【川越の理系高校生へ】大学選びは数学と理科の出題で決める|東京電機・法政・明治・中央・早稲田など主要大学を比較

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、川越とその周辺の高校に通っていて、理系の学部を受けるつもりの高2・高3生と、その保護者の方に向けて書いています。「理系だから数学と理科をやる」までは決まっていても、どの大学のどの学部なら何を選べるのか、どの分野から手をつけるのかが決まっていない人が多いからです。

この記事に書いた大問構成・出題分野・科目選択の条件は、EIMEI予備校が自作した大学別の「入試対策読本」で、実際の問題冊子を1冊ずつ確認してまとめた内容です。

理系の大学選びは「理科で何を選べるか」から始まる

最初に確認してほしいのは、偏差値でも学部名でもありません。自分が使える理科の科目で、その大学を受けられるかどうかです。ここが大学ごとにまったく違います。

  • 慶應義塾大学 理工学部…物理と化学が両方必須。生物選択では受験できません
  • 青山学院大学 理工学部…物理と化学の2択で、生物は選べません。さらに物理科学科だけは物理が必須で、化学を選べません
  • 法政大学…情報科学部は物理のみ。デザイン工学部と理工学部は物理か化学。生物を選べるのは生命科学部だけです
  • 東京電機大学…生物を選べるのは理工学部生命科学系だけ。理科と国語は2023年度から同じ選択票にまとまっており、出願学科が指定していない科目を選ぶと判定対象外になります
  • 中央大学…共通テスト併用方式では、数学科・物理学科・都市環境学科の受験者が生物を解答しても無効です
  • 立教大学…物理・化学・生物から1科目。しかも学科によって問題が変わりません。理科の対策で志望学科を気にする必要がない、珍しい大学です
  • 成蹊大学…独自試験で理科を解くのは理工学部A方式だけで、物理・化学・生物から1科目(地学はありません)

つまり「生物で理系を受ける」と決めた時点で、受けられない大学が出てきます。逆に、生命科学系や農学系に寄せれば選択肢は広がります。高2のうちにここを確認しておかないと、高3の夏に「その大学は物理がないと出せない」と気づくことになります。

選択科目をどう決めるか。判断の順番は4つ

1|志望校リストを先に作り、「必須指定」を全部書き出す

科目を決めてから大学を選ぶのではなく、大学を5〜6校並べてから、全部で使える科目を選ぶのが正しい順番です。慶應理工と青学理工を両方受けたいなら、物理と化学の2科目が要ります。生物で行くなら、法政の生命科学部・東京電機の理工学部生命科学系・立教・成蹊のように生物が使える大学でリストを組む必要があります。

2|「当日選ぶ方式」と「出願時に決める方式」を区別する

同じ大学でも方式で扱いが変わります。中央大学の学部別選抜(2月15日)は出願時に科目を登録しますが、共通テスト併用方式(2月8日)は当日に選びます。併用方式は「理科」という1冊の冊子に物理Ⅰ〜Ⅲ・化学Ⅳ〜Ⅵ・生物Ⅶ〜Ⅸの9題が入っていて、そこから3題を選ぶ形です。解答用紙の選択欄に○と×を書き、4題以上に○をつけると理科全体が無効になります。

明治大学の理工学部も同じ考え方で、物理3題(A・B・C)と化学3題(D・E・F)の計6題から3題を任意に選択します。4題以上解答すると全部が無効です。「物理2題+化学1題」でも構いません(中央大学の記事)。

3|配点の重さを見る

理科の重みも大学で違います。青山学院の全学部日程は理科だけ100点と軽く、外国語150+数学150の300点が満点400点の75%を占めます。これに対して個別学部日程B方式は理科が200点で満点の4割です。理科が武器ならB方式、そうでないなら全学部日程か個別A方式、という選び分けになります。

もっと極端なのが埼玉大学の工学部です。前期の個別試験は数学300点+小論文100点で、英語も理科もありません。数学は共通テストの200点と合わせて500点、満点の約4割を占めます。ただし共通テストでは理科2科目が必要で、電気電子物理工学科は物理が必須です。

4|「今の得点率」ではなく「本番までに伸びる幅」で決める

東京電機大学の読本に書いたとおりですが、これはどの大学にも当てはまります。物理・化学は出る分野が固定されていて伸びしろが読みやすく、生物は範囲が広いぶん時間がかかります。高2の今の点数が低くても、分野が固定されている科目なら冬までに動きます。

