めてください。

形式で落とさない。ここは練習で確実に潰せます

中央大学は記述の指示が毎年細かく、「楷書で正確に書くこと」「句読点・記号・括弧も字数に数え、一字につき1マス」と決まっています。法学部は2025年度に書き出し指定があり、2026年度は記述が2問に増えました。法政の冊子207には下書き欄があり、本番で初めて使うと時間の見積もりを誤ります。

漢字そのものが得点源になる大学もあります。中央の国際情報学部は大問一がまるごと知識問題で、毎年15問前後・30点(配点の3割)です。

語彙と背景知識の入れ方|志望学部の分野から入る

評論が読めない原因は、読解力よりも語彙と背景知識であることが大半です。

1|評論用語を1冊、先に仕上げる

東京電機大学の読本にはこう書きました。評論の抽象度は高く、「パラダイム」「実証主義」「第一性質・第二性質」「公理」といった評論用語を知らないと本文が読めません。東京電機は10冊中10冊が科学論・科学哲学系で、統計とリスク、デカルトの心身二元論、AIロボット倫理、科学史と続きます。用語集1冊で素材への耐性が変わります。

立教なら優先すべきは近代批判系の評論語彙です。直観と理知、円環的時間と直線的時間、包摂と排除。読本では立教の大問二(11題すべてが硬質な評論)の裏テーマを、「近代がつくった枠組みを疑う」と「見ること・聞くことの理論」に整理しています。

2|志望学部の学問分野の新書を、数冊読む

中央大学の読本で最もはっきり出た事実です。中央は現代文の出典が学部の学問分野に対応しています。法学部は国家・法思想、国際情報学部は情報・AI・メディアで完全統一、国際経営学部は経営・経済思想が3題中2題、文学部は哲学・言語・メディア論。知っている話題の評論は、読む速度がまるで違います。

ほかの大学も同じです。青山学院は科学技術・AI論/哲学・倫理学/社会学・文化人類学/言語論/日本文化論の5系統。学習院は時事寄りと人文評論が半々で、新聞の経済面の評論欄が2回使われました。法政は刊行から数年以内の新しい評論が多く、社会学・哲学・心理学の新書が効きます。

目安は月に3〜4本。1本読み終えるごとに150字で要約を書く。語彙の定着と記述の練習が同時に進みます。1冊通読する必要はありません。

なお、早稲田の文化構想学部は大問一が必ず「現代の評論+近代文語文」の組み合わせで、福沢諭吉、幸徳秋水、正岡子規が3年とも出ています。触れる機会が少ないので、意識して素材を集めてください(早稲田大学の入試対策読本の記事)。

演習の頻度|週2本を、復習まで含めて回す

現代文は「毎日1時間」が必要な科目ではありません。大事なのは間隔をあけすぎないことと、復習の密度です。

  1. 週2本、時間を計って解く。1本あたり評論1題で20〜25分。試験時間から逆算します
  2. 間違えた選択肢に「切る理由」の番号を書き込む。正解した問題も、根拠を指させるか確認します。まぐれ当たりを潰すのが目的です
  3. 模範解答と自分の答案を要素単位で比べる。字数の過不足ではなく、核・理由・対比のどれが抜けたかで記録します
  4. 本文全体を150字で要約する。ここまでで1本90分前後です

週2本なら2か月で16本。この量で評論の型は見えてきます。逆に復習をしないと、何本解いても変わりません。

時期の目安です。高2〜高3の春は評論用語集1冊と標準レベルの問題集1冊で、手順を身体に入れる時期。高3の夏に過去問を1年分解き、4つの軸を確定させます。9〜11月は週2本を志望校の形式に寄せ、記述がある大学は添削を受けてください。直前期は新しい問題集を増やさず、時間配分だけを詰めます。

時間配分は、大学ごとに数字で決める

現代文で崩れるのは「読めなかった」ではなく「間に合わなかった」であることが大半です。東洋大学は漢字3分 → 古文20分 → 評論32分 → 見直し5分。明治の文学部は現代文を20〜25分で抜けないと、最後の漢文が空欄のまま終わります

読む分量の目安も持っておきましょう。立教の全学部日程は大学公表で「2,000〜4,000字程度」、実測では1題あたり約2,200〜3,300字。2/8は4年とも6,550〜6,700字で重い日程でした(立教大学の入試対策読本の記事)。

川越で、現代文をどう詰めるか

ここまでの内容は一人でもやれます。つまずきやすいのは記述の自己採点志望校の形式の確定の2点。前者は自分の答案の不足が見えず、後者は学部と方式と日程の単位で調べる必要があります。EIMEI予備校では、この2つを1対1の個別指導で扱っています。

なお、慶應義塾大学には国語がありません。代わりに10学部中7学部で小論文が課され、文学部の英語では本文の要旨を100〜120字にまとめる日本語記述が毎年出ます。「評論を読んで要点を指定字数でまとめる」力は、科目名が何であっても求められています。

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EIMEI予備校の川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分自習室は朝7時から使えます(2026年6月開校)。学校が始まる前に評論を1本読んで要約を書く習慣をつけるには、ちょうどいい環境です。

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※この記事の出題情報は、EIMEI予備校が自作している大学別入試対策読本(過去の問題冊子を通読して集計したもの)にもとづきます。分析対象の年度・冊数は大学ごとに異なります。出願にあたっては、必ず各大学の最新の募集要項でご確認ください。

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二神大輝