芝浦工業大学 工学部 総合型選抜2027|サマースクーリングから小論文・プレゼン・面接まで

この記事は、芝浦工業大学 工学部の総合型選抜を考えている高校生と保護者のためのものです。とくに、まだ時間のある高1・高2の人に読んでほしい内容です。というのも、この入試は高3の夏に大学で行われるサマースクーリングを修了していないと出願できないからです。

2027年度入試(2026年度実施)の内容を、芝浦工業大学の公式ページで確認した範囲でまとめました。スクーリングの申込から、第1次選考の書類・動画、第2次選考の小論文・プレゼンテーション・面接まで、時期の順にたどっていきます。

工学部総合型選抜の全体像

工学部総合型選抜は、2027年度入学向けに、工学部の9コースでそれぞれ4名、合計36名を募集しています。

課程 コース(各4名)
機械工学課程 基幹機械コース、先進機械コース
物質化学課程 環境・物質工学コース、化学・生命工学コース
電気電子工学課程 電気・ロボット工学コース、先端電子工学コース
情報・通信工学課程 情報通信コース、情報工学コース
土木工学課程 都市・環境コース

選考は2段階です。第1次選考は書類と自己推薦動画、第2次選考は豊洲キャンパスでの小論文、プレゼンテーション、面接です。各コース4名という少人数なので、出願の段階で「なぜこのコースなのか」がはっきりしていることが大前提になります。

出願資格:5つの要件をすべて満たす

出願できるのは、高校または中等教育学校を卒業した人、または2027年3月卒業見込みの人などです。そのうえで、次の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 志望コースで学ぶ強い希望があり、芝浦工業大学が第1志望であること
  2. 合格したら入学を確約できること
  3. 出願する課程の工学部サマースクーリングを修了していること
  4. コースごとに指定された数学・理科の科目を履修(見込み)していること
  5. 英語資格・検定試験のいずれかで基準値以上であること

1と2からわかるとおり、専願の入試です。本学の他の総合型・学校推薦型などの特別・推薦入学者選抜とは併願できませんが、一般入学者選抜との併願はできます。また、工学部総合型選抜の中で複数のコースを併願することもできません。

3のスクーリングは、修了した課程にしか出願できないというルールです。たとえば機械工学課程のスクーリングを修了した人が、電気電子工学課程に出願することはできません。スクーリングに申し込む時点で、課程まで決めておく必要があるということです。

評定平均の基準は、公式ページには書かれていません。ただし、調査書は出願書類に入っていて、第2次選考の面接では調査書に関する質問もあると書かれています。成績は数字の条件がなくても見られるものと考えておきましょう。出願要件の読み方は募集要項の出願資格の読み方でも詳しく書いています。

数学・理科の履修条件

コースごとに、履修(見込み)が必要な科目が決まっています。

コース 必要な科目
基幹機械コース 数学(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C)、物理基礎・物理・化学基礎・化学
先進機械コース 物理基礎・物理・化学基礎・化学
環境・物質工学コース 物理基礎・物理・化学基礎・化学
化学・生命工学コース 化学基礎・化学が必須、物理(物理基礎・物理)か生物(生物基礎・生物)から1つ
電気・ロボット工学コース 物理基礎・物理・化学基礎
先端電子工学コース 物理基礎・物理・化学基礎・化学
情報通信コース・情報工学コース 物理基礎・物理・化学基礎
都市・環境コース 物理基礎・物理・化学基礎

多くのコースで物理(物理基礎だけでなく物理まで)が求められています。高校のカリキュラム上その科目を履修できない場合は、入学までに補習などで同じ程度の学力を身につけさせると学校長が誓約する書類を出せば出願が認められます。ただし、カリキュラム上は選べたのに自分で選ばなかった場合は、この扱いの対象になりません。科目選択の段階で注意してください。

