こんにちは、EIMEI予備校の二神です。英語科を担当しています。
この記事は、和光国際高校に通っている高校生と、その保護者の方に向けて書いています。和光国際高校の英語コミュニケーションの教科書はAmerican English File 2(Oxford)とNew Rays(いいずな書店)、論理・表現はGenius(大修館書店)です。この組み合わせは、川越周辺の高校の中でもかなり独特です。
独特、というのは悪い意味ではありません。American English File は、英語を英語のまま使えるようにする教材として、とてもよくできています。ただしこれは海外向けの英語教材で、日本の大学入試の問題とは、そもそも作りが違います。このズレを知らないまま高3の夏を迎えると、「英語は得意なはずなのに模試の点が伸びない」という状態になることがあります。
まず、和光国際高校の英語教材を整理します
以前、川越とその周辺の高校が使っている英語の教科書を高校別 英語の教科書レベル一覧にまとめました。その中で、和光国際高校の教材は次のとおりです。
- 英語コミュニケーション:American English File 2(Oxford)/New Rays(いいずな書店)
- 論理・表現:Genius(大修館書店)
周辺の高校では、英語コミュニケーションは ELEMENT や LANDMARK、CROWN、Heartening といった日本の高校向けに作られた検定教科書が中心です。章末には、日本の入試に似た設問が並んでいます。
一方の American English File は、海外で英語を学ぶ人向けに作られた教材です。英文を訳すことよりも、聞く・話す・書くを含めて英語を「使う」ことに重心があります。同じ「英語の教科書」でも目的が違うのです。
New Rays と Genius は日本の教材ですから、海外向け教材と日本の教材の両方に触れていることになります。これは、やり方しだいで強みになります。
American English File で学ぶことの、はっきりした良さ
まず、良い点をきちんと書きます。海外向け教材には、日本の検定教科書だけでは手に入りにくいものがあります。
1. 英語を日本語に置き換えずに理解する回路ができる
American English File のような教材は、英語の説明を英語のまま受け取る前提で作られています。この経験を積むと、英文を一語ずつ日本語に置き換える癖が付きにくい。入試の長文を速く読むうえで大きな財産です。
2. 音とセットで語彙が入る
聞く・話すを含む教材なので、単語が音のかたまりとして頭に入ります。綴りだけで覚えた単語は、リスニングで音が流れてきたときに反応できません。共通テストのリスニングは配点が大きい試験ですから、ここは素直に有利です。
3. 英語を書くこと・話すことへの抵抗が小さい
自由英作文、総合型選抜・学校推薦型選抜での英語面接、英検の二次試験。「英語で自分の意見を言う」場面への慣れは、あとから付けようとすると時間がかかります。授業の中で積めているのは、はっきりとした強みです。
つまり、「英語を使う力」の土台を学校の授業で作れていることになります。問題は、その土台がそのままでは入試の得点に変換されない、ということです。
入試英語とのズレは「英文の難しさ」ではなく「設問の作り」にあります
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。American English File と日本の入試問題の違いは、英文が難しいか簡単かではありません。何を問われるか、その問い方が違うのです。日本の入試にしかない形式を挙げます。
- 下線部和訳:英文の意味が分かるだけでは足りず、日本語として採点者に伝わる訳文にする必要があります。関係代名詞、無生物主語、否定語の位置などを、日本語の語順に組み替える作業です。
- 空所補充:文法・語法の知識、前後の論理関係、コロケーション。何を根拠に選ぶのかが問題ごとに違います。
- 内容一致(正誤判定):本文の内容を、言い換えられた選択肢と照合します。書いていないことを「正しそうだから」と選ぶ間違いがいちばん多い。
- 指示語の内容説明:it や this が何を指すかを、日本語で説明させる形式です。
- 段落整序・文挿入:論理のつながりを根拠に並べ替えます。
これらはどれも、「英語が使えること」とは別に、解き方を習う必要がある技術です。海外向け教材の中には、そもそもこの形式の設問がほとんど出てきません。だから、教材の質が高くても、入試形式の練習は別に積む必要があるのです。
もうひとつ、日本の入試には制限時間があります。設問を先に見て、本文のどこを探すかを決め、根拠の行に線を引いて選ぶ。この「解答の手順」は、練習しないと身につきません。
なお、学校で使っている New Rays と Genius は日本の教材ですから、この部分をある程度は埋めてくれます。New Rays の設問と Genius の文法演習は、入試形式に近い数少ない接点です。ここを雑に扱わないでください。
「話せる・聞ける」と「長文が時間内に解ける」は、別の力です
英語が得意だと思っていた生徒さんが模試で崩れるとき、原因はだいたい次のどれかです。
- 単語は分かるのに、一文の構造が取れない:主語と動詞、どこからどこまでが修飾かを意識して切ったことがない。
- 読めているのに時間が足りない:ていねいに読みすぎて、最後の大問に手が回らない。
- 内容は分かっているのに選択肢を外す:本文の根拠ではなく、自分の理解や常識で選んでいる。
- 和訳や説明問題で点が来ない:意味は取れているが、日本語の答案の形になっていない。
この4つは原因が違うので、対策も違います。どれに当てはまるかの見分け方は英語長文が読めない原因の見分け方にまとめました。模試の結果が返ってきたら、点数ではなくどこで落としたかを見てください。
