東京農業大学 総合型選抜・公募推薦2027|事前課題と口頭試問、日程と評定の条件

この記事は、東京農業大学の総合型選抜(全学部)と学校推薦型選抜(公募制)を考えている高校生と保護者のためのものです。どちらも2027年度入試(2026年度実施)の募集要項で確認した内容をもとに、2つの入試の違い、事前課題と口頭試問の中身、日程と出願の条件を整理しました。

東京農大の年内入試は、学科ごとに出される事前課題と、それをもとにした15分程度の口頭試問が中心です。小論文の試験やプレゼンテーションは要項に書かれていません。そのぶん、事前課題にどれだけ自分で調べて考えた中身を入れられるかが問われます。来年以降に受ける高1・高2の人向けに、準備の時期も後半でまとめています。

2つの入試の違いをひと目で

まず、総合型選抜(全学部)と学校推薦型選抜(公募制)の主な違いを並べます。

項目 総合型選抜(全学部)/学校推薦型選抜(公募制)
評定の条件 総合型:全体の学習成績の状況は定めない/公募:3.5以上または3.3以上(学部・学科により異なる)
推薦 総合型:出身学校長の推薦は不要(自己推薦書を提出)/公募:出身学校長の推薦が必要
選考の流れ 総合型:第一次(書類)→第二次(口頭試問)/公募:書類と口頭試問を同じ日程で
第一志望・専願 総合型:本学が第一志望で、第二次合格者は入学が前提/公募:専願制で他大学との併願不可
募集人員 総合型:計291名/公募:計315名
出願できる人 どちらも2027年3月卒業見込み者と2026年3月卒業者など

いちばん大きな違いは評定の条件です。総合型選抜は全体の学習成績の状況を定めていないので、評定に自信がなくても出願できます。公募制は学校長の推薦と評定の基準が必要な代わりに、選考が1回で終わります。

公募制の評定の基準は、学部・学科によって3.5以上か3.3以上かに分かれています。どこがどちらかは、2027年度の公募制の募集要項にある出願資格の表で必ず確認してください。また、毎日農業記録賞の高校生部門優秀賞の受賞者などは学習成績の基準を定めないという注記もあり、生物産業学部の各学科では日本農業技術検定3級以上の合格者も対象になっています。農業高校などで検定を取っている人は、要項の注記を読んでおきましょう。評定と年内入試の関係は評定平均は年内入試でどう効くかで詳しく書いています。

2027年度の日程

総合型選抜(全学部)

項目 日程
第一次選考の出願 2026年9月4日(金)〜9月15日(火)(郵送のみ・消印有効)
第一次選考の合格発表 10月1日(木)10時
第二次選考の出願 10月1日(木)〜10月9日(金)
第二次選考(口頭試問) 10月24日(土)
第二次選考の合格発表 11月2日(月)10時
入学手続期間 11月2日(月)〜11月9日(月)

第一次選考に合格した人は、第二次選考にあらためて出願する必要があります。合格発表はどちらも「大学出願ネット」で確認する形で、合格通知の郵送や掲示はありません。

学校推薦型選抜(公募制)

項目 日程
出願期間 2026年11月2日(月)〜11月9日(月)(書類は郵送のみ・消印有効、最終日のWEB入力は15時まで)
試験日(口頭試問) 11月21日(土)(午前の部・午後の部の2部制)
合格発表 12月2日(水)10時
入学手続期間 12月2日(水)〜12月9日(水)

入学手続の入金は、どちらの入試も金融機関の窓口で行い、ATM、ゆうちょ銀行、インターネットでの振込は使えないと書かれています。最終日は窓口の営業時間内に入金を済ませる必要があるので、保護者の方とあらかじめ段取りを決めておいてください。

今年受ける高3の人へ(11月2日時点)

今日11月2日は、総合型選抜(全学部)の第二次選考の合格発表日で、入学手続は11月9日(月)までです。合格した人は期限を過ぎないように手続を進めてください。

公募制は、今日から出願期間に入っています。大学のWeb出願ページでは、出願開始が当初予定の11月2日10時から15時に変更されたと案内されています。締切は11月9日で、最終日のWEB入力は15時までです。事前課題も同じ期間に郵送で出すので、まだ書き終えていない人は、学校長の推薦書の準備と並行して、今週中に仕上げる計画を立ててください。試験の11月21日までは、事前課題について質問されることを想定した口頭試問の練習に使えます。

募集人員と試験会場

学科ごとの募集人員を、総合型選抜と公募制で並べます。

学部・学科 総合型(全学部)/公募制
農学部 農学科 20/18
農学部 動物科学科 20/15
農学部 生物資源開発学科 20/10
農学部 デザイン農学科 10/20
応用生物科学部 農芸化学科・醸造科学科 各8/各12
応用生物科学部 食品安全健康学科 7/18
応用生物科学部 栄養科学科 10/12
生命科学部 バイオサイエンス学科 7/10
生命科学部 分子生命化学科 5/8
生命科学部 分子微生物学科 5/12
地域環境科学部 森林総合科学科・生産環境工学科・造園科学科 各5/各25
地域環境科学部 地域創成科学科 7/13
国際食料情報学部 国際農業開発学科 15/15
国際食料情報学部 食料環境経済学科 34/15
国際食料情報学部 アグリビジネス学科・国際食農科学科 各10/各15
生物産業学部 4学科(北方圏農学科・海洋水産学科・食香粧化学科・自然資源経営学科) 各20/各5

