国公立の二次試験は記述の型が4つだけ|川越の予備校が大学別の字数・語数と共通テストからの切り替え方を解説

国公立大学を目指していて、いまのところ共通テストの形式しか解いたことがない高校生・受験生と、その保護者の方に向けた記事です。EIMEI予備校の二神大輝(代表・英語科)が、二次試験(個別学力検査)で何を求められるのかを、自作の読本「国公立大学 傾向分析と予想テーマ」と「埼玉大学 入試対策読本」の分析にもとづいてご説明します。川越校舎で国公立志望の生徒と最初に確認している中身です。

先に結論を書きます。二次の記述は、知らないテーマでも書ける「型」と、書き出しを速くする「知識」の掛け算です。センスの話ではありません。

国公立の記述は、型が4つしかありません

約60大学・250本超の入試英文を分析して、最初にはっきりしたのがこれです。記述の型は4つしかありません。要約・和訳・内容説明・自由英作文です。どの大学もこの配合が違うだけで、5つめの型は出てきません。

  • 要約…本文全体を指定の字数にまとめる型。東京大学の1(A)は日本語70〜80字で、型としては最短です。
  • 和訳…下線部を日本語に直す型。京都大学は下線部和訳と内容説明でほぼ全問が構成されます。
  • 内容説明…「どういうことか」「なぜか」を日本語で説明する型。一橋大学は30〜80字の字数指定つきです。
  • 自由英作文…本文や資料を踏まえて意見を英語で書く型。語数は大学によって60語から150語まで幅があります。

ここに原則が重なります。テーマは私大より「議論もの」に寄り、賛否や概念の問い直しを含む評論が好まれます。自由英作文は本文連動型が主流で、本文を読んでいない人には書けない設計が増えています。グラフ・資料を読ませる英作文も拡大中で、名古屋大学・九州大学・佐賀大学・和歌山大学などで出ています。

そして最後の原則が、この記事の背骨です。共通テストとの分業が進み、二次は少数の長文をじっくり読ませる方向が強まっています。速読より精読、量より深さです。

大学ごとの英語の中身は 国公立大学の英語 にまとめてあります。

字数・設問数・配点は、大学でここまで違います

「国公立の記述対策」という言い方は、実は雑すぎます。同じ4つの型でも、量と配合が大学ごとに固定されているからです。実測した値を並べます。

  • 東京大学…5大問。1(A)日本語70〜80字要約/1(B)空所補充・段落整序/2(A)自由英作文60〜80語/2(B)和文英訳/3リスニング/4(A)誤り指摘/4(B)和訳/5総合読解。この分業が7年間ほぼ固定で、形式ごとの処理手順を体に入れることが最大の対策です。
  • 京都大学…長文2題+和文英訳+英作文。選択問題は例外的で、和文英訳はこなれた日本語150字前後。国内で最も「翻訳家的」な試験です。
  • 一橋大学…和訳と30〜80字の内容説明が中心。自由英作文は100〜140語で、ことわざの説明・絵の描写・メッセージ作成など題材が年ごとに変わります。2024年に長文2本化、2025年からリスニング廃止と形式が動いているので、直近2年で最新形を確認してください。
  • 名古屋大学…大問4題。Ⅰ・Ⅱが評論(選択+和訳・字数説明)、Ⅲが会話文、Ⅳがデータ・グラフを読み取って80〜100語で説明・考察する英作文です。
  • 北海道大学…読解2+資料評論1+会話文1の4題。毎年出る会話文の要約完成(語群から選んで空所を埋める)が最大の特徴です。
  • 九州大学…読解3題+自由英作文+データ英作文の5題構成。会話文はありません。
  • 筑波大学…本文を踏まえた意見英作文80〜100語が定番です。
  • 埼玉大学…意見英作文120〜150語が重い試験です(後述します)。

大阪大学は2026年度の文学部で、本文引用つきの意見英作文を40〜50語・80語と二段構えで出しました。地方国立は共通テストで測れない部分(和訳・説明記述・自由英作文)に特化する方向が鮮明で、公立大学は英作文の配点が重い大学が多いのも特徴です。

つまり、志望校が決まるまで「記述対策」は具体化できません。60〜80語の英作文と150語の英作文では、準備する分量も覚えるべき型も違います。

共通テストの勉強と二次の勉強を、どう分けるか

ここが一番相談の多いところです。分けなくてよい部分と、分けなければならない部分があります。

分けなくてよい部分

長文を正確に読む力は、共通テストと二次で地続きです。二次が精読寄りでも、本文が読めていない答案に点はつきません。後述する埼玉大学のように二次の読解がそのまま共通テストの延長という大学もあります。共通テスト側の読み方は 共通テスト英語 にまとめています。