英語の基準値

英語は、次のどれか1つで基準値を満たす必要があります。

試験 基準値
実用英語技能検定(英検) CSEスコア1728
GTEC 810
TEAP(R/L+W+S) 186
IELTS 3.5
TOEFL iBT 38(判定は旧スケール)
TOEIC L&R+TOEIC S&W 575
TOEIC Bridge L&R+S&W 148
ケンブリッジ英語検定 130

英検は、4技能のスコアが書かれた証明書で、CSEスコアだけで判定し、級の合否は問わないと、英語スコアレポートの案内に書かれています。従来型のほか、英検CBT・S-CBT・S-Interviewの成績も使えます。一方で、デジタル証明書での提出や画面のコピーは無効です。また、出願登録の時点で書類が手元にある必要があります。英検をいつまでに受けておくかの考え方は英検はいつまでに、どの水準でを参考にしてください。

2027年度の日程

サマースクーリングから入学手続まで、2027年度入試の日程を順に並べます。

時期 内容
2026年6月1日〜7月6日 サマースクーリング申込(約1分の自己推薦動画を提出)
7月29日まで 参加可否をメールで連絡
8月21日〜8月23日 サマースクーリング(豊洲キャンパス)
9月24日ごろ〜 インターネット出願サイトにアクセス可能(予定)
10月1日〜10月5日 出願期間(消印有効)
10月31日 第1次選考(書類選考・動画選考)。合否は出願サイトのマイページで発表
11月8日23時59分まで プレゼンテーション資料の提出(厳守)
11月29日 第2次選考(豊洲キャンパス)
12月11日 第2次選考の合格発表
12月18日 入学時納入金の納入締切

今年受けている高3の人へ(11月2日時点)

第1次選考(書類・動画)の日程は10月31日で、合否は出願サイトのマイページで確認する形です。第1次に合格した人が次にやることは、11月8日(日)23時59分までのプレゼンテーション資料の提出です。期限内に提出がないと辞退とみなされ、受領確認の連絡もないと明記されているので、ファイル名の指定(受験番号_志望コース_氏名_工学部総合型選抜)も含めて、公式ページの案内どおりに提出してください。第2次選考は11月29日です。資料を出したあとも、10分の発表と30分の面接に向けた練習の時間は3週間ほどあります。

サマースクーリング:この入試の出発点

2026年夏のサマースクーリングは、豊洲キャンパスで8月21日から23日までの3日間行われました。定員は、機械工学・物質化学・電気電子工学・情報・通信工学の各課程が15名、土木工学課程が7名です。申込者が定員を超えた場合は、自己推薦動画の内容で参加者を決めると書かれています。

3日間の流れは、1日目に講義と例題、課題の出題と取り組み、2日目に課題の続きと発表資料の作成、3日目に成果発表です。課題には実験、数値シミュレーション、ディスカッションなどが含まれます。持ち物として、プレゼン資料を作れるソフトが入り、インターネット検索ができるノートPCかタブレットが挙げられています(持っていない人には貸し出しがあります)。

ここで大事なのは、スクーリングでの体験が、そのまま第2次選考のプレゼンテーションの題材になることです。第2次のプレゼンは、スクーリングでの工学的体験をもとに、その後の課題に対する自分の学びを約8分で説明し、これからの大学での学びや将来の姿を約2分で話す内容です。つまり、8月の3日間で何に気づき、そこから自分でどう学びを広げたかが問われます。スクーリングは出願のための通過点ではなく、選考の一部だと考えてください。

2026年の参加資格は「2027年3月卒業見込み」などとなっていて、高3の夏に参加する形です。高2のうちに参加できるかどうかは、公式ページからは読み取れません。

第1次選考:書類と自己推薦動画

第1次選考は書類と動画だけで、会場での試験はありません。提出するのは、写真、英語のスコアレポート、調査書など、自己推薦動画、工学部スクーリングの修了証です。

自己推薦動画は、正面を向いて氏名を述べ、芝浦工業大学で学ぶ意欲や卒業後の展望を含めて3分を目安に話すものです。形式はmp4かmovで、顔が映ること、静かな場所で撮ることが求められています。

