小論文の練習は、いきなり長い文章を書くことからではなく、志望校の「出題の形」を知ることから始めます。そのうえで、高2の冬休みから春休みまでの12週で「型を覚える→400字→60分で1本」と段階を上げていくのが無理のない進め方です。
2027年度の公式の要項を見ると、形はさまざまです。二松学舎大学 文学部は60分・100点で、当日テーマが出る型と課題文を読む型に分かれ、東洋大学の基礎学力テスト型は400字以内の事前課題をネット出願時に入力します。
この記事では、こうした公式の形式例をもとに、高2の冬から始める12週の練習メニュー、1回分の練習の手順、添削で見るべき点をまとめます。
1. 基本情報(この記事で使う公式の形式例)
| 大学・方式(2027年度) | 小論文の形 |
|---|---|
| 二松学舎大学 文学部 総合型選抜Ⅱ期(テーマ型小論文) | 60分・100点。試験当日に与えられたテーマについて自分の考えをまとめる。面接50点 |
| 二松学舎大学 文学部 総合型選抜Ⅰ期・Ⅲ期(文章読解型小論文) | 60分・100点。当日の課題文を読み、問いに答えたうえで自分の考えをまとめる。面接50点 |
| 二松学舎大学 国際政治経済学部 総合型選抜Ⅲ期(課題解決型) | 模擬講義45分のあと、確認テスト・課題解決レポート45分(100点)。講義のメモは持ち込み可 |
| 東洋大学 総合型選抜 基礎学力テスト型 | 事前課題小論文 400字以内。ネット出願時にシステムへ直接入力 |
今年度(2026年11月7日時点)もまだ出願できる回があります。高3の人は要項で条件を確認してください。
- 二松学舎大学 文学部Ⅱ期(テーマ型小論文):出願期間 11月1日〜11月12日、試験 11月22日、合格発表 12月1日
- 二松学舎大学 文学部Ⅲ期(文章読解型小論文・書道実技型)・国際政治経済学部Ⅲ期(課題解決型):出願期間 11月16日〜12月7日、試験 12月13日、合格発表 12月21日
東洋大学の基礎学力テスト型と二松学舎大学 文学部Ⅰ期は2027年度の出願が締め切られているので、来年度受ける高1・高2生向けの目安です。
2. 小論文の形は大きく4つ
公式の要項に書かれた形を整理すると、練習で区別しておきたいのは次の4つです。
- テーマ型:短いテーマや問いだけが示される。二松学舎大学 文学部Ⅱ期の評価の観点は「具体的な根拠に基づく論理的な説明によって、明確な主張がなされているか」です。
- 課題文型:文章を読み、要約や内容の問いに答えてから意見を書く。二松学舎大学 文学部の文章読解型では「読解力、論理性、表現能力」を問うとされています。
- 講義・資料型:講義や資料から情報を整理して答える。二松学舎大学 国際政治経済学部Ⅲ期は模擬講義を受けてからレポートを書く形です。グラフや表を読む形の解き方は資料・グラフ読み取り型の解き方にまとめています。
- 事前課題型:出願前に家で書いて提出する。東洋大学の基礎学力テスト型は、建学の精神から1つを選んで冒頭に書き、その理解と東洋大学での学びへの考えを、自分の経験と結びつけて400字以内で述べる課題です。書き方は東洋大学 基礎学力テスト型の事前課題小論文400字の書き方で詳しく扱っています。
同じ「小論文」でも、当日60分で書くのか、家で400字を練り上げるのかで練習の中身は変わります。まず志望校候補の要項で「時間・字数・課題文の有無」の3点を確認するのが最初の一歩です。
3. 練習を始める前の準備(1週目にやること)
- 志望校候補を2〜3校書き出し、小論文の形を表にする:試験時間、字数、テーマ型か課題文型か、面接があるか。
- 原稿用紙の使い方を確認する:段落の始めは1字下げ、句読点やかっこの扱い、数字の書き方。
- 「型」を1つ決める:「主張→理由→具体例→反対意見への答え→結論」の5段落。型の詳しい説明は総合型選抜の小論文の書き方|受かる構成を見てください。
- ノートを1冊用意する:書いた答案、先生のコメント、自分で直した版を同じページに並べて残します。
4. 高2の冬から12週の進め方
12月中旬に始めると、12週でちょうど3月上旬、高3になる前に1サイクルが終わります。学年末テストの週は軽めにしてかまいません。
| 週 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 志望校候補の小論文の形を表にする。型(5段落)を覚える |
| 2週目 | 新聞のコラムや社説を1日1本読み、筆者の主張を1文でまとめる |
| 3週目 | テーマ型で200字。主張と理由だけを書く練習 |
| 4週目 | テーマ型で400字。具体例を1つ入れる。時間は気にしない |
| 5週目 | 課題文型の練習開始。課題文を100字で要約する |
| 6週目 | 課題文型で「要約+意見」400字 |
| 7週目 | 志望学部の系統のテーマを3つ選び、賛成・反対の理由を箇条書きで用意する |
| 8週目 | テーマ型で600字。反対意見への答えを1段落入れる |