分けなければならない部分

「選ぶ」作業と「書く」作業は別の技術です。選択肢があれば、内容が半分しか見えていなくても消去法で正解に触れられます。記述には、本文の内容を自分の日本語・英語に組み直す工程が入ります。この工程は選択式の演習では練習されないので、ここだけは別枠で時間を取ってください。

切り替えの目安は、配点比率と時期の二つ

まず配点比率です。国立の一般選抜は、共通テストと個別試験の合計点で判定されます。埼玉大学を例にすると、教育学部の乳幼児教育専修の前期は共通テスト950点+個別試験500点で共通テストが65.5%、電気電子物理工学科は850+400で68.0%、情報工学科は900+400で69.2%です。6つの日程のうち5つで、共通テストが満点の6割から7割を占めます。

だから、共通テストで大きく崩れると個別試験では取り返せません。電気電子物理工学科の前期なら、共通テストの得点率が10ポイント下がると85点を失い、これは個別試験400点の2割強にあたります。高校3年の秋までは共通テストの土台を崩さないことが最優先で、そのうえで個別試験の科目に時間を積み増すのが順番です。

次に時期です。読本に書いた4段階をそのまま使ってください。

  1. …5年前の年度を、時間を気にせず解く。大問ごとに「何を問う型か」をメモする。英作文は過去5年分のテーマで1本ずつ書き始める。
  2. 11〜12月…次の2年分を解く。記述の答案の書き方と、大問ごとの時間配分を決める。
  3. 1月…共通テストに集中する。ただし個別試験は週1回、答案を書く感覚を保つ
  4. 共通テスト後〜2月…残りの年度を本番どおり通しで解き、間違えた大問を解き直す。

要点は3番の1行です。記述は1か月書かないと手が鈍ります。1月に完全に止めると、共通テスト後の2週間が「思い出す時間」に消えます。週に1本でも書いておけば、その2週間を「仕上げる時間」にできます。

点数は必ず得点率で記録してください。共通テストの自己採点を志望校の配点に当てはめれば、「二次で何割取ればよいか」が毎回出ます

答案を自分で直す手順

記述の最大の難所は、書いても点がつかないことです。誰かに見てもらうまで、自分がどこにいるのか分かりません。だからその日のうちに自分で点検できる手順が要ります。

  1. 時間を計って書き、書いた直後は直さない。直しを書き込む前の状態が本番の実力です。答案は捨てずに残し、自由英作文は語数を数えて記録してください。
  2. 型に分解して、要素を数える。要約なら「筆者の主張1文+根拠2つ」に圧縮できているか。字数指定の内容説明なら、本文から拾うべき要素をいくつ数え上げ、そのうちいくつが答案に入ったか。一橋大学型の字数指定説明は、この「要素の数え上げ→圧縮」を手順にするだけで安定します。
  3. 自分の日本語になっているかを見る。内容説明で多い失点は、本文の語を並べ替えただけの答案です。九州大学のような試験では、「本文の言い換えを自分の日本語で行う」練習がそのまま点になります。
  4. 和訳は、構文ではなく語順を見る。構文が取れていても日本語として読めなければ減点されます。京都大学の和訳は、構文把握より日本語の語順再設計の練習が効きます。訳したあと英文を隠し、日本語だけを声に出して読んでみてください。
  5. 英作文は、立場・理由・例の3か所を先に点検する。型は「主張→理由2つ→例→結論」。最初と最後で立場が変わっていないか。理由が主張の言い換えになっていないか。例が一般論で終わっていないか。本文連動型なら「本文の具体例を1つ引用して、自分の例を1つ足す」形で安定します。グラフ・データ英作文は「増減表現+原因1つ+含意1つ」の型で、10本書けば形になります。
  6. 最後に人に見てもらう。記述答案と自由英作文は、最終的には自分では採点できません。英作文の直し方は 英作文の直し方 に細かく書きました。1〜5を飛ばして添削に出すと、毎回同じ指摘を受けることになります。

埼玉大学を受ける人が、特に見るべきところ

ここまで「国公立=記述」という前提で書いてきましたが、そう決め打ちすると外す大学があります。埼玉大学がその代表です。2022〜2026年度の前期の問題冊子45冊を読んで分かったことが三つあります。