3分は、話してみると意外に長い時間です。原稿を読み上げるだけだと目線が下がり、表情も硬くなります。おすすめは、話す内容を「なぜこのコースか」「スクーリングで何を感じたか」「大学で何を学び、卒業後にどうしたいか」の3つのまとまりに分けて、キーワードだけをメモしておき、何度か撮り直しながら自然に話せるようにすることです。家族に見てもらい、聞き取りにくいところを指摘してもらうのも役に立ちます。

第2次選考:小論文・プレゼンテーション・面接

小論文(90分)

工学の問題解決能力を問う論述試験です。自然事象を含む社会問題についての長文と設問を読み、工学的な手法を検討して、志望する専門分野と関連づけて論じます。数式、グラフ、図などを使った分析が求められ、解答は図表を除いて800字程度です。

一般的な小論文と違うのは、意見を述べるだけでなく、工学の道具を使って考える力が求められる点です。日ごろからニュースで災害やエネルギー、インフラ、環境の問題を見たときに、「これを技術で解決するとしたら、何を測り、どう計算し、どんな仕組みを作るか」を考えるくせをつけておくと、本番で手が止まりにくくなります。総合型選抜の小論文の基本は総合型の小論文の書き方にまとめています。

プレゼンテーション(約10分)と面接(約30分)

小論文のあと、昼の休憩をはさんで、プレゼンテーションと面接が合わせて40分程度行われます。プレゼンは事前に提出したPowerPointかPDFの資料を使って約10分(スクーリングをもとにした学びが約8分、今後の学びと将来像が約2分)、そのあと約30分の面接で、プレゼンへの質問、自己推薦動画や調査書に関する質問が行われます。評価されるのは、適性、学習意欲、コミュニケーション力と書かれています。

30分の面接は長めです。プレゼンで話したことに対して「その結果はなぜそうなったと思うか」「別の方法は考えたか」と掘り下げられることを想定し、スクーリングの課題で自分がやったことを、手順と理由まで説明できるようにしておきましょう。プレゼン型の選考の準備は集団討論・プレゼン・英語も参考になります。

高1・高2がいまから始める準備

この入試は、高3の6月にスクーリングを申し込むところから始まります。申込にも動画が必要で、定員を超えればその内容で選ばれます。そこから逆算すると、高2のうちに志望の課程とコースを決め、英語のスコアをそろえておくのが理想です。

高1・高2の11月〜3月

まず、理科の選択科目を確認してください。多くのコースで物理基礎だけでなく物理まで必要で、化学まで必要なコースもあります。高1の冬は、高2・高3の科目選択を決める学校が多い時期です。工学部を考えているなら、この記事の表と見比べて、物理と化学を選べるかどうかを担任の先生と相談しておきましょう。

英語は、英検ならCSEスコアで1728が基準です。級の合否は問われず4技能のCSEスコアで判断されるので、高2の間に一度受けておき、届かなければ高3の春までにもう一度受ける、という計画にしておくと安心です。

高2の春〜夏

オープンキャンパスなどで工学部の各課程・コースの研究内容を調べ、自分が学びたい分野を1つに絞っていきます。スクーリングは課程ごとに申し込み、修了した課程にしか出願できないので、ここで迷いを残さないことが大切です。

高2の冬〜高3の6月

スクーリングの申込に向けて、約1分の自己推薦動画で話す内容を考えます。1分で「なぜこの課程か」を伝えるには、自分の興味のきっかけになった経験や、調べて面白いと思った技術を具体的に話せることが必要です。2026年の申込期間は6月1日から7月6日でした。翌年の日程は公式発表を確認してください。

学年ごとの準備の流れは高2の冬から始める推薦準備でも紹介しています。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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この記事を書いた人

二神大輝