受験が苦しくなったときの立て直し方|川越の高校生・保護者へ、勉強の設計をやり直す5つの手順

この記事は、受験勉強が苦しくなってきた川越の高校生と、その様子を見ている保護者の方に向けて書いています。「分かっているのに手がつかない」「模試の結果を見るのが怖い」「まわりと比べて落ち込む」。そうなったとき、気持ちを立て直そうとする前に、勉強の設計そのものを組み直すほうが早いことがあります。筆者はEIMEI予備校の二神大輝(代表・英語科)です。毎年この時期に受ける相談で、生徒と実際にやっていることを手順にまとめました。

「やる気が出ない」の多くは、設計のズレから始まっている

よくあるのは、①嫌な気分が起きる(過去問で点が取れない、判定が悪い、友だちの点数を聞く)→ ②その場から離れる(スマホ、動画、部屋の片づけ)→ ③一時的に気分が軽くなる④勉強が進まず、後ろめたさと遅れが増える → また①に戻る、という流れです。一周するたびに①が大きくなり、②が長くなります。

大事なのは、②を意志で止めようとしても効きにくいことです。先延ばしについて691件の相関をまとめた分析では、先延ばしを最もよく予測するのは「その課題が嫌であること」「報酬が遠いこと」「衝動性」「自信のなさ」でした。時間管理の下手さや怠けではありません。効くのは、①の嫌さを小さくする、②に入りにくい環境を先に作る、④の後ろめたさを小さくする。以下の手順は全部このどれかに当たります。

手順1 計画を「前回の実績」から立て直す

予定通りに進まないと「計画性がない」と思いがちですが、これは人間共通のクセです。心理学者ビューラーらの研究では、卒業論文に取り組む学生の平均予測は33.9日、実際は平均55.5日で、予測どおり終えられたのは29.7%でした。この「計画の誤謬」は、過去に似た作業にどれくらいかかったかを人が無視しがちだという認知のクセだと説明されています。

  1. 計画を立てる前に、実績を1つ思い出す。「英語の過去問1年分を解いて丸つけまで、実際に何分かかったか」。記録がなければ今日から測るだけでいい。翌週の計画の精度が変わります。
  2. 見積もりに1.5〜2倍を掛ける。上の研究の比率はだいたいこの範囲です。最初からそのつもりで枠を取ると、崩れる回数が減ります。
  3. 1〜2週間で終わる大きさまで割る。「英語の長文読解を伸ばす」は予定に置けません。「今週はパラグラフの要約を10題」まで割ってから入れます。ボランティア9,000人以上の実地実験でも、目標を小さい単位に分けて示されたグループは活動量が7〜8%多い一方、細かすぎる単位は続きにくいと出ています。日割りより週単位が現実的です。

手順2 「もし〇〇になったら」の形で、やる気に頼るのをやめる

「時間があったら英語をやる」は、たいてい実行されません。状況と行動を先に1文で結ぶ形(if-thenプランニング)に変えます。94件の研究をまとめた分析では、この形で計画を立てた人は目標の達成率が中程度から大きく高まりました。着手できないという失敗への対策で効果量d=0.61、目標から逸れることへの対策でd=0.77です。意志ではなく、状況が行動の引き金になるからです。

  • 「もし21時になったら、英語の長文を1題解く」
  • 「もし学校から帰ったら、鞄を置く前に単語を10個やる」
  • 「もし予定が崩れたら、その日のうちに取り返さず、翌日の型に戻る」

決めるのは1日1〜2個で十分です。多いと、それ自体が守れない約束になります。

同じ考え方で、スマホの位置も先に決めます。795人が参加した2つの実験では、思考力のテストの成績が机の上・かばんの中・別室の順で段階的に向上しました。通知を受けただけで、応答しなくてもミスの割合が3倍以上に増えたという実験もあります。「見ないと決める」より「音・バイブ・画面点灯を切る」「別室に置く」ほうが確実です。禁止ではなく位置を決める。「45分やったら10分だけ見る」と先に枠を取るほうが長続きします。生活の型全体の組み方は受験期の自己管理にまとめています。

