【川越の高校生へ】化学の頻出単元と大学別対策|10大学の出題データで理論・有機・無機・高分子の優先順位を決める

こんにちは、EIMEI予備校の二神です。

この記事は、川越とその周辺の高校に通う高校生・浪人生で化学を受験に使う人、とくに「理論・無機・有機・高分子のどれから手をつけるか」で止まっている人に向けたものです。

化学には、数学や物理以上にはっきりした特徴があります。理論化学と有機化学はどの大学でもほぼ必ず出る一方、無機化学と高分子化合物は「毎年出る」と「3年間ほぼ出ない」が大学ごと、同じ大学の学部・方式ごとにも分かれることです。EIMEIが大学ごとの入試対策読本を作る過程で集めた過去問分析データを、単元別に並べ替えて整理します。

先にお断り|大学をまたいだ数字の比較はできません

以下の「9/9」「6冊中4冊」といった数字は、各大学の分析資料にある分母・分子をそのまま使ったものです。冊数も大問の数え方も大学ごとに違うので、同じ大学の中で単元どうしを比べるか、同じ単元で大学ごとの「出る・出ない」を個別に見るかの2つに読み方を限ってください。対象は早稲田・明治・青山学院・立教・中央・法政・慶應義塾・学習院・東洋・東京電機の10大学、年度はおおむね2022〜2026年度です。

青山学院(9冊)・立教(6日程)・中央(5冊)・法政(6冊)・慶應義塾(12冊)は年度別・大問別の頻度表がある一方、早稲田・明治・東洋・東京電機は詳細表がなく参考程度。学習院は3冊(2024・2025年度のみ)と最も少なく、特に慎重に扱う必要があります。

全体像|4分類のうち2つは全大学共通、2つが大学差

  • 理論化学・有機化学|分母が明記されているすべての大学で出題が確認され、「出ない」年度・冊子は見当たりませんでした。
  • 無機化学|次いでほぼ全大学で出題対象。ただし単独大問か、理論に混ざる小問かで扱いが割れます。
  • 高分子化合物もっとも大学差・学部差が大きい単元。同じ大学でも日程・方式で正反対になります。

つまり志望校が固まっていない段階でやるべきは、理論化学と有機化学です。理系の併願先の並べ方で迷っているなら、理系志望が主要大学を比べるときの見方もあわせてどうぞ。

1|理論化学は10大学すべてで最頻出。計算の土台

物質量・気体の法則・熱化学・反応速度・化学平衡・酸塩基・酸化還元・電気化学・結晶格子・希薄溶液など、計算中心のサブ分野の集合で、化学の土台にあたります。

  • 青山学院9/9、立教6/6(毎回2題以上)、法政6冊中6冊(毎回2〜3大問)
  • 中央5冊中5冊(小問集合まで含めれば学部別30題中21題)
  • 慶應義塾|医9/9・理工9/9・看護医療9/9・薬12/15
  • 学習院全9大問中11ブロック(分母3冊)、早稲田全トラック3/3、明治理工E枠3/3・農3/3
  • 東洋12本中ほぼ毎回1〜2大問、東京電機マーク式大問で最頻出(定性・参考程度)

熱化学のエンタルピー表記への移行を必ず確認する

熱化学は新課程への移行にともなう表記変更が複数の大学で確認できます。中央は2026年度に燃焼エンタルピー・ΔH表記へ変わり、明治農学部も2026年度から切り替わりました。法政は熱化学・エンタルピーが6冊中3冊で、2026年度から生成エンタルピー表記へ移行。慶應義塾の看護医療学部ではヘスの法則・エントロピーまで踏み込んだ出題があります。旧課程の熱化学方程式で覚えた人ほど符号の向きでつまずきます。志望校の直近の過去問でどちらの表記かを最初に見てください。

気体・中和滴定・結晶格子は複数校で共通の定番

  • 気体|早稲田(理論の必須項目)、中央(理論5冊中3冊が「気体・状態」)、東洋(状態方程式・蒸気圧・分圧・浸透圧が情報連携学部の定番)、東京電機。
  • 化学平衡・酸塩基|青山学院(2026年度理工A方式で酢酸とNaOHの滴定曲線からのpH計算)、法政(酸塩基・滴定が6冊中3冊)、東洋、学習院(二段の中和滴定)。
  • 結晶格子|早稲田が必須項目に挙げ、法政は6冊中3冊。慶應義塾も理工・看護医療・薬で確認され、東京電機は「結晶格子密度の計算は毎年のように出題される」と明記。

結晶格子は公式より単位格子中の原子数の数え方でつまずきます。早い段階で計算パターンを固めてください。なお慶應義塾は4学部とも理論が高頻度ですが、答案の型が学部ごとに違います。医学部は導出過程まで書かせ、理工学部は答のみ。看護医療学部は酵素反応など生物寄りの題材が混ざります。

