この記事は、総合型選抜や学校推薦型選抜の出願資格に「英検準1級以上」「CSEスコア1950以上」といった英語資格の条件を見つけて、どう読めばいいか迷っている高校生と保護者の方に向けて書いています。とくに、これから英検の受験計画を立てる高1・高2の人に読んでほしい内容です。
英語資格の条件は、「級」で書かれている大学と「スコア」で書かれている大学があり、同じ英検でも満たせるかどうかの判断が変わります。ここでは、英検を実施する日本英語検定協会の公式情報でCSEスコアのしくみを確認したうえで、2027年度の要項で確認した大学の例を5つ取り上げ、条件の読み方を説明します。
英検CSEスコアとは何か
英検CSEスコアは、英語力を共通の尺度(CSE)で表したスコアです。日本英語検定協会の説明では、成績表には合否とあわせてCSEスコアが表示され、技能別のスコアも出ます。合否の判定は、一次試験がリーディング・リスニング・ライティングの合計スコア、二次試験がスピーキングのスコアで行われ、各級の合格基準スコアは回によって変わらないしくみです。
協会が公表している合格基準スコアを、一次と二次の合計で並べると次のようになります。
| 級 | 合格基準スコア(一次+二次=4技能の合計) |
|---|---|
| 準2級 | 1322+406=1728 |
| 準2級プラス | 1402+427=1829 |
| 2級 | 1520+460=1980 |
| 準1級 | 1792+512=2304 |
| 1級 | 2028+602=2630 |
また、CSEスコアはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)と対応しています。協会の表では、4技能の総合スコアでA2が1700から、B1が1950から、B2が2300から、C1が2600からです。ただし、CEFRのレベルは受けた級ごとに算出できる範囲が決まっています。受けた級の範囲を外れたレベルは成績表に表示されないので、どの級を受ければどのレベルまで出るかは協会のページで確認してください。
このあと取り上げる早稲田大学社会科学部の1,950と立教大学経営学部の2,300は、ちょうどB1とB2の入口の数字です。スコアで書かれた条件を見たら、この表と照らし合わせると意味がつかみやすくなります。
出願資格の書き方は「級」か「スコア」か
実際の要項では、英検の条件は大きく3つの書き方に分かれます。2027年度の要項で確認できた例を挙げます。
級で指定している例
明治大学 国際日本学部 自己推薦特別入学試験は、出願資格・条件の1つとして英語資格・検定試験の基準を満たすことを求めており、英検は従来型・S-CBT・S-Interviewのいずれも準1級以上が基準です。2024年9月10日以降に受験したもので、提出締切までに証明書類を出せる1種類1回のスコアが有効とされています。CSEスコア証明書やデジタル証明書も提出できると書かれています。
青山学院大学 文学部英米文学科 自己推薦(英語資格取得者対象)も、英検は準1級以上の合格が条件で、従来型のほか英検S-CBTや英検S-Interviewなども有効とされています。合格証明書にCSEスコアの記載がない場合は、合格証明書と英検CSEスコア証明書を1部ずつ提出するよう指示があります。
級で指定されている場合は、その級に合格していることが条件です。スコアが高くても、合格していなければ条件を満たしません。
スコアで指定している例
早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入試は、英語4技能テストの基準の1つとして英検のCSEスコア1,950以上を挙げています。要項では、従来型・S-CBTのスピーキングを含む4技能の総合スコアで判断し、級や合否の指定はないことが明記されています。出願期間以前に取得したスコアが対象です。
立教大学 経営学部 自由選抜入試(方式B)は、2027年度の出願資格の変更予告で、英検の基準を2,300点以上としています。成績は4技能のスコアのみ有効で、出願期間初日から遡って2年以内に受験したものが有効とされています。予告文書には、詳細は入試ガイドと入試要項で必ず確認するよう書かれています。
スコアで指定されている場合は、合格したかどうかではなく、4技能の合計が基準に届いているかが問われます。早稲田大学社会科学部の1,950は、2級の合格基準(1980)より少し低い数字です。2級に合格していなくても、4技能の合計が1,950以上なら条件を満たすことになります。反対に、立教大学経営学部の2,300は準1級の合格基準(2304)とほぼ同じ高さで、CEFRのB2の入口にあたります。
最低基準を置いていない例
法政大学 グローバル教養学部(GIS)総合型選抜 自己推薦入試A基準の2027年度の案内では、英語の試験として英検、TOEFL iBT、IELTSが認められ、最低スコアの基準はないと書かれています。英検は不合格でも提出できると案内されています。この場合、英語資格は「出願できるかどうかの線」ではなく、提出した書類の一部として総合的に判断される材料になります。
立教大学のQ&Aにある「二次試験」の注意
