【2027年共通テスト予想】世界史探究はこう出る|「暗記」より資料読解と比較で差がつく理由を専門塾が解説

「世界史は結局、用語をどれだけ覚えたかで決まる」——そう思っていませんか。たしかに昔の入試ならそれで戦えました。ですが、共通テストの『歴史総合,世界史探究』は、もうその常識が通用しない試験に変わっています。一問一答を何周もしたのに模試で点が取れない、という声を毎年本当によく聞きます。

この記事では、大学入試センターが公表したR8本試験の報告書(問題作成部会の見解)を一次資料として、2027年(令和9年度)共通テスト『歴史総合,世界史探究』がどう出るのかを、10年間受験生を指導してきた立場から予想・解説します。何を、どの順番で対策すれば夏を無駄にせずに済むのか。落ちる子・受かる子の分かれ道まで踏み込みますので、ぜひ参考にしてください。

※本記事はR8本試験の報告書と過去問に基づく予想であり、実際の出題を保証するものではありません。最新の出題範囲・要項は必ず大学入試センターの公表資料でご確認ください。

なぜ世界史探究は「暗記だけ」では戦えなくなったのか

報告書を読み込むと、作問者が何を測ろうとしているかがはっきり書かれています。軸になっているのは「教科書に載っていない資料から探究的に読み取り、世界史の大きな枠組みの中に位置付ける思考」です。実際R8本試験では、唐の律令をめぐる偽判文、中世ヨーロッパの慣習法、アフリカ植民地化に関する法廷記録と地図、ピカソの『ゲルニカ』、カザフスタンの女性兵士像とソ連期の人口推移グラフ……と、教科書には絶対に載っていない初見資料が次々に登場しました。

大事なのは、これが「資料を読ませて終わり」ではないという点です。報告書には、資料の読み取りだけで正答できてしまった設問を「反省点」として挙げる記述があります。つまり本命は、初見資料から読み取った情報と、授業で学んだ既習知識を“つなぐ”問題です。資料が読めるだけでも、用語を覚えているだけでも解けない。両方を往復できる子だけが得点できる。ここが、暗記型の勉強では歯が立たなくなった理由です。

世界史探究で高得点を取るための3つの力

では、具体的に何を鍛えればいいのか。報告書から読み取れる出題の狙いを、受験生が磨くべき3つの力に整理しました。

① 初見資料を「既習知識とつなぐ」力

これが最重要です。地図・史料・図像・グラフが出ても手が止まらず、「この史料は、授業で習ったあの制度・あの時代の話だな」と結びつけられるか。逆に言えば、通史の骨組みが頭に入っていないと、そもそも“つなぐ先”がないので資料が読めません。土台としての通史理解が、資料問題を解く前提条件になります。

② 時代・地域を横断して「比較する」力

R8本試験の大問テーマは「世界史上の様々な法のあり方」「様々な『帝国』のあり方」「税制度と社会変容」。いずれも時代・地域を横断する概念テーマでした。ローマ帝国・ムガル帝国・スペイン帝国を並べて共通点と相違点を考えさせる、明清・オスマン・GATTを「税と社会」でつなぐ——この横断比較が世界史探究の主戦場です。年号を縦に暗記するだけでは、この横串にまったく対応できません。

③ 資料の「立場・視点」に気づく力

R8本試験で私が最も注目したのが、アメリカ帝国主義を「我らのアメリカ」という立場から考えさせた設問です。報告書でも「立場性に着目させた優れた出題」と評価されています。同じ史料でも、誰の視点で書かれたかで意味が変わる。この「歴史叙述の視点」を問う流れは、2027年にさらに強まると予想されます。

2027年 共通テスト世界史探究 大問別予想

以上を踏まえ、大問構成を予想します。

【2027年の予想|第1問】R8本試験同様、「歴史総合」との共通問題になる可能性が高いでしょう。近代化・国際秩序・グローバル化のいずれかをテーマに、複数資料の読み取りが軸になります。世界史選択者でも歴史総合の視点を疎かにできません。

【2027年の予想|第2〜4問】「法」「帝国」に続く概念テーマとして、「交易・ネットワーク」「宗教と国家」「文字・記録と権力」あたりが本命と見ています。地図・図像・統計・初見史料を素材に、共通点と相違点を比較させる組合せ問題が中心になるでしょう。スーフィズムやウパニシャッド哲学のように、頻出分野から少しずらした知識も問われるので、教科書のコラム・脚注まで読む習慣が効いてきます。

【2027年の予想|第5問】最終大問は、班別学習・探究活動を想定した「まとめ問題」。資料を抽象化し、事例を類型化する二段階の思考が求められます。正答率55%前後の勝負どころになりやすく、上位層とそれ以外がくっきり分かれる大問です。

落ちる子・受かる子の分かれ道と、具体的な勉強法

毎年見ていて痛感するのですが、世界史で伸び悩む子には共通点があります。一問一答を何周もして「用語は覚えた」と満足し、初見資料の前でフリーズしてしまう。逆に受かる子は、教科書を“横に”読みます。「この制度、他の地域だとどうなってる?」「この史料は誰が何のために書いた?」と問いを立てながら学ぶので、初見資料でも既習の枠組みに落とし込んで読める。差がつくのは記憶量ではなく、この“問いを立てる読み方”です。

そしてもう一つ、見落とされがちなのが「通史が終わるのが遅い」問題です。公立高校では世界史の通史が高3秋までかかることも珍しくありません。この点については公立高校で通史が高3秋まで終わらない問題への対処法はこちらの記事をご覧ください。学校のペースを待たず、社会の先取り学習の進め方はこちらの記事を参考に、夏のうちに通史を一周しておくことが、資料問題を解く土台になります。夏全体の計画づくりは夏休みの勉強計画の立て方はこちらの記事で解説しています。

EIMEI予備校の世界史対策|「読める力」を自学力で育てる

EIMEI予備校が大切にしているのは「正しいやり方と正しい量で逆転合格」という考え方です。才能ではありません。世界史探究のような資料読解型の試験こそ、やり方の差がそのまま点差になります。当校では通史のインプットを最短で終わらせたうえで、地図・史料・グラフを既習知識とつなぐ演習に時間を割きます。365日開放の自習室、毎朝8時からの朝勉、そして「わかったつもり」を潰すコーチング面談で、一人では続かない自学を仕組みで支えます。文系は社会で差がつく理由はこちらの記事でも書きましたが、英語・国語で差がつきにくくなった今、社会の完成度が合否を分けます。

なお、世界史探究の選択者は歴史総合とセットでの対策が必須です。歴史総合の2027年出題予想はこちらの記事もあわせてご覧ください。

世界史の勉強法や、通史をいつまでに終わらせるべきか不安な方は、ぜひ一度EIMEIの無料個別相談にお越しください。今の学習状況をお聞きしたうえで、コーチング面談を通じて一人ひとりに合った学習計画をご提案します。鶴瀬・ふじみ野・川越の各校舎でお待ちしています。

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この記事を書いた人

二神大輝