数学|まず「記述かマークか」で準備がまったく変わる

理系数学は、同じ数Ⅲでも答案に何を書かされるかが大学ごとに違います。ここを揃えずに過去問を回すと、練習と本番がずれます。

  • 全問記述…東京電機(問題1は答えのみ40点、問題2・3は途中式も記述)、早稲田の理工3学部(120分・大問5題)、立教(マーク欄なし)、埼玉大の工学部(大問4題・答案用紙4枚)、慶應の理系4学部(12冊すべてマークシート不使用)
  • 全問マーク…法政の理系数学。7大問のうち5問を選んで解く形式が3年間9冊すべてで同じでした
  • 混合…中央の学部別選抜(Ⅰ・Ⅱがマーク、Ⅲ・Ⅳが記述)、明治の理工学部(Ⅰがマーク、Ⅱ・Ⅲは答えのみ記入で途中経過は不要)、成蹊の理工A方式([1]は空欄補充、[2]〜[4]が記述)

とくに差が大きいのが証明の扱いです。法政の理系数学は全問マークなので、証明問題が構造的に出ません。読本で数えた63大問のうち証明は0でした。法政志望者は論証の練習より、誘導に乗る速度と計算精度を優先してよいということです(法政大学の記事)。

反対に、中央の共通テスト併用方式はほぼ全題に「示せ/証明せよ」が入り、2025年度は10問を超えました。埼玉大の工学部も、2024年度から3年続けて「示せ」が出ています。早稲田の基幹理工も「示せ」が毎年2〜3問です。この3つを受けるなら、答案を書く練習そのものが対策の中心になります。

数学|どの分野から固めるか

共通の主役は、どこでも数Ⅲの微分積分

これは全大学で一致しました。数字を並べます。

  • 中央(理系)…極限・微積分(Ⅲ)が20大問中11題で55%。事実上の主戦場
  • 法政(理系)…大問ⅥとⅦが9冊すべて数Ⅲ微積。解く5問のうち2問、つまり40%
  • 早稲田(理工3学部)…6回とも例外なく最終大問が数Ⅲの微分積分(面積・回転体の体積・極限)
  • 立教(理系)…記述の大問Ⅱ・Ⅲが6日程すべて数Ⅲの微積
  • 埼玉大(工学部)…5年分20大問のうち10題が数Ⅲの微積分・極限
  • 明治(理工)…大問Ⅲが3年連続で数Ⅲの関数。数Ⅲの比重は4〜5割
  • 東京電機…問題3が数Ⅲの微積の誘導問題(接線→面積→回転体、または増減表→グラフ→最大最小)

しかも型が似ています。法政は「導関数→増減・凹凸→部分積分または置換積分」の流れが3年間ほぼ変わりません。高3の夏までに、この一連の流れを手が止まらずに書けるようにする。これが理系数学で最優先の1つ目です。

次に固める分野は、大学で割れる

ここからが大学別の判断です。同じ「理系数学」でも、優先順位が逆になります。

  • 複素数平面…慶應理工は3年とも大問級で出ます。立教は理学部数学科の第Ⅳ問に6回中3回。逆に法政は9冊で0回、青学の理工は6冊で1回、中央は2年に1度のペースです
  • 式と曲線(2次曲線・媒介変数・極座標)…早稲田の理工は5/6で最優先。ところが中央は3年間0%、法政も楕円・双曲線・極座標は0でした
  • ベクトル…早稲田5/6、法政7/9冊、埼玉大3/5年で頻出。一方中央の理系は3年間ゼロです(文系では頻出)
  • 整数…慶應理工は3年とも出題。早稲田も5/6。ところが慶應の医学部は3年とも出題なしで、同じ大学でも学部で正反対です
  • 統計的推測…理系の学部独自試験ではほぼ出ていません(早稲田理工0/6、法政0/63、埼玉大0/5年、慶應理工0/3)。ただし明治は2027年度入試から総合数理学部と政治経済学部の出題範囲に数学Bの「統計的な推測」が追加されます

言いたいことは一つです。「理系数学の頻出分野」という一般論は存在しません。数Ⅲの微積だけが共通で、そのあとは志望校で組み替えます。だから志望校を5〜6校決めるのが先なのです。

理科|物理・化学・生物は「書かされる量」が違う

科目選びで最後に効くのが、答案に書く量です。法政の読本でまとめた3科目の性格が、いちばん分かりやすい例です。

  • 物理…冊子に「余白は計算に使ってよいが採点の対象とはしない」と明記。答えだけが採点されます。論述は6冊中0冊。当たれば速いが、計算ミスがそのまま失点です
  • 化学…「計算問題では、必要な式や計算、説明も解答欄に記入せよ」と明記。途中点が期待できます。論述は6冊中5冊、15〜60字
  • 生物…論述が6冊すべてにあり、1冊あたり6〜12問。20字から100字、さらに「1行以内」〜「5行以内」の行数指定型も増えています