手順3 うまくいかない日の「戻り方」を先に決めておく

崩れた日そのものより、崩れたあとの処理で人は崩れます。前日できなかった分を翌日に上乗せすると、その日の予定も崩れ、遅れが広がります。

  1. 遅れは追いかけない。足すのではなく、次の型に戻ることを優先します。見積もりより時間がかかるのは通常の状態です。
  2. 始められないときは「5分だけ」。机に座り、いちばん簡単な作業(前回の丸つけ、単語10個)を開く。5分で終えてよいと決めておく。多くの場合、始めると続きます。
  3. 逃げたあとは「再開」だけを数える。逃げた時間の長さは数えません。後ろめたさ(ループの④)を小さくすることが、次に逃げる時間を短くします。

「2時間スマホを見てしまった」と記録しても次の行動は変わりませんが、「21時40分に再開した」なら次の目標になります。記録するのは失敗の大きさではなく、復帰の速さです。

手順4 模試と過去問は「落とし方の内訳」で読む

判定や点数を見て絶望するとき、問題は「解けなかった」という事実ではなく、その事実をどう説明したかです。失敗の原因を研究した理論では、失敗を「能力がない」(変えられない)に置く人は無力感に向かい、「やり方が違った」「まだ練習していない」(変えられる)に置く人は次の行動に向かうことが繰り返し示されています。関連する研究は2016年に理論が書き換えられ、現在は「自分で変えられる部分がある、と検出できたときに受け身が解除される」と考えられています。対処は「前向きに考える」ではなく「変えられる要素を1つ特定する」です。

落とし方を4つに分ける

  • 知らなかった → 覚えれば取れる。暗記の計画に入れる
  • 知っていたが使えなかった → 演習が要る。同じ型の問題を集める
  • 時間切れ → 配分の練習が要る。大問ごとに制限時間を切って解く
  • ミス → 見直しの手順が要る。自分のミスの型を3つ書き出す

どれも能力の話ではありません。英語の大問2が毎回時間切れなら、必要なのは「英語力」ではなく配分の練習です。ここを具体化しないまま「英語をやる」と書いた計画は、翌週も同じ場所で止まります。「頭が悪い」と思ったときは「この単元の解き方をまだ持っていない」に言い換える。変えられる要素を特定する作業です。成績表の読み方は模試の使い方で書いています。

手順5 まわりと比べてしまうときは、比べる向きを変える

26か国・約10万人の生徒を調べた研究では、同じ学力でも、周りの学力が高い学校にいる生徒ほど「自分は勉強ができない」と感じることが26か国すべてで確認されています(「大きな池の小さな魚」効果)。進学校や上位クラスにいて落ち込んでいるとき、その落ち込みの一部は実力の情報ではなく環境の効果です。

  1. 比較の相手を「前回の自分」に固定する。成績表が来たら、他人と比べる前に、同じ模試の前回と自分の点・偏差値・分野別の正答率を並べる。上がった分野に印をつけてから、順位を見ます。
  2. 落ち込んだら「環境の効果」を1行添える。「クラスで下位だった。ただしこのクラスの平均は高い」。事実を消さず、解釈だけ添えます。
  3. 順位表は「見ない」と決めてよい。順位は次に何をするかを教えてくれません。分野別の正答率のほうが情報量が多い。

比較のあとに「この分野をやろう」となるなら使える比較、思考が止まってスマホに向かうならループの①です。

SNSも同じです。オンラインでの「上との比較」について54の標本・約3万7千人をまとめた分析では、上方比較は否定的な感情や自尊心の低さと中程度の関連を示しました。一方で総説では「眺めるだけの利用」が気分を下げ、「発信や直接のやりとり」はむしろ気分を上げると示されています。問題はSNSそのものではなく眺め方です。「E判定から逆転」の書き込みは他人の1例で、うまくいった人ほど発信するので、見えているのは偏った標本です。科目・配点・日程は大学の要項、傾向は過去問、進め方は学校や塾の先生。情報源を絞るだけで焦りは減ります。

不安が形にならないときは、3つの箱に分ける

「何が不安なのか自分でも分からない」という状態も、受験期にはよくあります。必要なのは、もっと情報を集めることとは限りません。分からないものを、分かる形にすることです。

