努力は夢中に勝てない

イチロー選手の有名な言葉に、
「努力は夢中に勝てない」
というものがあります。

先日、個別過去問演習の授業中。
ある生徒と英文を読み進めているときに、こんな場面がありました。

「ここの”They”ってなんだろうね?」

文章はかなり難解。
素直に読んでも主語(theyを指す名詞)がどこにあるのか全然見えてこない。

でも、前後の文脈を丁寧に追いかけながら、
名詞のニュアンスの違い、
“もしこの単語を主語としたら起こる矛盾”
そういった細かな手がかりを一つずつ積み重ねていくと、突然—

「あっ!これが主語じゃない!?」
「そうだ!そうすると全部辻褄が合う!」
「アニメの最終回の伏線回収みたいでめっちゃ面白い!」

こんなワクワクした声が飛び交った。

そして授業が終わるころ、彼女はこう言った。

「最近こういう発見が、過去問分析のたびにあって面白いんですよ!」

……これには思わず震えた。
「努力が夢中に勝てないって、こういうことだよな」と。


受験生のみんなへ

最初から“夢中”になれる人なんて、ほとんどいません。

むしろ多くの人は、
「よく分からないけど、とにかくやってみる」
という“努力”の段階からスタートします。

でも、その中で——
ちょっと成長を実感できたり、
工夫してみたらうまくいったり、
わからなかったものがつながったり。

そういう“小さな成功体験”を積み重ねていくと、
気づけば努力が楽しくなり、
その楽しさが夢中へと変わっていきます。

夢中になった瞬間、勉強は努力を追い越す。
やらされる勉強ではなく、
「知りたい」「分かりたい」「もっとできるようになりたい」
という内側からのエネルギーが湧いてくる。

その境地に到達した瞬間、
学力の伸び方が一気に変わります。

だからこそ、今はまだ夢中になれていない人も大丈夫。

まずは努力の中に“面白さ”を見つけてみよう。

今日も一緒に前へ進もう。
君が夢中になる瞬間は、すぐそこにある。

この記事を書いた人

なおき