一つめ。英語の冊子は、教養学部・経済学部・教育学部の3学部共通の1冊です。工学部の前期に英語はありません(数学300点+小論文100点)。

二つめ。その英語は5年とも「長文2題(5択)+自由英作文1題」で、和訳も要約も5年間一度も出ていません。設問は長文Ⅰが14問、Ⅱが12〜13問で合計26〜27問。1題あたり約750〜950語、2題で約1,560〜1,810語を読みます。記述は大問Ⅲの英作文1題だけで、120〜150語、理由や例を2つ以上求める意見論述です。2022年度と2024年度はほぼ同じテーマ(宇宙探査と地球上の課題)が出ており、2025年度は3問から1問を選ぶ形も出ました。

三つめ。配点が1科目に偏っています。乳幼児教育専修の前期は、個別試験が英語だけで500点。共通テスト950点と合わせて満点1,450点で、英語は共通テストの200点を足すと700点、満点の48%を占めます。2026年度の合格最低点は990.20点(68.3%)、合格者平均は1062.98点(73.3%)。共通テストで7割5分なら、英語は5割5分が最低点ライン、7割が平均点ラインです。

この3点から、先に固めるものが決まります。①750〜950語の説明文を1題20分前後で読み切る力、②句動詞・前置詞・語形・関係詞などの文法語法とイディオム(空所補充と言い換えで設問のおよそ半分を占めます)、③120〜150語の意見論述の型。英文和訳・和文英訳・日本語での要約は、この冊子に関しては後回しで構いません。

一方で、同じ埼玉大学でも記述が重い冊子があります。国語(教育学部・経済学部)は全問記述で、教育学部は大問一の説明3問で250〜360字、経済学部は説明6問で520〜660字を書きます。数学(工学部・理学部数学科)は大問4題・全問記述で、「示せ」の証明が直近3年続いています。理科(教育学部)も全問記述で、理由の説明と作図が中心です。同じ大学でも、自分が解く冊子によって必要な記述力がまるで違うということです。

学部・学科ごとの配点と冊子の対応は 埼玉大学 に整理しました。二次対策を始める前に、まず自分が解く冊子を特定してください。

英語科の二神が、記述答案をどう見ているか

川越校舎で答案を受け取ったとき、見る順番は決めています。

最初に見るのは語数と字数です。読む前に数えます。120〜150語の指定に対して100語で終わっている答案は、中身を読む前に直す場所が決まります。字数指定の説明も同じで、80字の設問に45字で答えているなら要素を数え落としています。

次に立場です。英作文で、最初の1文と最後の1文が別のことを言っている答案は珍しくありません。両方の言い分を並べた「両論併記」で終わる答案も、意見論述としては点が伸びません。

三つめが理由が理由になっているか。「異文化を学ぶことは大切だ。なぜなら異文化理解は重要だからだ」は理由ではなく言い換えです。日本語で書いても同じことが起きるので、英語力の問題ではありません。

四つめが本文との距離です。本文連動型の英作文で、本文に一度も触れていない意見文は設問に答えていません。

そして最後に、英語そのもの(文法・語法)を見ます。この順番が逆になると、添削は赤ペンだらけなのに点が伸びません。構成が崩れている答案は、英語を全部直しても点が動かないからです。

もう一つ、答案を返すときに必ず聞くことがあります。「本文のどこを使って、どこを捨てましたか」。これに答えられる生徒は、次の答案から字数の使い方が変わります。答えられない場合は「選び取り」の段階でつまずいているので、そこから一緒にやり直します。

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無料体験・個別説明会のご案内

EIMEI予備校の川越校舎は、川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分です。自習室は朝7時から使えます。記述の答案は書く時間と同じだけ読み返す時間が要るので、朝や放課後に机を確保できるかが結果に効きます。

指導は1対1の個別指導です。国公立志望の場合、まず志望校の冊子を特定し、配点比率から「二次で何割必要か」を出します。そのうえで、要約・和訳・内容説明・自由英作文のどれをどれだけ準備するかを決めます。同じ「国公立志望」でも、やることは一人ずつ違います。

「共通テストの勉強はしているが、二次で何が出るのか見ていない」という段階でも大丈夫です。最初の1年分を一緒に解いて、型のメモを作るところからご案内します。

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EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。

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この記事を書いた人

二神大輝