2|有機化学は構造決定が主戦場。大問位置が固定の大学もある

脂肪族・芳香族の構造決定、官能基の推定、異性体の数え上げ、糖・アミノ酸の性質などを扱い、構造式や示性式を実際に書かせる出題が中心になります。

  • 青山学院9/9、立教6/6(毎回必ず最終大問)、法政5/6(2026年度Ⅰ日程のみなし、ほぼ毎回大問Ⅳ)
  • 中央5冊中3冊(大問として)。小問集合まで含めれば5冊中5冊
  • 慶應義塾|医3/9(毎年必ず1題、位置は変動)・理工3/9(第3問に固定)・看護医療3/9(第3問に固定)・薬3/15(第4問に固定)
  • 学習院全9大問中7ブロック、早稲田理工3/3・教育B方式3/3、明治理工F枠3/3・農3/3(F枠と農は高分子との合算枠、参考程度)
  • 東洋脂肪族+芳香族のセットで高頻度、東京電機頻出(参考程度)

注目したいのは出題位置が読める大学があることです。慶應義塾は理工・看護医療が第3問、薬が第4問に固定。青山学院は全学部日程で大問Ⅰが4年とも有機、理工A方式は大問Ⅲが4年とも有機の構造決定(記述・構造式)で固定です。立教は大問数が4題から3題に変わりましたが、有機が最終大問という配置は6日程を通じて一貫しています。位置が分かる大学は、過去問の段階で「その大問に何分使うか」を決めて練習できます。

数え方にも注意が要ります。中央の有機は大問としては5冊中3冊ですが、学部別選抜のⅠ(マーク小問集合40点)に有機の小問が入るため、含めれば5冊中5冊。「大問として出る頻度」と「出題の有無」は別の問いです。

3|無機化学は「系統分離」と「工業的製法」の2本柱から

典型元素・遷移元素の性質、金属イオンの系統分離、工業的製法(製鉄・ソーダ工業・オストワルト法など)を扱い、計算より反応の暗記量と組み合わせて考える力が問われます。

  • 青山学院8/9、立教4/6(単独大問ではなく必ず理論と融合)、中央5冊中4冊(単独大問として)
  • 法政6冊中6冊。ただし単独大問としては4/6
  • 慶應義塾|医5/9・理工6/9・薬3/15(第1問固定)・看護医療3/9で独立大問は3年間ゼロ(常に理論に断片的に混ざる)
  • 早稲田|教育学部B方式は「比重が非常に高く、毎年」。理工3学部共通は理論との融合大問内で、資料自身が「比重の記載は薄い」と明記(参考程度)
  • 学習院全9大問中4ブロック、明治理工D枠3/3・農3/3(参考程度)

法政の「6冊中6冊」と「単独大問4/6」の差は読み違えやすいところです。硫黄・ハロゲン・系統分離などのいずれかが6冊すべてで言及されるため6/6ですが、無機が大問1つをまるごと占めるのは4/6。残り2冊は理論・有機の大問に小問として入ります。

慶應義塾看護医療学部は逆で、無機の言及3大問はいずれも第1問の一部。無機の細部より理論・有機に時間を置くほうが効率的だと読み取れます。

手をつける順序は、「金属イオンの系統分離」と「工業的製法」からです。中央は2025年度学部別選抜で製鉄、2026年度でソーダ工業。明治理工は硫黄・系統分離が3年で2回。立教は硫黄・銅・鉄・ソルベー法・電解精錬が6日程を通じて登場。青山学院は「工業的製法+系統分離」を優先分野に挙げ、学習院は系統分離と遷移元素が第1問の定番です。この2本柱で無機の出題の多くをカバーできます。

4|電気化学は「計算の比重」がいちばん重いサブ分野

電池(ダニエル電池・鉛蓄電池・燃料電池など)と電気分解(電気量・ファラデー定数・析出量の計算)。理論化学のサブ分野ですが、資料が独立項目として繰り返し言及するほど扱いが大きい分野です。

  • 法政|A方式6冊中4冊。結晶格子(3/6)・化学平衡(3/6)・酸塩基滴定(3/6)を上回り理論の内訳で最多
  • 東京電機|記述式の大問Ⅲ・Ⅳで毎年複数回、15本中7〜8本。電気量・電流・質量変化の計算が毎年のように出るとされ先に固めるべき分野の2位(参考程度)。
  • 青山学院|理工A・B方式の5冊中4冊。「個別日程の実質的な定番テーマ」と資料が明記。
  • 慶應義塾|4学部すべてで優先度が高い分野。医学部は3年とも出題で優先トップ3の1位、薬学部は大問級の扱いで2位、理工は2025・2026年度の大問1で電気分解、看護医療は2026年度大問1で酸化還元・電池。
  • 立教|理論6/6の主戦場の一つとして明記。

中央・学習院・明治・東洋は電気化学だけを取り出した数値がありませんが、軽視してよいのではなく、資料の粒度が理論全体をまとめて扱う段階にとどまっているということです。法政・東京電機はどちらも記述式で計算過程を書かせるため、単位変換を含めた計算練習が要ります。東京電機を受ける人は東京電機大学 傾向と対策もあわせて確認してください。