学科によって、総合型と公募制のどちらに人数が多く割り当てられているかがかなり違います。たとえば地域環境科学部の森林総合科学科・生産環境工学科・造園科学科は、総合型が各5名なのに対して公募制は各25名です。逆に食料環境経済学科は総合型が34名と多くなっています。評定の基準を満たせるなら、志望学科の人数がどちらに多いかも見て受け方を考えるとよいでしょう。どちらの入試も、出願状況などによって合格者数が募集人員を下回る場合があると注記されています。

試験会場は、農学部が厚木キャンパス、応用生物科学部・生命科学部・地域環境科学部・国際食料情報学部が世田谷キャンパスです。生物産業学部は、公募制では世田谷か北海道オホーツクキャンパスを出願時に選べます。車や自転車での来場はできないので、厚木キャンパスを受ける人は公共交通機関での行き方を事前に確かめておきましょう。

なお、生物産業学部には、この記事で扱う全学部の総合型選抜とは別に、学部独自の総合型選抜(併願方式を含む)もあります。生物産業学部を考えている人は、そちらの募集要項も見比べてください。

事前課題:東京農大の年内入試の中心

総合型選抜(全学部)でも公募制でも、出願時に学科ごとに決められた事前課題を提出します。テーマも字数も学科で違い、本学ホームページに掲出されている原稿用紙の様式を使います。

2027年度の公募制の要項から、いくつか例を挙げます(言い回しはこちらでまとめたものです)。

  • 栄養科学科(1,200字以内):戦前と戦後の日本の食生活の変化が、いまの食生活にどう影響しているかを、自分の食生活や身近な例と結びつけて述べる
  • 森林総合科学科(総字数1,000〜1,200字):「森林・林業白書」の指定された章を読み、課題を一つ取り上げて解決策を述べる
  • 醸造科学科(1,200字以内):住んでいる地域や近県の醸造発酵物を一つ取り上げ、市場を広げる方策を述べる。調べた内容を写しただけの提出は認められない
  • 造園科学科(3課題):ふだん使う公園で利用者の行動を観察してまとめ、これからの公園の使われ方を考え、それを図で表す

どの課題にも共通しているのは、調べたことを並べるだけでなく、自分で問題を見つけて、解決策まで考えることが求められている点です。造園科学科の課題のように、実際に現地を観察するものもあります。人に話を聞いたり、現場を見たりする方法は高校生が取材・インタビューをする手順が参考になります。

要項には、生成AIで作った文章をそのまま使うことは原則として認めないとはっきり書かれていて、内容によっては不正行為にあたる場合があるとも注意されています。大学での学びは、自分で調べ、考え、結論をまとめることだという説明もあります。下調べに何を使うにしても、最後に書く文章は自分の考えでなければいけません。事前課題の進め方は事前課題・課題レポートの進め方でも詳しく書いています。

なお、総合型選抜(全学部)では、事前課題に加えて800字以内の自己推薦書も提出します。調査書は2026年9月1日以降に発行され、3年次1学期または前期までの成績が書かれたものが必要です(2学期制の高校は2年次後期までの成績でも可)。第一次選考に合格した人は、第二次選考の出願時に3年次前期までの成績が書かれた調査書を出し直します。

口頭試問:事前課題について15分

口頭試問(面接)は、総合型でも公募制でも個別方式で15分程度です。要項には、試験当日は事前課題の内容も含めて口頭試問を行うと書かれていて、終わった人から順に帰宅します。

15分は長くありません。事前課題について「なぜこのテーマを選んだのか」「その解決策の弱いところはどこか」「調べた中でいちばん意外だったことは何か」と聞かれたときに、要点を短く答えられるかどうかが大切です。準備としては、提出した課題を読み返し、自分でも突っ込みどころを3〜5個書き出して、それぞれに1分程度で答える練習をしておくと安心です。志望理由や入学後に学びたいことも、学科の授業や研究と結びつけて話せるようにしておきましょう。面接の基本は面接対策にまとめています。

高1・高2がいまから始める準備

総合型選抜(全学部)は、高3の9月上旬に第一次の出願があります。事前課題のテーマは募集要項で発表されるので、来年度の課題が何になるかはまだわかりません。だからこそ、どんなテーマが来ても書けるように、志望学科の分野について調べる習慣をいまから作っておくことが大事です。

高1・高2の11月〜3月

学部・学科を2つか3つに絞りましょう。東京農大は、農学、応用生物科学、生命科学、地域環境科学、国際食料情報、生物産業と、同じ「農」でも学ぶ内容の幅が広い大学です。気になる学科のページや授業の紹介を読み、扱っているテーマを書き出してみてください。新聞やニュースで食料、環境、森林、地域の話題を見つけたら、短いメモを残していくと、高3で事前課題に取り組むときの材料になります。

公募制を受ける可能性がある人は、定期テストで評定を保つことも忘れないでください。基準は学部・学科により3.5以上か3.3以上なので、志望学科の基準を早めに要項で確認しておくと、目標が立てやすくなります。

高2の春〜夏

オープンキャンパスなどで、厚木・世田谷など自分が通うことになるキャンパスを見ておきます。身近な地域の農業、食品、公園、森林などを実際に見に行き、気づいたことを記録してみるのもよい練習です。事前課題には身の回りの例と結びつけるものが多く、こうした経験がそのまま書く材料になります。

高3の春〜夏

6月ごろから前年度の募集要項で課題の形式や字数の幅をつかみ、新しい要項が出たらすぐにテーマを確認して取りかかります。2027年度は大学出願ネットの新規登録が9月1日から、総合型の第一次出願が9月4日からでした。夏休みのうちに事前課題と自己推薦書の下書きを終えておくのが目安です。

参考にした公式情報

入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。

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二神大輝