私大一般選抜の受験校数は、「何校」から決めるのではなく、「挑戦・実力相応・安全の3つの層に何回ずつ受験機会を置くか」から決めると組みやすくなります。そのうえで、試験が続く日数と、入学金の締切と合格発表の順番を確かめます。
2027年度の例では、明治大学の全学部統一入試が2月5日(金)、東洋大学の一般入試前期が2月8日(月)〜11日(木)、東京電機大学の一般選抜前期が2月1日(月)〜5日(金)です。東京電機大学の前期は2月12日発表・入学金の締切2月19日で、明治大学の学部別入試のうち文・法・農・商・総合数理の5学部の合格発表より先に来ます。
この記事では、校数の考え方、日程の詰め方の目安、検定料の併願割引、入学金の締切の確認のしかたを、大学の公式資料で確認した例とあわせて整理します。
1. 基本の考え方(3つの層)
| 層 | 考え方 |
|---|---|
| 挑戦校 | 過去問で合格ラインにまだ届いていないが、本番までに届く見込みがある大学 |
| 実力相応校 | 過去問で合格ライン前後の点が取れている大学 |
| 安全校 | 過去問で合格ラインを安定して超えている大学。ここで1つ以上の合格を確保できるようにする |
「平均何校受けるか」という数字は、人によって条件が違いすぎるので目安になりません。大事なのは安全校で合格を確保したうえで、挑戦校に何回挑めるかです。
層は模試の判定だけで決めず、その大学の過去問を時間を計って解いた点で決めます。合格最低点を公表している大学なら、その点と比べてください。併願校の候補の出し方は併願校の決め方で詳しく書いています。
2. 「校数」より「受験機会の数」で数える
同じ大学でも、試験日を複数選べる大学は1校で何回も受けられます。
- 東京電機大学:一般選抜前期は2月1日〜5日の5日間から自由に選べ、1日につき最大4学科・学系まで受験できます
- 東洋大学:一般入試前期は2月8日〜11日の4日間。学部によっては同じ学科を何日も受けられます
- 明治大学:全学部統一入試は2月5日の1日で、複数学部に出願できます。学部別入試は学部ごとに試験日が1日ずつ決まっています
このため「3校受ける」と言っても、実際の受験日は3日のこともあれば8日以上になることもあります。受ける大学の数と、試験を受ける日の数を分けて数えるのが計画の第一歩です。
日東駒専のように日程で問題が変わる大学の日付の選び方は日東駒専の日程選びを見てください。
3. 1日あたり・連続日数の目安
ここからは統計ではなく、計画を立てるときの目安です。
- 1日に受けるのは1つの試験会場まで。同じ日に午前と午後で別の大学を回る計画は、移動の遅れが1回あるだけで崩れます
- 連続は3日までにして、間に1日空ける。試験の翌日に、間違えた問題の見直しと次の大学の過去問の確認をする日を置きます
- 第1志望の前日は空ける。前日に他大学を受けると、疲れを持ち越したまま本命の日を迎えます
- 最初の受験日は、安全校か実力相応校。会場の雰囲気に慣れる日として使います
2月の前半は、2月1日〜5日に東京電機大学の前期、2月5日に明治大学の全学部統一、2月7日から明治大学の学部別、2月8日〜11日に東洋大学の前期と、試験日が続きます。カレンダーに書き出すと、空けたい日がどこか見えてきます。日程の組み方は私大入試の日程の組み方で詳しく整理しています。
4. 検定料の併願割引の仕組み
多くの大学には、同じ大学で複数出願すると2つ目以降の検定料が下がる割引があります。ただし、どの範囲の併願が割引になるかは大学ごとに違います。2027年度の公式資料で確認した例です(明治大学は入試ガイドに載った予定で、2026年11月上旬公開予定の一般選抜要項で確定します)。
| 大学・方式 | 2027年度の入学検定料 |
|---|---|
| 明治大学 全学部統一入試 | 1学部・1方式35,000円。2学部目・2方式目以降は1つにつき20,000円 |
| 明治大学 学部別入試 | 1学部・1方式35,000円。同じ学部内の2方式目以降は20,000円 |
| 東洋大学 一般入試 | 同じ試験日の併願は2出願まで一律35,000円、3出願目以降は1出願につき20,000円 |
| 東京電機大学 一般選抜前期 | 1出願33,000円、2出願50,000円、3出願60,000円、4出願70,000円、5出願80,000円 |
割引になる範囲の違いは次のとおりです。
- 明治大学の学部別入試は、別の学部を受けると割引になりません(割引は同じ学部内の複数方式)
- 東洋大学は、割引が同じ試験日の併願に限られます。別の日に受けると、それぞれ通常の検定料です
- 東京電機大学は、2月1日〜5日の日程の中なら、日をまたいでも出願数を合算します。「1出願」は1日に1つの学科・学系への出願です