5|高分子化合物は、単元の中でもっとも大学差が大きい

ここが判断を誤りやすい単元です。「高分子は後回しでよい」という一般論は、大学によって完全に間違いになります。

  • 早稲田(理工3学部共通)3/3。「後回しにできると誤解されがちだが実は頻出」と資料が念押し。
  • 慶應義塾(理工)5/9。合成樹脂と天然高分子の両方。(看護医療)4/9。(医)3/9、(薬)3/15(第5問固定、生体高分子中心)。
  • 青山学院3/9。内訳は全学部日程が4年中3年、理工A・B方式は5冊すべてでゼロ
  • 立教3/6、中央2/5、法政2/6、学習院全9大問中3ブロック、東京電機15本中5本程度。

数字だけでは、合成高分子をどこまでやるべきかは判断できません。天然高分子(糖・アミノ酸・タンパク質・核酸)と合成高分子(合成樹脂・ゴム・繊維)に分けると、偏りがはっきりします。

  • 青山学院|9冊を通じて出ているのは天然高分子だけで、合成高分子は9冊すべてゼロ。全学部日程ではセルロース・マルトース・ペプチドが大問Ⅰの最後の小問として繰り返し出ています。
  • 慶應義塾(医・薬)合成高分子の本格的な出題は3年間で皆無。医学部は核酸・糖が対象で、ナイロン66も重合式1問のみ。薬学部は第5問が毎年、糖・核酸・アミノ酸・脂質という生体高分子です。
  • 立教|対照的に2024・2025年度は3日程連続でナイロン66・ビニロン・付加重合体という合成高分子寄りの題材。
  • 東洋|生命科学部で天然高分子(アミノ酸の等電点、糖の分類、DNAの構造)が手厚く、大問1つを丸ごと使うことも。

中央・法政・学習院・早稲田・明治は内訳の記載がなくデータなしです。いちばん極端なのが青山学院で、同じ理工系学科でも全学部日程か理工A・B方式かで高分子にかける時間配分がまったく変わります。ひとくくりにせず、志望する学部・日程で天然と合成のどちらが問われるかを過去問で確認してください。

6|マーク式か記述式か、そして「化学を選べるか」

同じ構造決定でも、選ぶだけなのか、構造式を手で書き計算過程や理由まで書くのかで練習の中身が変わります。

  • 東洋|全12本すべてマークで記述式は皆無青山学院の全学部日程も全問マークで作図・記述は一切なし(理工A方式は大問Ⅲなどが記述)。
  • 中央(学部別選抜)|Ⅰマーク40点/Ⅱマーク20点/Ⅲ・Ⅳ記述各20点が3年とも同一で、論述は5冊中0冊。共通テスト併用方式は全問記述。
  • 法政|全問記述。計算過程を書かせるのが6冊中6冊、論述と構造式の作図がそれぞれ5冊。
  • 立教|実態は記述主体。論述は毎回1〜3問で1〜7行、「計算過程もしるすこと」の指定も繰り返し。
  • 学習院|全問記述。「計算の過程も書き、有効数字2桁で答える」ことが明示され、理由記述が毎年複数(分母3冊)。
  • 慶應義塾|論述は医が各大問2〜3問・字数無制限、看護医療は50〜75字、薬は15〜50字。理工は論述・導出過程とも3年間ゼロ
  • 早稲田|理工は構造式・化学反応式と有効数字指定の計算が毎年、教育B方式は全問記述。東京電機は大問Ⅰ・Ⅱがマーク、Ⅲ・Ⅳが記述(参考程度)。

単元の前に、募集要項での確認も要ります。明治の理工学部は物理3題(A・B・C)+化学3題(D・E・F)の計6題から3題を選ぶ方式で、4題以上解答するとすべて無効。化学側はD=無機3/3、E=理論3/3、F=有機・高分子3/3と役割が固定で、1題約26分の中ではEは計算が重いためDかFが時間効率がよいとされます。中央の共通テスト併用方式も当日、理科9題から3題を選び、4題以上で理科全体が無効です。慶應義塾は医が理科2科目選択、理工は物理と化学が両方必須、看護医療は数学・化学・生物から1科目、薬は化学のみで物理・生物では受験できません。各大学の全体像は大学別 傾向と対策まとめ、共通テストの得点の使い方は共通テスト利用入試の使い方にまとめてあります。

7|着手の優先順位を4ステップで決める

  1. 理論化学と有機化学を先に固める。理論は気体・中和滴定とpH計算・結晶格子から、有機は構造決定から入ります。
  2. 熱化学の表記を確認する。志望校の過去問が熱化学方程式かエンタルピー・ΔH表記かを見ます。中央・明治農・法政は2026年度から移行しています。
  3. 学部・方式まで決まったら、無機・電気化学・高分子の配分を調整する。無機は系統分離と工業的製法から。電気化学は法政・東京電機・青山学院理工A/B方式・慶應の4学部なら優先的に。高分子は天然と合成のどちらが出ているかを確認します。
  4. 解答形式に合わせて答案の練習を変える。記述型の大学では、答えが合っていても過程を書けていない答案は点になりません。

ここに挙げた数字はあくまで時間配分を判断するための出発点です。志望校の直近数年分の過去問を自分の手で解き、この傾向が自分の受ける年度・方式にも当てはまるかを確認してください。

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