立教大学の2027年度特別入試のQ&Aには、英検を使うときの注意がまとまっています。英検は級の合格・不合格にかかわらず、出願資格の条件を満たしていれば利用できると説明されています。一方で、従来型やS-Interviewの場合は二次試験を受けていることが必要で、一次試験の3技能だけでは利用できないことも書かれています。
「4技能のスコアのみ有効」と書かれている大学では、一次試験で不合格になり二次試験を受けていない回のスコアは使えない、ということです。スコアで条件を満たしたい人は、受験した回が4技能そろっているかを確認してください。
要項を読むときのチェックリスト
英語資格の条件を読むときは、次の順番で確かめると見落としが減ります。
- 級で指定か、スコアで指定か。級なら合格が必要、スコアなら4技能の合計が基準に届いているかを見る
- 4技能がそろっている必要があるか。一次試験だけの成績が使えるかどうか
- いつ受けた成績が有効か。明治大学国際日本学部の「2024年9月10日以降」、立教大学経営学部の「出願期間初日から遡って2年以内」のように、大学ごとに違う
- 受験方式の扱い。従来型、S-CBT、S-Interviewなど、どの方式が認められているか
- 提出する証明書の種類。合格証明書か、英検CSEスコア証明書か、デジタル証明書でよいか
- ほかの条件。英語資格のほかに評定や活動実績の条件がないか
証明書について、日本英語検定協会の案内では、合格証明書は合格者のみに発行され、英検CSEスコア証明書は合否にかかわらず受験したスコアを証明するもので有料と説明されています。どの証明書を出すかは学校の募集要項で確認するよう案内されているので、出願直前に慌てて申し込むことがないよう、早めに必要な書類を決めておきましょう。協会は、成績に登録された氏名(カナ)と生年月日が正しいかを確認しておくことも呼びかけています。
「英検以外」も含めて見ておく
この記事で取り上げた入試は、どれも英検以外の試験も選べるようになっています。早稲田大学社会科学部ではGTEC CBT、IELTS、TEAP、TOEFL iBT、TOEIC L&R/S&Wも基準が示されていますし、明治大学国際日本学部や青山学院大学英米文学科も複数の試験から選べます。ただし、試験ごとに対象外の形式が細かく決められています。たとえば早稲田大学社会科学部の要項では、自宅などから受ける形式の試験は無効とされています。英検以外を使う場合も、形式まで確認してください。
英検をいつまでに、どの級まで取ればいいかの考え方は、英検はいつまでに、どの水準でで詳しく書いています。
高1・高2の英検の計画の立て方
総合型選抜の出願は、文部科学省の実施要項で高3の9月1日以降とされています。実際には、明治大学国際日本学部の第一次選考の出願期間が2026年9月7日〜9月10日、早稲田大学社会科学部が9月25日〜10月1日でした。証明書の準備も考えると、出願資格に使う成績は高3の夏までに取り終えておくのが現実的です。
そのうえで、有効期間の条件にも気をつけます。立教大学経営学部のように「出願期間初日から遡って2年以内」とされている場合、高1の早い時期に取った成績は使えない可能性があります。高2から高3の夏にかけて受けた成績を出願に使うつもりで計画を立てると、多くの条件に対応しやすくなります。
目標にする数字は、志望校の今年度の要項で決めてください。たとえばCSE1,950が条件の入試を考えているなら、2級に挑戦してスコアの伸びを見るのが一つの目安になりますし、準1級が条件なら、まず2級に合格してから準1級に進む計画になります。英検の実施日程は日本英語検定協会のサイトで確認できます。
英語資格は、評定が出願基準に届かないときの選択肢を広げることにもつながります。この考え方は評定が出願基準に足りないときの選択肢で書いています。
高3の人へ
今日(11月2日)の時点で、この記事で例に挙げた入試の多くは出願期間を過ぎています。これから学校推薦型選抜や一般選抜で英語資格を使う予定がある人は、出願に使う成績と証明書がそろっているかを、もう一度確認してください。日本英語検定協会は、登録された生年月日に誤りがあると受験が認められない可能性があると案内しているので、気になる点があれば早めに協会に問い合わせましょう。出願資格全体の読み方は募集要項の出願資格の読み方が参考になります。
参考にした公式情報
- 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」
- 日本英語検定協会「英検CSEスコアでの合否判定方法について」
- 日本英語検定協会「英検成績を入試で利用される際の確認事項」
- 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」
- 明治大学「2027年度 国際日本学部 自己推薦特別入学試験要項」
- 青山学院大学「2027年度 自己推薦入学者選抜要項 文学部英米文学科」
- 早稲田大学 社会科学部「2027年度 全国自己推薦入学試験 入学試験要項」
- 立教大学「2027年度自由選抜入試【経営学部】出願資格の変更について(予告)」
- 立教大学「2027年度特別入試についてのQ&A」
- 法政大学GIS「2027年度総合型選抜 自己推薦入試A基準 まもなく出願開始」
入試の内容は変更されることがあります。出願前に必ず大学の公式発表を確認してください。
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