同じ回数を受けるなら、割引が使える組み方の方が検定料を抑えられます。ただし、検定料のために受ける日を変えるのは、日程の負担が増えない範囲でにしてください。
5. 入学金の締切と合格発表の順番
校数を決めるときにいちばん見落としやすいのが、安全校の入学金の締切が、挑戦校の合格発表より先に来るかどうかです。2027年度の例を並べます。
| 大学・方式 | 合格発表と入学手続締切 |
|---|---|
| 東京電機大学 一般選抜前期 | 発表2月12日(金)/入学金2月19日(金)、授業料等3月3日(水) |
| 明治大学 全学部統一入試 | 発表2月12日〜17日(学部で異なる)/手続締切2月18日〜3月5日 |
| 東洋大学 一般入試前期 | 発表2月20日(土)/手続締切2月26日(金) |
| 明治大学 学部別入試 法学部 | 発表2月21日(日)/手続締切3月3日(水) |
| 明治大学 学部別入試 商学部 | 発表2月24日(水)/手続締切3月4日(木) |
たとえば東京電機大学を安全校にして、明治大学の学部別入試(法学部)を挑戦校にした場合、東京電機大学の入学金の締切(2月19日)は、明治大学法学部の発表(2月21日)より前です。明治大学の結果を待ってから決めることはできないので、入学金を納めるかどうかを先に決めることになります。
大学によっては、入学金だけ先に納め、授業料などを後から納める仕組みがあります。
- 東京電機大学:第1次(入学金)と第2次(授業料等)に分かれます。国公立大学の一般選抜を受ける人は、申請により授業料等を3月25日(木)まで延納できます(入学金は延納不可)
- 明治大学:一括納入と延納の2通りがあり、延納では締切日までに入学金だけを納め、3月25日(木)までに残りの春学期学費などを納めます。学部別入試の追加(補欠)合格者は延納手続を使えません
返還の条件や延納できない入試区分は大学ごとに違います。受ける大学すべての「発表日」と「入学手続締切」を1枚の表に並べ、どの順に来るかを出願前に確かめてください。
6. 校数を決める手順
- 第1志望を決める:試験日と発表日を書き出します
- 安全校を1校以上決める:過去問で合格ラインを安定して超えている大学から。できれば試験日を2回以上取れる大学にします
- 実力相応校を置く:安全校と挑戦校の間を埋めます
- 挑戦校を、空いている日に入れる:連続日数と第1志望の前日の空きを崩さない範囲で
- 共通テスト利用の出願を決める:東洋大学・東京電機大学の共通テスト利用前期は、どちらも共通テスト本番(1月16日・17日)より前の1月15日(金)に出願が締め切られます
- 発表日と入学金の締切を並べて最終確認:安全校の入学金をいつ、いくら納める必要があるかを家族と共有します
出願校をいつまでに確定させるかは出願校をいつ確定させるか、出願期間の一覧は私大一般選抜の出願はいつから?で確認できます。
7. 出願前のチェックリスト
- 挑戦・実力相応・安全の層を、過去問の点で分けたか
- 安全校で、合格の見込みが高い受験機会を1回以上置いたか
- 大学の数ではなく、試験を受ける日の数を数えたか
- 連続して受ける日数と、第1志望の前日の空き(3章の目安)を確認したか
- 検定料の併願割引が、同じ日・同じ学部・同じ日程期間のどれに適用されるか確認したか
- 安全校の入学金の締切が、挑戦校の発表より前か後か確認したか
- 出願期間(インターネット登録・支払い・書類の郵送)を大学ごとにカレンダーに入れたか
8. よくある質問
Q. 受ける大学は多いほど安心ですか?
受験機会が増えるほど、過去問の準備と体力の配分が薄くなります。安全校で合格を確保できる見込みが立ったら、残りの日は第1志望と挑戦校の準備に回す方が点につながりやすくなります。
Q. 1校で何日も受けるのと、別々の大学を受けるのはどちらがいいですか?
同じ大学を複数日受けると、出題の形式に慣れたまま受けられ、検定料の割引が使える大学もあります。一方で、その大学の合格発表が1日なので、結果が出るまでの間に他の層の大学を入れておくと安心です。
Q. 入学金はどのくらい必要ですか?
金額は大学・学部ごとに違うので、各大学の要項の納付金のページで確認してください。締切の日付とあわせて、出願前に家族と確認しておきましょう。
参考にした公式情報
- 2027年度入試ガイド 入学試験(明治大学)
- 2027年度 入学試験要項(大学入学共通テスト利用入試・一般入試・多面的評価入試)(東洋大学)
- 2027年度 入学者選抜要項(一般選抜・大学入学共通テスト利用選抜)(東京電機大学)
- 一般選抜(前期)(東京電機大学)
- 大学入学共通テスト利用選抜(前期)(東京電機大学)
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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