  1. 名詞で書き出す。「不安」ではなく「志望校が決まっていないこと」「決めたあと何を調べればいいか分からないこと」まで細かく書きます。
  2. 3つの箱に入れる。(A)調べれば消える=要項・過去問・先生に聞けば分かる。(B)決めれば消える=自分が決めるだけ。(C)どうにもならない=結果、他人の気持ち、過去。
  3. 箱ごとに処理する。Aは「調べる項目」と「締切」を書く。Bは今日決める。Cは扱わない。

書き出すと、ほとんどがAとBに入ります。そしてAとBは、気分の問題ではなく作業の問題です。Cが頭から離れないときは「心配タイム」を1日15分に固定してください。心配が浮かんだらメモだけして、決めた時間にまとめて扱います。7件の実験(約1,000人)をまとめた分析で、この「心配の先送り」は心配の持続時間と頻度を減らしました。Bにたいてい入るのが志望校です。暫定でも決めるほうが軽くなります。手順は志望校の決め方にまとめました。

保護者の方へ:関わりの「量」より「質」

子どもの自己調整と成績を高めるのは、研究上「自律性支援」と呼ばれる関わりでした。①子どもの視点を聞く、②選択の余地を残す、③指示の理由を説明する、の3つです。逆に、監視や命令で動かす関わりは、短期的には動いても長期的に消耗します。関わりの量が多いこと自体は悪くなく、質が分岐点です。

お子さん側から使える道具もあります。言い合いになる会話の多くは事実と要望と感情が混ざるので、次の3行に分けて紙に書いてから話すと通りやすくなります。

  • ①事実「先週の模試は英語が62、数学が55。志望校はC判定」
  • ②してほしいこと1つ「土日の午前は声をかけないでほしい。集中が切れるから」
  • ③してほしくないこと1つ「模試のたびに『それで大丈夫なの』と聞くのはやめてほしい」

志望校で意見が合わないときは、意見が合わないこと自体ではなく話す材料がないことが問題です。現在の学力帯、過去問の得点率、実力校・挑戦校・安全校の一覧、費用。この4つを紙に出すと、話が「気持ち」から「事実」に移ります。「挑戦校として1校入れる。ただし出発点は現在の帯から」と両方を残せば、対立は「順序」の話に変わります。受験の全体像は保護者のための大学受験ガイドもあわせてご覧ください。

週に10分、型を組み直す

手順を「知っている」から「回っている」に変えるには、週1回の点検が要ります。日曜の夜などに10分だけ取ってください。

  • if-thenで決めたことを実行できた日は何日か
  • スマホを別室(または鞄の奥)に置けた日は何日か
  • 実際にかかった時間をメモできた回数
  • 前回の自分より上がった分野はどこか
  • 今週いちばん多かった「嫌な気分」の引き金は何か
  • 来週、続ける工夫を1つ/減らす工夫を1つ

この記事の手順も、いま一番困っているものを1つだけ選んでください。守れなかった日は、翌日「再開」するだけです。

なお、つらさが長く続くときや、自分で扱える範囲を超えていると感じるときは、この記事の手順より先に、学校の先生・保護者・専門の相談窓口に話してください。相談は弱さではなく、対処のうちで最も効く手段の一つです。

川越で、勉強の設計を一緒に組み直せる場所

計画の実績値も落とし方の4分類も、一人でやると自分に甘くも辛くもなります。EIMEI予備校は、ふじみ野・鶴瀬(富士見市・ふじみ野市)で高校生を指導してきた予備校で、2026年6月に川越校舎を開きました。川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分です。

  • 1対1の個別指導。落とし方の4分類も週の計画も、あなたの答案と記録を見ながら一緒に組みます
  • 自習室は朝7時から使えます。「家では机に向かえない」人が、環境を変えただけで動き出すことは珍しくありません

いまの設計がどこで詰まっているかは、30分ほど話せば見えてきます。無料体験と個別説明会を受け付けていますので、まずは一度、状況を聞かせてください。

EIMEI予備校 川越校舎の無料体験・個別説明会はこちら

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EIMEI予備校について

EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

  • 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
  • ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
  • 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。

川越校舎の詳細・無料体験のお申し込みはこちら/ふじみ野・鶴瀬校舎のことは公式LINEからお問い合わせください。

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二神大輝