| 9週目 | 60分を計って1本書く(テーマ型)。構想10分・執筆45分・見直し5分 |
| 10週目 | 60分を計って1本書く(課題文型)。9週目の答案を書き直す |
| 11週目 | 資料・グラフ型を1本。数字を読み取って主張の根拠にする |
| 12週目 | これまでの答案から2本を選び、清書し直す。書いた内容を面接で話せるか声に出して確認 |
週に1本書いて、1回は直す、というペースで十分です。冬から春までの推薦準備全体の流れは高2の冬から始める総合型選抜・学校推薦型選抜の準備で月ごとに整理しています。
5. 1回分の練習の手順(60分の場合)
- 問いに線を引く(2分):何について、何を答えるのかを確認します。課題文型なら「要約せよ」「筆者の考えをふまえて」などの指示も拾います。
- メモを作る(8分):主張を1文で決め、理由2つ、具体例1つ、予想される反対意見を書き出します。
- 書く(45分):型にそって段落を分けます。途中で主張を変えないこと。
- 見直す(5分):誤字、文末のそろい(だ・である調)、問いに答えているかを確認します。
400字の事前課題なら、時間制限はない代わりに1文ずつの中身の濃さが見られます。下書きを書いたら、「この1文を消しても意味が通じるか」を確かめて削ると、字数の中に経験と学びの両方が入ります。
6. 添削で見るべき点(チェックリスト)
- 問いに正面から答えているか(聞かれていないことを書いていないか)
- 主張が冒頭と結論で一致しているか
- 理由に具体例や根拠があるか(「〜と思う」だけになっていないか)
- 反対意見を1つ取り上げ、それに答えているか
- 課題文型の場合、筆者の考えと自分の考えを区別して書いているか
- 指定字数の9割以上を書いているか、超えていないか
- 話し言葉(「なので」「〜じゃない」など)が混ざっていないか
自分で読み直すだけでは気づきにくいので、学校の先生や塾で第三者に読んでもらい、指摘されたところを自分で書き直すところまでを1回の練習にします。
7. 書く材料の集め方
小論文は書き方だけでなく、書く材料(知識と具体例)が必要です。志望学部の系統で出やすいテーマを決めて、ニュースや本で少しずつ集めておきます。系統別のテーマは小論文の頻出テーマを学部系統別にを参考にしてください。
- 新聞やニュースサイトで、志望分野に関わる記事を週2本読み、要点を3行でノートにまとめる
- 学校の探究活動や部活動で考えたことを、具体例として使える形(いつ・何をして・何に気づいたか)で書いておく
- 志望学部の授業紹介を読み、その分野でよく使われる言葉を確認する
東洋大学の事前課題のように自分の経験と結びつけることを求める課題もあるので、経験のメモは志望理由書と小論文の両方で使えます。
8. よくある質問
Q. 高2の冬から始めるのは早すぎませんか?
早すぎることはありません。2027年度の例では、二松学舎大学 文学部Ⅰ期の試験が10月、東洋大学の基礎学力テスト型の出願が10月末〜11月上旬でした。高3の夏は志望理由書や面接の準備も重なるので、型と基本の練習を高2のうちに済ませておくと楽になります。
Q. 字数が要項に書いていない場合はどう練習しますか?
二松学舎大学の要項では、小論文の試験時間と配点は書かれていますが、字数は書かれていませんでした。この場合は、試験時間に合わせて「60分で600〜800字を書き切る」ことを目標にし、大学が過去の問題を公開していれば形式を確かめます。
Q. 小論文と面接は関係ありますか?
二松学舎大学 国際政治経済学部Ⅲ期の面接には、課題解決レポートの内容についての質疑が一部含まれます。書いた内容を口で説明できるようにしておくと、面接や口頭試問にもつながります。口頭試問とは?面接との違いと学部別の準備もあわせて読んでください。
Q. 小論文のほかに冬にやっておくことは?
出願資格に使える検定を1つ取っておくと、出願先の選択肢が広がります。英検以外の例は英検以外で推薦・総合型に使える資格・検定は?にまとめています。
あわせて読みたい
- 総合型選抜の小論文の書き方|受かる構成
- 小論文の頻出テーマを学部系統別に
- 総合型選抜・学校推薦型選抜の小論文、資料・グラフ読み取り型の解き方
- 東洋大学 基礎学力テスト型入試の事前課題小論文400字の書き方
- 総合型選抜・推薦の1年間のスケジュール
- 英検以外で推薦・総合型に使える資格・検定は?2027年度の要項の例
参考にした公式情報
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
EMiL個別について
EMiL個別は、総合型選抜・学校推薦型選抜を専門にした1対1の個別指導塾です。EIMEI予備校の鶴瀬・ふじみ野・川越の校舎とオンラインで受講できます。志望理由書に書くことを見つけるところから、小論文・面接の練習、評定や英検の対策まで、一人ひとりの志望校に合わせて一緒に準備します。
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