【直前対策】「言語学・文化論」頻出テーマ&キーワード完全攻略

前回は「ビジネス」の話をしましたが、今日は文系学部の頻出テーマ、「言語学・文化論」についてです。

「サピア・ウォーフの仮説」「文化的相対主義」…… これらを知っている受験生はどれくらいいるでしょうか。

難関大の入試では、これらの概念が「前提知識」として登場します。

「何が書かれているかわからない」とパニックになる前に、この分野の「筆者の主張パターン」を押さえてしまいましょう。

これを知っているだけで、難解な評論文が驚くほどクリアに見えてきます。


1. 【文化論】世界を見る「レンズ」を整える

文化論のテーマが出たら、結論はほぼ以下の2つに集約されます。

① 自文化中心主義 vs 文化相対主義

これが文化論の「王道中の王道」です。

  • × 自文化中心主義 (Ethnocentrism):
    • 自分の文化のモノサシで、他人の文化を勝手に評価すること。「昆虫を食べるなんて野蛮だ」といった考え方。(※批判対象として登場します)
  • ○ 文化相対主義 (Cultural Relativism):
    • 文化に優劣はない。それぞれの文化には独自の背景や理由がある。「違い」をただ「違い」として認めるべきだ。(※筆者の主張は100%こちらです)

★読むコツ 「Judging(判断する)」「Inferior(劣った)」という単語が出たら、筆者はそれを批判しようとしています。「理解し、尊重せよ」という結論を先読みしてください。

② ハイコンテクスト vs ローコンテクスト

日本と欧米のコミュニケーションの違いを説明する際の鉄板ネタです。

  • 日本(High Context):
    • 「空気を読む」文化。言葉にしなくても伝わる(Silence is golden)。
  • 欧米(Low Context):
    • 「言葉にする」文化。言わなければ伝わらない。曖昧さは悪。

★読むコツ 「Misunderstanding(誤解)」の話が出たら、この文化的な背景の違い(Cultural difference)が原因であることが多いです。

③ ステレオタイプ (Stereotype)

  • 論点:
    • 「日本人は勤勉だ」「アメリカ人は陽気だ」といった固定観念は、個人の本質を見えなくさせる(Oversimplification)。
    • メディアが作るバイアスに気づくべきだ。

2. 【言語学】言葉の「正解」はどこにある?

言語学の文章は「常識を疑う」内容が多いのが特徴です。

① 規範主義 vs 記述主義(言葉の乱れ)

「若者言葉」や「新しい表現」についての議論です。

  • × 規範主義 (Prescriptivism):
    • 文法ルールを絶対視し、変化を「乱れ(Corruption)」として批判する立場。
  • ○ 記述主義 (Descriptivism):
    • 言語は変化するものであり、実際にどう使われているかを観察する立場。
    • 結論: 「言葉の乱れ」は「進化(Evolution)」や「変化(Change)」であり、止めることはできない。

② 言語とアイデンティティ(危機言語)

世界中で言語が消滅している現状(Endangered Languages)について。

  • 論点:
    • 言語は単なる伝達ツールではない。その民族の**「文化」や「世界観」そのもの**である。
    • 言語が死ぬことは、人類の叡智(Wisdom)が失われることだ。
    • グローバル化(英語の支配)に対する警鐘。

③ 言語は思考を決定するか?(言語相対論)

「サピア・ウォーフの仮説」と呼ばれるテーマ。

  • 強い仮説: 言語が思考を「決定」する(言葉にない概念は理解できない)。
  • 弱い仮説(現代の主流): 言語は思考や認識に「影響」を与える。
  • 具体例: 虹の色を7色と教わるか、2色と教わるかで、色の見え方が変わる。

3. 【超頻出】言語・文化テーマの必須単語リスト

この分野特有の意味を持つ単語(テクニカルターム)です。 これを知らないと、抽象的な議論についていけません。

【超重要概念】

  • Arbitrary
    • 意味:恣意(しい)的な、勝手な
    • ※言語学の最重要語。「犬」を「Dog」と呼ぶのに必然的な理由はなく、勝手に決めたルールだ、という文脈で出ます。
  • Acquire
    • 意味:(言語を)習得する
    • ※「Learn(勉強して学ぶ)」と対比され、子供が自然に言葉を身につけることを指します。
  • Inherit
    • 意味:受け継ぐ、継承する
    • ※文化や伝統を次の世代に渡す文脈で頻出。
  • Universal
    • 意味:普遍的な(世界中どこでも共通の)
    • ※「普遍文法(人間には生まれつき言語能力が備わっている)」の話で出ます。

【紛らわしい多義語】

  • Discipline
    • × しつけ
    • 学問分野(Academic discipline)
  • Observe
    • × 観察する
    • (規則・習慣を)守る、遵守する
  • Custom
    • × 税関
    • 慣習、社会的習慣(Habitは個人の癖)
  • Conservative
    • 保守的な(言葉の変化を嫌う、伝統を守る)
  • Convention
    • 慣習、しきたり(会議という意味もあるが、文化論ではこちら)

【対比で覚える形容詞】

  • Subjective(主観的な) ⇔ Objective(客観的な)
  • Abstract(抽象的な) ⇔ Concrete(具体的な)
  • Literal(文字通りの) ⇔ Figurative / Metaphorical(比喩的な)

塾長からのメッセージ

言語や文化の長文を読んでいて、「筆者は何を言いたいんだ?」と迷子になったら、思い出してください。

今の大学入試における「正義」はある程度決まっています。

  • 多様性を認めること(Diversity)
  • 異文化を尊重すること(Respect)
  • 変化を受け入れること(Acceptance)

このスタンスさえ見失わなければ、多少単語がわからなくても、選択肢を選ぶときに「排他的な選択肢」や「断定的な批判」を除外できます。

英語という「他言語」を学ぶこと自体が、まさに君たちの視野を広げ、異文化を理解する訓練そのものです。 君たちの努力は、単なる受験勉強を超えて、将来の世界を生きる力になります。

焦らず、背景知識を味方につけて、冷静に読み解いてください。応援しています!

この記事を書いた人

なおき