海外向け教材で英語に慣れている生徒さんに起こりやすいのは、2番目と3番目です。英語への抵抗が小さい分、「読めば分かる」と本文を最初から最後までていねいに読んでしまい、時間が足りなくなる。この癖は、手順を決めれば直ります。
英検などの外部スコアは、積極的に取りにいってください
学校の授業で聞く・話す・書くを積めているなら、英検などの外部試験は、入試本番より先に結果を出せる可能性があります。外部スコアは、大学によっては出願要件、得点換算、加点、試験免除といった形で使えます。扱いは大学・方式ごとにまったく違うので、英検などの外部スコアの使い方に整理しました。志望校が固まる前に一度読んでおいてください。
考え方としては、次の順番で見ます。
- いま行きたい大学・学部が、外部スコアをどう扱っているかを募集要項で確認する。
- 使えるなら、いつまでのスコアが有効か(取得時期の期限)を確認する。
- そこから逆算して、受験する回を決める。高2のうちに取り切っておくと、高3の勉強を他科目に回せます。
注意点をひとつ。外部スコアがあっても、一般選抜の英語の試験がなくなるわけではない大学がほとんどです。スコアは保険や加点であって、入試英語の勉強の代わりにはなりません。ここを取り違えると、高3で慌てることになります。
学年別にやること
高1|学校の教材を、ていねいに使い切る
高1のうちは、学校の授業を軸にして問題ありません。ただし次の2つだけ足してください。
- Genius の文法事項を、そのつど自分の言葉で説明できるようにする。答えが合っていても、「なぜその形なのか」を言えなければ入試では使えません。
- American English File で出てきた語彙を、綴りと音の両方で残す。音で覚えていても、書けないと英作文と記述で落とします。
高2|入試形式に、初めて触れる年
高2が分かれ目です。ここで日本の入試形式の問題に手を付けたかどうかで、高3の負担が変わります。
- 週に1本でいいので、入試形式の長文を時間を計って解く。設問の形(和訳・空所補充・内容一致)に慣れることが目的です。
- 和訳を、日本語として書く練習を始める。意味が取れることと、答案の形にすることは別です。
- 英検などの外部スコアを取りにいく。前の章で書いたとおり、高2で取り切れると高3が楽になります。
- 志望校をざっくり決める。大学ごとに英語の出題はかなり違います。学年別ロードマップに、いつ何を決めるかの目安を書きました。
高3|志望校の形式に合わせて、手順を固める
高3は、志望校の過去問の形式に合わせて解答の手順を作る期間です。
- 過去問を解いたら、点数ではなく時間配分と、落とした設問の種類を記録する。
- 内容一致で落としたなら、本文のどの行が根拠だったかを毎回確認する。20題ほど続けると選択肢の読み方が変わります。
- 和訳・説明問題がある大学なら、書いた答案を人に見てもらう。自己採点がいちばん当てにならない形式です。
- リスニングと英作文は学校で積んだものが効きます。そこは削らず維持する。
川越の高校生・保護者の方向けの記事はこちらのまとめにありますので、科目別・制度別の話はそちらもご覧ください。
EIMEI予備校 川越校舎では、こう指導しています
EIMEI予備校 川越校舎は1対1の個別指導です。集団授業ではないので、学校で使っている教材にそのまま合わせられます。和光国際高校の生徒さんであれば、American English File のユニット、New Rays の本文、Genius の該当ページを机に開いたまま進められます。
実際にやっているのは、たとえばこういうことです。
- American English File の英文で、一文の構造を切る練習をする。読めている英文でやると、負担が軽いまま技術だけが残ります。
- New Rays の設問を、入試の設問形式と対応づけて解き直す。「これは内容一致の練習だ」と分かって解くと、同じ1問の価値が変わります。
- Genius で出た文法事項を、入試の空所補充の形に置き換えて確認する。
- 模試や過去問の答案を見ながら、どこで時間を使いすぎたかを一緒に洗い出す。
自習室は朝7時から使えます。校舎は川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。学校に行く前の時間を単語と音読に充てている生徒さんもいます。グループ校舎はふじみ野・鶴瀬です。
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無料体験・個別説明会のご案内
無料体験・個別説明会では、いま使っている American English File・New Rays・Genius と、直近の模試の答案を見ながらお話しします。英語のどこが強くて、入試までに何を足すのかを、その場で具体的に整理します。
「英語は好きなのに模試の点が伸びない」「英検は取れているが一般選抜が不安」。どちらでも、学年を問わず大丈夫です。
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※和光国際高校の使用教材は、EIMEI予備校の在籍生への聞き取りにもとづくもので、学年・コース・年度によって異なる場合があります。入試制度・日程・配点、外部スコアの扱いは毎年変わりますので、出願前に必ず大学の最新の入学者選抜要項をご確認ください。
EIMEI予備校について
EIMEI予備校は川越・ふじみ野・鶴瀬の3校舎で、大学受験の1対1個別指導をしています。中高一貫校の中学生から、高校生・既卒生までが対象です。大学ごとに入試対策読本を自作していて、志望校が決まっている人には、その大学の出題に合わせて何をどの順番で進めるかを一緒に決めていきます。
- 川越校舎(2026年6月開校)川越駅から徒歩5分、本川越駅から徒歩8分。自習室は朝7時から使えます。
- ふじみ野校舎 ふじみ野駅東口から徒歩1分。
- 鶴瀬校舎 鶴瀬駅西口から徒歩3分。
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