この傾向は他大学でもおおむね同じです。慶應の理工学部の化学は全問が空欄補充で、論述も導出過程も3年間ゼロ。そのぶん計算ミスが即失点で、文字式で答えさせる設問が毎年あります。一方で中央の生物は字数指定の論述が毎回5問前後出て、しかも「◯◯の語を必ず用いて」という語句指定が多く、指定語を落とすと減点されます。

ここから導かれる基準はシンプルです。計算を速く正確にこなせるなら化学、誘導に乗るのが得意で記述を書きたくないなら物理、長い実験文を読んで説明を書くのが苦でないなら生物。得点の伸び方がまったく違います。

理科|「原子」を見れば大学の性格が分かる

多くの受験生が最後に回す物理の原子分野が、志望校選びの踏み絵になります。読本で数えた結果を並べます。

  • 立教…6日程すべてで必ず1題。ド・ブロイ波、核融合、光電効果、結合エネルギー、半減期、コンプトン散乱。原子は範囲が狭く、立教の物理でいちばん費用対効果が高い投資です
  • 成蹊…3年とも小問か半大問で出題
  • 慶應(理工)…大問1が力学、大問2が電磁気、大問3が熱力学/波動/原子のローテーション。3年に1回ですが、出るときは大問まるごと=配点の約3分の1です
  • 青学(理工の個別学部日程)…7冊で0回。ただし全学部日程は2026年度にコンプトン散乱が出ています
  • 法政・中央・早稲田の理工…いずれも0回。ただし法政は2027年度から物理の出題範囲の限定がなくなります

つまり立教を受けるなら原子は必修、慶應理工なら空白にしておくリスクが最も大きい分野、法政や中央の理工だけなら優先順位を下げてよいということです。ここまで大学差が出る分野は他にありません(立教大学の記事)。

化学と生物にも同じ話があります。青学の全学部日程は天然高分子が4年中3年で出ますが、理工学部の個別学部日程は5冊すべて高分子がゼロでした。同じ大学で、受ける日程によって高分子をやるかどうかが変わります。生物では、立教が遺伝情報と動物の反応で実験考察18題中11題を占め、生態は大問に一度も出ていません。中央は逆に生態と進化・系統が5冊中4冊で、後回しにされがちな分野が主役です。

川越の高校生が、今日から何をするか

高2の冬までに|志望校リストと科目の確定

  1. 理系の志望校を5〜6校、学部・学科まで書き出す
  2. 各校の理科の選択条件(何が選べるか、必須はあるか)を要項で確認する
  3. 全校で使える組み合わせを決める。決まらないなら志望校リストのほうを直す
  4. 数学の範囲を確認する。東京電機の理工学部のように数Ⅲと数Ⅱ・Bを選べる学部もあれば、明治の農学部のように数Ⅲが3年とも一切出ない学部もあります

高3の夏まで|数Ⅲの微積を一本化する

志望校がどこでも、増減・凹凸からグラフを描き、部分積分・置換積分で面積と回転体の体積を出すという一本の流れを、考えずに手が動く水準にします。ここが理系数学の共通土台です。

高3の秋|志望校の「2番手の分野」に入る

ここで初めて大学別に分かれます。早稲田理工なら式と曲線・整数・空間ベクトル。慶應理工なら複素数平面と整数。中央なら確率と数列(式と曲線とベクトルは優先度を下げる)。法政なら微積分Ⅱ・場合の数確率・ベクトルとマーク形式の処理速度。理科は、大問の分野が固定されている大学から埋めます。明治の理工学部のようにA(力学)・B(電磁気)・D(無機)・E(理論)・F(有機高分子)の5枠が3年とも固定なら、出願の段階で「自分はA・B・Dを取る」と決められます。

直前期|答案の形式を本番に合わせる

記述が出る大学なら、必ず解答用紙に書いて解答例と比べます。東京電機の読本には「式を立てた根拠」「場合分けの明示」「積分の計算過程」の3つを省かないこと、と書きました。記述式には部分点があります。途中でつまずいても、前問の結果を仮定して先に進む答案を書いてください(東京電機大学の記事)。

迷ったときの考え方

理系の受験生から一番多い質問は「物理と化学、どっちが有利ですか」です。読本を全部作ってみて、答えははっきりしました。科目そのものに有利不利はなく、志望校の出題形式との相性で決まります。

計算量が多くても部分点を積みたいなら化学、誘導に乗って速く処理したいなら物理、実験文を読んで説明を書くのが得意なら生物。そのうえで、自分が選んだ科目でその大学を受けられるかを必ず確認する。順番はこれだけです。

EIMEI予備校の川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分です。自習室は朝7時から使えます。数学と理科は、独力で進めると「解けたつもり」の答案のまま秋を迎えがちな科目です。1対1の個別指導なので、志望校の形式に合わせて答案を直すところまで一緒にやれます。

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二神大輝